「テレビを観ながら宿題をする」は4割強…アメリカの子供とメディアの「ながら」傾向
2011/11/09 06:40


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今調査はアメリカ国内に住む0-8歳児の子供を持つ親1384人に対して、2011年5月27日から6月15日にかけて行われたもので、アフリカ系・ヒスパニック系の親子も調査対象に含んでいる。調査方式はインターネットによるものだが、調査母体対象となる世帯はランダムで選ばれており、その世帯がネット環境を有していなかった場合、回答用ツールとしてノートパソコンとアクセス用のダイヤルアップによるインターネット回線が貸与されている(パソコン周りの設問の際には、この貸与機器は考慮外で回答する)。調査の文面は英語及びスペイン語の両方で提供されている。また「デジタルメディア」とはビデオゲーム、パソコン、携帯電話、携帯ゲーム機、iPod、iPadなどのモバイル機を指し示している。
【アメリカの子供達のテレビやゲームの接触時間・決まりごと】などでも触れているが、日本同様アメリカでも、複数メディアを同時に利用する「ながら」行動は日常茶飯事的なものとなっている。個々のメディア利用のハードルが低い(普通の利用の限り集中力をさほど使わない)ことや、生活習慣的に多忙となり、時間を節約したい思惑によるところが大きい。今調査母体の子供でも、複数メディアを同時に利用する傾向を持つ子供は大体半数に達する(0-4歳児が対象外なのは、幼少のため利用できるメディアそのものが少ないため)。

↑ 複数メディアを同時に利用するか(アメリカ、5-8歳児)
そこで子供にとって数少ない「義務」の一つ「宿題」と、「ながら」行動の関係について今報告書では尋ねている。まず「宿題」を自宅でするか否かだが、5-8歳児のうち約8割が「自宅で宿題をしたことがある」と回答している。

↑ 学校から宿題を持参した経験は(アメリカ、5-8歳児)
この約8割の子供について、「ながら」行為の最たるもの、そしてこの年齢で一番大好きなメディア利用行為である「テレビ」との関連として、「テレビを観ながら宿題をしているか」を聞いた結果が次のグラフ。

↑ テレビを観ながら宿題をしているか(アメリカ、5-8歳児のうち自宅で宿題をする児童)
テレビを観ないで宿題をしている子供は54%。残りの5割近くは、頻度はともあれ「テレビを観ながら宿題をしている」計算になる。また、比率上の問題だが、一つ目のグラフ「複数メディアの同時利用傾向」と似たような配分で構成されているのは興味深く、同時に注目すべき点といえる。
集中力や宿題そのものの意義を考えれば、保護者にとって「テレビを観ながら宿題をする子供」の姿はあまり好ましいものとはいえない。しかしこれが単に「宿題だから」ではなく、日常の生活スタイルとして慣れているからと考えると、問題は根深い。「ながら」行動の善し悪しを考えた上で、子供にさとす必要があるに違いない。
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【アメリカの子供達のテレビやゲームの接触時間・決まりごと】
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