北海道・東北・東京電力における冬場の時間単位での電力需給推移(2011年)

2011/11/05 06:02

先に【自動販売機各社や業界団体、冬季節電対策を次々発表】で東京電力資料内の図を引用する形で、冬場の電力事情・需給ピークが夏場とは違うことを解説した。しかしこれは東京電力管轄の話であることや、具体的な数字データが無いので細かい検証が出来ない、そして何よりも昨今の電気機器の普及や省エネ対策の反映が十分になされていない結果のため、今一つ参考資料としては弱い。そこで今回は昨年2010年度の冬季における、冬場の寒さで電力事情の切迫が懸念されている北海道・東北、そして東京電力管轄の、冬場における日中の電力需給推移データを探し、グラフ化を試みることにした。

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今回スポットライトを当てるのは、冬季(ここでは12月から翌年3月と定義する)において、日中どれだけ電力需給が変化するかについて。そこでまずは2010年-2011年における(出来れば前冬季の)「時間単位の」電力需給推移の数字を探した。日ベースならいくつかすぐに見つかるが、時間ベースはなかなか見つからず、四苦八苦した揚げ句【経済産業省の節電関連ページ内における「過去の電力需要実績」】ページで該当するデータを発見した。ここには主要電力管轄別に、2010年4月1日-2011年3月31日における、1時間単位の最大電力需要(≒需給)が納められている。

ただしこれを全部入力したのではきりがない。そこで夏場に【東北・東京・中部電力の一日単位の最大電力需要推移をグラフ化してみる(2011年8月31日まで反映版)】などの形で毎月報告していた、電力統計利用協議会の【系統情報サービス】から該当期日のデータを抽出。上記冬季期間における最大電力の日を見つけ出し、その日の日中推移をグラフ化することにした。

まずは「系統情報サービス」を用いた「冬季最大電力日」探し。せっかくなので、月次での最大電力を抽出し、グラフ化しておく。

↑ 北海道電力管轄における2010年度の月次最大電力(万Kw)
↑ 北海道電力管轄における2010年度の月次最大電力(万Kw)

↑ 東北電力管轄における2010年度の月次最大電力(万Kw)
↑ 東北電力管轄における2010年度の月次最大電力(万Kw)

↑ 東京電力管轄における2010年度の月次最大電力(万Kw)
↑ 東京電力管轄における2010年度の月次最大電力(万Kw)

取得する場所(サイト=機関)により、同じ場所(管轄)を対象としても、記事によって多少の差異が出る。これは自家発電設備所有者による自家消費分の扱いをはじめとした、細かい部分の出し入れが関わってくるのが主要因。大勢では変わりがないので深く考えることは無い。

北海道電力管轄
さて、北海道電力管轄では昨年度冬季の最大電力需給を記録したのは2011年1月12日(水)。東北電力は1月20日(木)、そして東京電力は2月14日(月)。いずれも当然平日。

そこでまずは一番重要と思われる、そして今回取り上げた3電力管轄では唯一「冬場の電力需要が年間を通じて一番大きい」北海道電力を見て行くことにする。

2011年1月12日、札幌では雪が降った。最低気温はマイナス9.6度、最高気温でもマイナス6.1度を記録している。この日の電力需給推移は次の通り。

↑ 北海道電力管轄内電力需要推移(2011年1月12日(水)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)
↑ 北海道電力管轄内電力需要推移(2011年1月12日(水)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)

矢印をつけた17時台に、その日の最大電力需給579万kWを記録している。昼場には企業での電力が多少減るので凹みが見えるが、それ以外は日中随時電力需要が増え、17時台-18時台がピークになるのが分かる。後ほど提示する日曜日のと比べると、夕方以降に日が暮れ始め、企業でも暖房を強くする様子が想像できる。

さてこのピーク月日からもっとも近い日曜日、今件の場合は2011年1月9日の動向を示したのが次のグラフ。札幌では天候は晴れ、最低気温はマイナス6.9度・最高気温はマイナス4.0度。

↑ 北海道電力管轄内電力需要推移(2011年1月9日(日)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)
↑ 北海道電力管轄内電力需要推移(2011年1月9日(日)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)

先の平日のグラフと比較して欲しいのだが(比較しやすいよう、縦軸の間隔は同じにしてある。他の管轄も同じ)、22時-翌日4時台までは平日・休日ほぼ同じグラフを描いている。これは主に民間ベース、あるいは終日利用されている電力需要の動向を意味するものと思われる。寒さが堪える深夜帯は平日・休日共に(暖房で)民間の電力需要が増すが(平日をもう一度見直せば、それが分かるはず)、日中ではそれほどでもない。そして夕方にかけて、調理などでも電力を使う関係からか、やや高めの値を見せる。平日ではこの時間帯に、企業の需要増加も重なるため、1日のピークになる、と考えれば良い。

東北電力管轄
続いて東北電力管轄。ピークは2011年1月20日。天候は晴れ。最高気温は3.0度、最低気温はマイナス2.0度。

↑ 東北電力管轄内電力需要推移(2011年1月20日(木)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)
↑ 東北電力管轄内電力需要推移(2011年1月20日(木)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)

北海道電力管轄ほど夕方のピーク時の伸びぶりは大きくないものの、やはり夕方日が暮れ始めてからの寒さの厳しさもあり、17時台に1470万kWの最大値を記録。18時台も1437万kWと高い値を維持している。

東北電力管轄では北海道電力管轄と比べて、深夜帯の民間暖房電力需要は大きくないものの、それなりの底上げ効果を持つ。

↑ 東北電力管轄内電力需要推移(2011年1月23日(日)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)
↑ 東北電力管轄内電力需要推移(2011年1月23日(日)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)

直近の日曜日のデータを見ると、北電同様に深夜帯の動きはほぼ同じで、この時間帯の電力需給が主に民間の暖房によるところであるのが理解できる。

東京電力管轄
最後に東京電力管轄。ピークは2011年2月14日。天候は晴れ。最高気温は7.3度、最低気温は0.0度。

↑ 東京電力管轄内電力需要推移(2011年2月14日(月)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)
↑ 東京電力管轄内電力需要推移(2011年2月14日(月)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)

日中と深夜帯の差異が比較的大きく、深夜の寒さが北海道・東北電力管轄と比べればゆるやかであるのが分かる。そして日中の電力需要はやや少なめで、ピークはやはり職場が暖房などをつける時間帯の17時台(5150万kW)。

直近の日曜日の動向と見比べると、深夜帯の差異が北海道・東北電力管轄と比べてやや大きく出ており、夜間でも暖房を必要とする世帯割合が少なめ(あるいは強度が小さめ)であるのが推定できる。

↑ 東京電力管轄内電力需要推移(2011年2月13日(日)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)
↑ 東京電力管轄内電力需要推移(2011年2月13日(日)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)

この日のピークは17時台ではなく18時台。平日と比べれば企業需要が大きく削られているので電力不足に陥るリスクはほとんどないが、ピークが18時台になりうることには留意しておく必要がある(平日でも18時台は17時台とさほど変わっていない)。



今回のデータ抽出・グラフ化で判明したのは、やはり冬場の電力需要のピークは夕方以降夕食時、具体的には17時台-18時台になることが一つ。そしてもう一つは、東電よりも東北電、東北電よりも北海道電の方が暖房によるものと思われる変移が大きく、なかでも北海道電ではお昼以降は19時台に入るまではほぼ一直線に需給が増えて行くこと。

夏場の節電は企業と民間の需要過多時間帯がほぼ一致するため、その時間帯のみ注意してれば、大きな問題は要らなかった。冬場は夏場と違う、場所によっては夏場以上の留意が求められよう。

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