スマートフォンの急速浸透でPV比率は7.7%に、若年層も増加…mixi動向(2011年9月)

2011/11/04 12:10

【ミクシィ(2121)】は2011年11月2日、2011年度第2四半期(2011年7月-9月)における決算短信を発表すると共に通期決算説明会を開催、資料の公開を行った。その資料などから、以前お伝えした、同社が運営するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)【mixi】の会員数などの動向が明らかになった。今回はそれらの資料からグラフを再構築・構成し、「可能な範囲で」「継続データについて」mixiの現状を眺め見ることにする(【発表リリース一覧ページ】)。

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スマートフォンの急速な浸透と「幽霊会員」4割超
資料によれば2011年9月時点でのmixiの主要データは次の通り。提示された資料は2011年度第2四半期(2011年7月-9月)のもので、基本的に2011年9月末のデータが提示されている。

・月間ログインユーザー数(月1以上でログインしたユーザー数)
 ……1516万人
・登録ユーザー数
 ……2535万人
・月間ページビュー数
 モバイル……191.5億
 パソコン……33.6億
   Touch(スマートフォン)……18.8億
  計……243.9億

月間滞在時間のデータは今年期2四半期前から非公開となっており、今回もその状態は継続している。ページビューの大きな減少傾向、月間ログインユーザー数の低迷についてリリースでは、直接的には「1ページの情報量が多いスマートフォンへのユーザー移行が増えた」「スマートフォンでは一部アプリの利用において、ページビューに反映されない」「ユーザー利便性を優先したインターフェイスの変更で、(誤操作や迷いのための別ページ視聴が起きにくく)ページビューが減退している」と説明している。

対応策として資料では「ページビューに依存しないビジネスモデルへの転換を図る(具体的には広告ビジネス面では「広告のソーシャル化による単価向上」をはじめ、SNSの特性を活かした広告強化)」「mixi外との連携を強化して内部の活性化」「ゲームの課金強化やコマース・デジタルコンテンツ販売のスタート」などを明記している。先日【「ミクシィ年賀状」サービス、新会社「フレンゾ」設立で運営】でお伝えした、「ミクシィ年賀状」の新会社設立もその流れといえる。

今回のデータからは(利益面でも例えば「スマートフォンへの利用のシフトにより、モバイル広告売上が落ち込み」と言及されている)各所でスマートフォン利用者の顕著な増加がうかがえる。スマートフォン向けに最適化されたmixiこと「mixi Touch」のログインユーザー数増加は、それを裏付けるひとつのデータといえる。

↑ mixi Touchログインユーザー数(万人)(mixi Touchは2010年5月末より開始。それ以前のデータはスマートフォンでPC版へアクセスした人のデータ)
↑ mixi Touchログインユーザー数(万人)(mixi Touchは2010年5月末より開始。それ以前のデータはスマートフォンでPC版へアクセスした人のデータ)(2011年1月から測定ツール変更)

留意すべきはアクセス周りの数字一覧のうち、上位二つの項目。ユーザー数が2535万人なのに対し月間ログインユーザー数が1516万人、つまり差し引き1019万人(40.2%)が2011年9月において「ユーザー登録をしているにも関わらず、一か月の間一度もログインしなかった」ということになる。三か月ほど前のデータ(936万人・37.9%)と比べて割合も人数も増加しており、大変気になるところだ。

「システムの整理統合改変やインターフェイスの改善でページビューが減る」「1画面当たりの情報量が少ない一般携帯電話から、情報量の多いスマートフォンへ利用者が移行することで、総表示ページ数が減退する」という指摘は以前から指摘しているが、現在のmixiではその状況がリアルタイムで進行している。また、以前【国内主要ソーシャルメディアのアクセス機器傾向をグラフ化してみる】でも外部調査の結果として「携帯電話・スマートフォン向けの画面構造上、同じようなアクセス・巡回でも、パソコンより携帯の方がページビュー数が増えてしまう」との話をしているが、携帯電話よりはパソコンに特性が近いスマートフォンに、携帯電話からの移行者が増えることによる、表示ページ数減退が相互的に裏付けられた形となる。

他方、前回同様に具体的数字は提示されず資料ではグラフのみの掲載のため、今回も記事でのグラフ反映を略するが、各種コミュニケーション機能(ボイス投稿、チェック投稿など)の総投稿数・利用率は、今回四半期では横ばい、あるいはやや減退の動きを見せている。この状況を受けてか、上でも触れているように「mixi外との連動強化(【mixiのロゴ変更、「mixiページ」も開始】で触れたmixiページが一例)」や「iPad向けのアプリ提供開始」「PC/Touch」のリニューアルを今年12月中に予定するなど、さまざまな施策を打ち出している。

さて以前の記事と同様に、直近のmixiにおけるパソコン(PC)・モバイル経由の月間PV(ページビュー)、及び会員数の推移をグラフ化したのが次の図。今回の資料でも月次ベースの会員数推移が非公開となっている(9月末時点のは上記の通り)。そこで可能な範囲で数字を入力し、グラフ生成を行う。

↑ mixiのユーザー数、ページビュー数(パソコン経由とモバイル経由)推移
↑ mixiのユーザー数、ページビュー数(パソコン+Touch経由とモバイル経由)推移

グラフからは、2009年秋のmixiアプリ導入をトリガーとし、大きく飛躍した様子が確認できる。また、前回の記事更新分以降(2011年に入ってから)は概して(上記での説明にあるように「仕様改善」「スマートフォンへの移行」など)ページビュー数が横ばいから、微量ながらも減退する方向に見て取れる。これは前述の通り「一般携帯電話からスマートフォンへの移行が急速に進んでいる」のが最大要因。

mixiがモバイルSNSであることに変わりなし(PV視点で)
次のグラフはPVにおけるPC(+Touch)・モバイルの比率だが、アプリを先行導入したことで2009年9月-10月はパソコンがやや押し返したものの、モバイル版導入後の2009年11月以降は逆に押し戻され、むしろモバイルの数値増加が加速しているのが見て取れる。

直近3か月においては、前述した話の繰り返しになるが、携帯電話からスマートフォンへの移行組の増加の影響もあり、モバイル率が減少する動きを見せている。しかしパソコン(+スマートフォン)のページビュー数はページビュー全体の五分の一程度でしか無い事実は覆しようも無い。さらに赤系統色のグラフの内部も、実のところスマートフォンによるものが少なからずあることを考えれば、mixiがモバイルSNSという状況に変化は無いのが分かる。

↑ PVから見たmixiのモバイル・PC率推移
↑ PVから見たmixiのモバイル・PC率推移

なおこの「PVから見たmixiのモバイル・PC率推移」のグラフは、元々「スマートフォンでもPC用のサイトを閲覧してもらっていた」という歴史的経緯があるため、「モバイル」と「PC+Touch」の区分で計算している。しかし実際には「Touch」経由のスマートフォンは「PC」よりも「モバイル」と分類すべきであり、今後グラフを生成する際の表現方法について考察中である(素直にTouch分を区分した方が良いのかもしれない)。

ちなみにこの部分を「パソコン」「mixi Touch」で分割した上で、直近データをグラフ化すると次の通りとなる。

↑ 2011年9月時点での、モバイル・パソコン・mixi TouchのPV比率
↑ 2011年9月時点での、モバイル・パソコン・mixi TouchのPV比率

↑ 2011年6月時点での、モバイル・パソコン・mixi TouchのPV比率
↑ 2011年6月時点での、モバイル・パソコン・mixi TouchのPV比率(参考・再録)

比率の視点では偶然ながら、モバイル(一般携帯)分がそのままmixi Touchに移行したようにすら見える。パソコン用画面をスマートフォンで見る人は多分に想定できるが、mixi Touchをパソコンで使うのは意味がないことを考慮すると、モバイル率は約9割に達していると見てよいだろう。

なお「パソコンと携帯電話、スマートフォンでは閲覧スタイルが違うのだから、同列で比較してもモバイルが上になって当然だ」という意見をいただいている。それは重々承知した上で、「ページビュー」という一つの「物差し」の上での比較なことを、改めて記しておく。

世代構成分の動き
「決算説明会資料には他にも多数の興味深いデータが掲載されている。そのうちmixi会員の年齢階層比率をグラフ化し、その傾向を眺めてみる」……というのが定例のパターンなのだが、なぜか前回から関連データは「登録者ベース」から「月間ログインユーザーベース」に変更となり、かつ「全ユーザー」のみの公開で「モバイルユーザー」に限定した数字は非公開。今回もそのパターンが継続している。区分は同じでも計測基準が異なるため、厳密な意味での連続性は前回で断たれてしまったことになる(この変更、「より厳密かつ有効な値を提示するため」という大義名分は立つものの、データの継続性の意義という視点では残念な話ではある)。

以前の値との違いにおいては、あくまでも「参考値レベル」としてしか検証できない、かつ「モバイルユーザー」のグラフは更新できないが、これまでの記事同様にグラフを生成する。

↑ mixi会員の年齢階層別比率
↑ mixi会員の年齢階層別比率

2011年9月末時点でも最多階層が20-24歳であることに違いはない。

これを前回・前々回、つまり3か月前・6か月前のデータと比較すると、別の動きが見えてくる(最新とその一つ前データが「月間ログインユーザーベース」であることに注意)。

↑ mixi会員の年齢階層別比率(全ユーザー)
↑ mixi会員の年齢階層別比率(全ユーザー)

今回のグラフからは、

・10代半ばの増加、18-19歳の減少
・20代-30代の減少
・40代以降は微増か横ばい

の傾向が確認できる。前回「(カウント基準変更による可能性が高く、今回は保留レベル)」として保留した傾向は、20代の増加部分が否定され、30代以降の減少が肯定されたことになる。全体として、現在中枢にある中堅層は少しずつその比率を減らし、若年層・高齢層が少しずつ増え、年齢階層のバランスが調整されつつあるように見える。

次回(3か月後)の発表で、計測方法に変更が無ければ、3回分がすべて「月間ログインユーザーベース」のものとなる。その上で値を確認すれば、年齢階層区分での構成比率の変化傾向がはっきりと把握できるはずだ。

また同時に前回でも指摘した「利用継続者がそのまま歳を取ることによる所属年齢階層のスライド化」「ソーシャルメディアが社会全体に認知・利用されたことによる、中堅層の新規利用者」を起因とする中堅層(40代前後)の増加、そして携帯電話・スマートフォンを初めて所有するようになった若年層が、mixiへの入会を「モバイル端末を持つ時の常識」として認識しているのか否かの確認(10代の動向)を、あらためて行いたい。とりわけ「スマートフォン利用者の急増」が年齢区分比率の変化に、どのような変化をもたらすのかが気になるところではある。

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