「あの本なんだっけ?」本の情報取得時にハードルとなるのは?

2011/11/21 07:12

ハードル日本書籍出版協会が総務省の「新ICT利活用サービス創出支援事業(電子出版の環境整備)」に提出して採択され、公知されている【「次世代書誌情報の共通化に向けた環境整備」プロジェクト】の公開情報には、出版市場の現状を探る多様なデータや調査結果が盛り込まれている。今回はその中から、正しい「書誌情報」(書籍やコミックなどの、名前や値段、出版社など各種情報)を入手する際に、ハードルとなった事象について調べた項目を抽出し、眺めてみることにした。

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今調査は2011年1月24日-28日までインターネット経由による事前調査(本調査の調査母体を「読者をする人」のみとするための対象者スクリーニング)、31日-2月2日まで本調査が行われ、事前調査の有効回答数は5480人・本調査での有効回答数は2000人。本調査の男女比は1対1、年齢階層比は10代と20代・30代・40代・50代・60歳以上で均等割り当て。

先に【「本の詳しい情報が知りたい」そのきっかけは何だろう?】で、気になった本の詳細を確認する素材として、あるいは購入するか否かを決めるための判断材料として、「書誌情報」についてスポットライトを当てた。必要となる状況は「好きな著者の新刊発売」「新聞や雑誌の書評を見かけた」「本屋・車内等のPOPを見た」など多岐にわたる。

↑ 書誌情報が必要なケース(複数回答)
↑ 書誌情報が必要なケース(複数回答)(再録)

そして必要とされる「書誌情報」としては、「タイトル」「著者名」が圧倒的な回答率を示している。極論としてこの2項目が判明すれば本屋で探し、あるいは注文することが出来るからに他ならない。

↑ 必要とされる書誌情報(複数回答)
↑ 必要とされる書誌情報(複数回答)(再録)

それでは(正しい)「書誌情報」を取得する際に、どのようなハードルを体験したことがあるだろうか。想定しうる事象を選択肢として挙げ、複数回答で答えてもらったのが次のグラフ。もっとも多い回答は「タイトルが分からなかった」で2/3近くに達していた。

↑ 書誌情報の取得に関しての障壁(複数回答)
↑ 書誌情報の取得に関しての障壁(複数回答)

書誌情報に長けた従業員、あるいはコミュニティでの知り合いなら、あいまいな情報でも正しいタイトルに導いてくれることもある。例えば「古代の西洋の人が日本にタイムスリップする漫画、アロエなんとかっていう……」と聞かれて、【「風呂限定だけど、夢じゃなかった!」第三回マンガ大賞は『テルマエ・ロマエ』に決定】で紹介した『テルマエ・ロマエ』を提示することも不可能ではない。また最近は検索エンジンも優秀なものとなり、近しい言い回しなら「もしかして」と可能性のある類似キーワードを呈してくれる。しかしそれでも、タイトルが分からないのは大きな障壁になることに違いは無い(母親にエンタメ系、例えばゲームや漫画の買物を頼んだら、似たような言い回しのまったく別モノを買ってきたという小噺が好例)。

タイトルと比べれば随分と回答率は落ちるが、「著者名」「出版社名」が分からない場合も障壁となる。似たようなタイトル・同じタイトルの書籍は結構ある。検索エンジンや書籍通販サイトで検索をかけたところ、該当キーワードを含む複数の著者作がリスト化されてしまい、「自分が求めていたのはどの本なのか」と頭を抱えた経験は誰にでもあるはず(「同タイトル複数存在」がこの事例に連動しやすい)。

2010年版『出版物販売額の実態』やや特殊なのが「入手先不明」。これは【2010年版『出版物販売額の実態』を入手】での話が良い例。「2010年版『出版物販売額の実態』」を入手しようとしたが通販サイトでは登録された形跡も無く、本屋でも見つからない。問い合わせたところ、基本的にはお取り寄せとなるので、事実上出版社からの直販状態だった。専門誌の類ではこのような事例が多く、「本屋にあるはず」と思って探しても、見つからない事態に陥る。

もっとも「入手先不明」は、ごくまれな事例。やはり「タイトル」「著者名」「出版社」が書籍情報を取得し、本を特定する際には欠かせない要素。視点を変えれば、この3点さえ覚えてもらえば、多くの人に該当する本を認識して、「次」につなげてもらえる可能性が高くなる。インターネットの場合は直接販売ページにリンクを貼ればそれで終了だが、リアルな話では色々な工夫が求められよう。

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