書店数とその坪数推移をグラフ化してみる(2011年「出版物販売額の実態」版)

2011/11/02 12:20

先日【2011年版『出版物販売額の実態』を入手】で報告したように、昨年【出版物の売り場毎の販売額推移をグラフ化してみる】などで用いた、出版業界のデータを網羅した『出版物販売額の実態』の最新版「2011年版」を入手することができた。そこで【出版物の売り場毎の販売額推移をグラフ化してみる(2011年「出版物販売額の実態」版)】などのように、逐次「2010年版」で作成したデータの更新と、内容の再検証を行っている。今回は書店数とその坪数推移をグラフ化した記事の更新を行う事にする。なお最新版は昨年版と比べて過去のデータも再精査の上で修正が入っているため、昨年版を元にした記事内容やグラフと、違いが生じる可能性がある。

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まずは書店数と総坪数の推移。手持ちの資料には2004年-2010年における、各年年末の数字がある。これを元にグラフ化したのが次の図。右側の坪の軸で「変化を分かりやすくするために最下層がゼロではなく90万坪になっている」ことに注意してほしい。

↑ 書店数・坪数推移(2004-2010年、各年年末集計値)
↑ 書店数・坪数推移(2004-2010年、各年年末集計値)

いくつもの資料・記事で記している通り、「書店数の減少」「総坪数の増加」が改めて確認できる。そして2010年に限れば、総面積の増加傾向に歯止めがかかったのが注目に値する。原因は不明で単なるイレギュラー的な動きかもしれないが、これが来年以降も続くのなら、大型化されうる店舗の大型化が一段落ついた可能性もある。

あくまでも単純計算でしかないが、この2つの数字から1店舗当たりの平均坪数を算出すると、やはりこれもまた以前の記事の通り、「書店の大型化」(大型店舗のみが生き残る、新設店舗の大型化、既存店舗の拡張、etc.……)が分かる。

↑ 単純計算による1店舗あたりの平均坪数推移
↑ 単純計算による1店舗あたりの平均坪数推移

結論としてもこれまでの二次資料を元にした記事とほぼ同じ。すなわち

「店舗数減少」
「総面積及び1店舗当たりの平均売り場面積の増加」
   ※直近2010年は総面積ほぼ横ばい
「書店の集約化・大型化」(方法は様々)

といった傾向が確認できる。そして過去の記事で数少ない一次データである、経済産業省・商業統計調査からの(間が随分と抜けてはいるが)生成グラフと付き合わせると、この傾向がここ数年(グラフでは2004年から)の間のみではなく、少なくとも20-30年前から起きていたことが分かる。

↑ 書店数・売り場面積推移(経済産業省・商業統計調査より)
↑ 書店数・売り場面積推移(経済産業省・商業統計調査より)(再録)

インターネット通販の普及は、一般小売業として書店に大きなプレッシャーを与えている。しかし、それはあくまでも書店業界・周辺業界の動きを加速化させただけ(あるいはそう見えているだけ)で、流れそのものは前々から起きていたことが改めて確認できよう。



収録されている7年分の店舗数・坪数の推移から、前年比を示したグラフを生成すると次のようになる。

↑ 書店数・坪数推移(前年比)
↑ 書店数・坪数推移(前年比)

経済動向全体や、業界内での動き(昨今なら電子書籍周りが一番大きい)で再び流れが加速化する可能性はあるが、動きを見る限りでは「坪数は同じペースで増加継続、直近2、3年は横ばいへ移行」「店舗数は2007年が減少幅のピークで、それ以降はマイナス3%/年のペースで減少」のように見受けられる。

もちろん年3%のマイナスでも大きな値であることに違いは無い。そして業界の環境下で需給がそれを求めている以上、この流れは止められないと見てよいだろう。

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