上位国に変動無し、イタリアが大幅悪化の動き(国債デフォルト確率動向:2011年11月15日版)

2011/11/15 12:30

国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化して精査した記事(2010年12月17日版)で説明したように、経済動向を推し量るのを目的とし、債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2011年11月分として、15日時点での数字をグラフ化してみることにした。

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国公債のデフォルト確率を意味するCPD(5年以内のデフォルト可能性)自身の細かい定義、データの取得場所、さらに各種概念は一連の記事まとめページ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説している。

今件のグラフは日本時間で2011年11月15日、つまり(日本時間で)本日取得したばかりの一番新しいデータで生成している。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。

↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)
↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2011年11月15日時点)

いわゆる「ジャスミン革命」「Facebook革命」と呼ばれた中東近辺の連鎖反応的動乱は、先日の「ロンドン暴動」「イスラエルの大型デモ」、さらには昨今の「Occupy Wall Street」運動などへも飛び火したが、結局のところ(背景や表現の仕方に違いはあれど)「モバイル端末」と「相互情報の容易なコミュニティ」というツールで形成された、主に若年層による「エネルギーの発散」という形で収束しつつある。リビアの内戦も現在は「次の段階」に移行中。「Occupy Wall Street」は色々な人々の思惑が絡み、従来の「連鎖反応的ムーブメント」とは違った様相を見せつつあるが、現時点では各国の経済動向に大きな影響を与えるまでには至っていない。

一方で債務問題の悪化を起因とした欧米通貨、特にヨーロッパ方面のユーロをはじめとした各通貨への信頼性への揺らぎは続いており、これがここ数か月の間の極端な(特に対ユーロにおける)円高の一因でもある。今件データを見ると分かるように、特にギリシャのCPD値は高止まりのまま。同国の債務問題が極めて厳しい(と少なくとも市場関係者からは判断されている)のが確認できる。

イタリア議会の様子今回確認したデータにおいては、先月と比して従来最重要当事国とされてるギリシャ、そして先進国の動向の影響を受ける形でリスク増加が懸念されている新興国の動向は「多少ながらも」落ち着きを見せている。一方で先日のイタリアの財政問題・政治的混乱を受けて、イタリア、そしてその周辺国としてハンガリーやスペインの値が大きく上昇し、市場から不安視されているのが分かる(スペインの先月値は前回11位以下で未公開だったが、先月の10位・クロアチアが29.09%なので、少なくともそれよりは小さい値なのが分かる)。同じヨーロッパ諸国でもギリシャ、ポルトガルなどと比べればまだ値は低いが、先月からの大きな上昇ぶりは注視に値する。

なお日本の国債に対する値は4半期ごとに更新されるCMD Visionのリスクレポートの最新版【2011年第2四半期リスクレポート(CMA Global Sovereign Debt
Credit Risk Report、PDF)】
で確認可能。それによると、CPD値は7.3%・格付けはaaで順位は23位。2011年第1四半期の値がCPD値8.7%・格付けaa・順位29位なので、それなりに改善したことになる。震災による被害やその復興のための財務的負担、現状における政策の「有意性」リスクは大きいものの、最悪の時期は脱したとする判断のようだ。

ヨーロッパの債務問題における重要当事国がギリシャだけでなくイタリアも加わったことを再認識させる今月データ。今しばらくは少なくない混乱が続きそうな感はある。今後の動きについては、最優先で欧州の(複数国に渡る債務関係も含めた)経済情勢、そしてその動きに連動する形で変化を見せつつある周辺新興国の経済・株価動向にも気を付けていかねばならない。引き続き「臨戦態勢」で気を引き締めるべきといえよう。


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