アメリカでもテレビはもっとも「使いやすく」「安価な」教育メディア

2011/11/08 05:02

テレビ視聴をする子供アメリカ国内の非営利団体【Common Sense Media】は2011年10月25日に、同国の現在の子供に関するデジタルメディアを中心としたメディアとの関わり合いを対象とした調査報告書【Zero to Eight: Children's Media Use in America(アメリカにおける0-8歳児のメディア利用状況)】を同団体公式サイト上に公開した。その報告書からは、誕生時から色々なメディアに囲まれて成長する子供の実情を、多様な視点から知ることができる。今回はその中から「教育ツールと世帯年収との関係」にスポットライトを当てることにする。

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今報告書の調査要項などは、2011年11月7日に先行する形で記事にした【自室にテレビがある5-8歳児は47%…アメリカの子供もやっぱりテレビ好き】にて解説している。詳しくはそらちを参照のこと。

ちまたにあふれるようになったデジタルメディアだが、今調査対象となったアメリカの世帯では、その世帯の年収によって普及・利用率に大きな違いが出ている。初期導入・継続利用コストがかかるため、金銭的なギャップが生じやすい(【アメリカの子供間で生じるデジタルギャップ】)。

↑ モバイル端末と子供の関係(アメリカ、0-8歳児がいる世帯)
↑ モバイル端末と子供の関係(アメリカ、0-8歳児がいる世帯)(再録)

そこで注目されるのが「テレビ」の存在。テレビは元々デジタルメディアと比べれば生まれは早く、利用する際の技術的ハードルも低い。そして金銭的負担も少なくて済む。教育ツールとしても(一方向のメディアのため柔軟性に欠けるが)、多くの世帯で重宝される。

↑ 教育関係のメディア利用状況(よく行うか)(アメリカ、0-8歳児)
↑ 教育関係のメディア利用状況(よく行うか)(アメリカ、0-8歳児)

パソコンやモバイル端末を使った教育系ソフトの活用は1割に満たないが、教育番組の視聴は2割を超える。

この「ハードルの低さ」「安上がり」なテレビの利点は、特に低所得の世帯に受けが良い……というよりは、所得が高い層は双方向のデジタルメディアを使う(子供に使わせる)傾向が強く、その分テレビ視聴時間が短くなる。

↑ 教育関係のメディア利用状況(よく行うか)(アメリカ、0-8歳児)
↑ 教育関係のメディア利用状況(よく行うか)(アメリカ、0-8歳児)

グラフ化は略するが、世帯所得で差異無く、テレビそのものの普及率はほぼ100%。「収入が高い世帯ほどテレビが無く、だから利用されない」ではなく、「テレビはあるがデジタルメディアへの利用に時間を割かれ、テレビを見なくなる」わけだ。言い換えれば「高所得世帯の子供ほど、メディアの多様化の恩恵を受ける」次第。

目線を変えれば、テレビの便利さ、手軽さ、低コストさは世界共通。日本も恐らくは似たような傾向のはず。テレビはより多くの階層に視聴されることを念頭に入れる必要があるのもまた、世界共通の話といえる。


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【アメリカ人がいつテレビを見ているのかがひとめで分かる図】

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