パソコンの使い始めは平均3歳半…!? アメリカの幼児におけるデジタルアイテムの使い始め時期などをグラフ化してみる

2011/11/15 06:43

iPadを使う子供子供やその世帯の生活改善を目的とし、メディアや技術分野における各種情報提供などを行っている非営利団体【Common Sense Media】は2011年10月25日、アメリカの現在の子供におけるデジタルメディアを中心としたメディアとの関わり合いについて調べた報告書【Zero to Eight: Children's Media Use in America(アメリカにおける0-8歳児のメディア利用状況)】を発表した。そこからは誕生時から多彩なメディアに囲まれて成長しているアメリカの子供達の実情を、色々な視点からかいま見ることができる。今回はその中から「主要デジタル機器の利用経験や、はじめて使った年齢」に焦点をあてることにする。

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今調査はアメリカ国内に住む0-8歳児の子供を持つ親1384人に対して、2011年5月27日から6月15日にかけて行われたもので、アフリカ系・ヒスパニック系の親子も調査対象に含んでいる。調査方式はインターネットによるものだが、調査母体対象となる世帯はランダムで選ばれており、その世帯がネット環境を有していなかった場合、回答用ツールとしてノートパソコンとアクセス用のダイヤルアップによるインターネット回線が貸与されている(パソコン周りの設問の際には、この貸与機器は考慮外で回答する)。調査の文面は英語及びスペイン語の両方で提供されている。また「デジタルメディア」とはビデオゲーム、パソコン、携帯電話、携帯ゲーム機、iPod、iPadなどのモバイル機を指し示している。

【アメリカの子供間で生じるデジタルギャップ】などで解説している通り、世帯年収差が大きいが、調査母体全体では「パソコンがある世帯は約7割」「スマートフォン保有世帯は4割強」などの結果が出ている

↑ 自宅にパソコンやノートパソコンがあるか(アメリカ、0-8歳児がいる世帯、前記事のグラフを再構築)
↑ 自宅にパソコンやノートパソコンがあるか(アメリカ、0-8歳児がいる世帯、前記事のグラフを再構築)

↑ 自宅にモバイル端末があるか(アメリカ、0-8歳児がいる世帯、前記事のグラフを再構築)
↑ 自宅にモバイル端末があるか(アメリカ、0-8歳児がいる世帯、前記事のグラフを再構築)

それではこれらのアイテム達を、子供達は何歳くらいの時から使うようになったのか、あるいはまだ使っていないのか。「テレビ」「パソコン」「家庭用ゲーム機」「モバイル端末、携帯ゲーム機」の4項目について、子供の年齢階層で区切った上で聞いた結果が次のグラフ。さすがにテレビ視聴は2-4歳の時点でほぼ100%に達している。

↑ 利用経験のある無し(ある人の比率)(アメリカ、0-8歳児)
↑ 利用経験のある無し(ある人の比率)(アメリカ、0-8歳児)

0-1歳児でテレビ視聴以外の項目がほとんど1ケタなのは仕方ないとして、2-4歳の時点で4-5割台に達しているのは驚くべき結果といえる。例えば「パソコン利用」との表記でも、自分の意志で積極的にウェブサーフィンをして人気アニメのファンクラブを探し、そのブログにコメントを書き込むような能動的な行動ではなく、例えば保護者が用意したお絵かきソフトで遊ぶような類のものと思われる。それでも二人に一人がパソコン使用の経験がある、との回答は、「デジタル時代」の到来を実感させる。

それをさらに強く体感できるのが次のグラフ。これは上のグラフで利用経験があると答えた人(緑の「全体」の該当者)における、「いつ使い始めたか」の平均期間。例えば「テレビ視聴」なら「0-8歳児」全体の89%がテレビ視聴の経験があり、その89%における平均「はじめての視聴」期間は「生後9か月」という次第。

↑ 初めて使った平均年齢(利用経験者内平均)(か月)(アメリカ、0-8歳児)
↑ 初めて使った平均年齢(利用経験者内平均)(か月)(アメリカ、0-8歳児)

パソコン利用経験済みの児童における、パソコンの初めて利用時期は3歳半、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機は4歳足らず。その他デジタル系アイテムの「はじめて」は大体3歳半-4歳半の時期に集中しているのが確認できる。好奇心旺盛で行動力も身につけ始めたこの時期に、デジタル機器への興味関心が増すのも当然といえよう。

【新世代の子供達...iPadを楽しむ2歳の男の子】【「読書」が変わる日】などでも触れているように、幼い頃からデジタル系アイテムに触れて慣れ親しんでいる子供達が、そのような時代を経験しなかった大人の目から見て、非常に興味深い行動様式を取ることが報告されている。「アナログのアイテム」があり、そして「デジタルのアイテム」がそれに代替するのではなく、はじめに「デジタルアイテム」ありき的な行動をとっている姿は、大人からは驚きの対象となるのも当然。


↑ iPadで画面のドラッグなどを覚えた子供が、普通の本でそれが出来ないことに不可解さを覚える……というCM。多分に演出のところはあるが、象徴的なアクションであることや、同様の事例が多数報告されていることもあり、一例として取り上げた。


↑ 2歳児によるiPadでのお遊びのようす。関連動画にも同年齢層によるiPadの使用例が多数。

特にiPadなどのタブレット機は、その操作感覚と画面の広さから、多数の利用事例が報告されている。

出版物など非デジタル系の利用感覚が鈍る、成長期における知覚センス形成の妨げになるなどの理由を挙げて、幼少時にはデジタル系アイテムを使わせるべきではないとする意見も少なくない。その意見が正しいか否かは専門家の判断に任せるとして、今後もデジタルアイテムの利用開始時期は早まり、より多くの「デジタル世代」が育ち、数を増していく。前例の無い話なだけに、色々な面で気になる動きではある。

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