駅売店などの出版物販売動向をグラフ化してみる(2011年「出版物販売額の実態」版)

2011/11/01 12:20

先日【2011年版『出版物販売額の実態』を入手】で報告したように、昨年【出版物の売り場毎の販売額推移をグラフ化してみる】などで用いた、出版業界のデータを網羅した『出版物販売額の実態』の最新版「2011年版」を入手することができた。そこで【出版物の売り場毎の販売額推移をグラフ化してみる(2011年「出版物販売額の実態」版)】などのように、逐次「2010年版」で作成したデータの更新と、内容の再検証を行っている。今回は駅売店などの出版物販売動向をグラフ化し精査を行った記事の更新を行う事にする。なお最新版は昨年版と比べて過去のデータも再精査の上で修正が入っているため、昨年版を元にした記事内容やグラフと、違いが生じる可能性がある。

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まずは前回記事と同様、駅売店とスタンドのみを抽出した販売ルート別推定出版物販売額を再構築する。「2011年版」では区分をあらかじめやり直した後、年代をさかのぼって計算しているため、2007-2008年における変移も無く、連続性も確保されている。

↑ 販売ルート別推定出版物販売額(駅売店・スタンドのみ、億円)
↑ 販売ルート別推定出版物販売額(駅売店・スタンドのみ、億円)

元々スタンド売りの方が額面が小さいこともあるが、駅売店の下落ぶりが大きい様子が確認できる。とはいえ、スタンド売りも規模を縮小していることに違いはない。

さて続いて、これを積上げグラフの形にしたのが次の図。

↑ 販売ルート別推定出版物販売額(駅売店・スタンド)
↑ 販売ルート別推定出版物販売額(駅売店・スタンド)

減少額・減少率共に駅売店売りの方が大きいため、両者を合わせた額におけるスタンドの存在感が年々増している。とはいえ、両者共額を減らしており、早急な手を打つべき事態に違いは無い。

駅売店の場合は店員のなり手が少なく(レジが無いため在庫管理が不十分との指摘からレジを導入すると共に、ベテランの正社員店員をパートに切り替えたところ、パート店員の質が安定せずに客をさばききれず売上が減退、そのためセルフレジの導入を促進しているという話もある(【参考:キヨスク180店休業中 ベテラン店員去り人手不足】))、売店の開店時間の調整をしなければならない状態が続いている。これでは駅売店で出版物の売り上げを伸ばすというのも無理なお話。



書店は小規模店舗の閉店・全体数の減少が、出版物の販売数減退に大きく・直接影響を与えているか否かについて、もう少し考察を続ける必要がある。先の記事でも触れているが、書店減少分を補完しうる立場のコンビニエンスストアやインターネット販売が普及し、両方とも店舗数・規模は増加しているにも関わらず、インターネットは増加をしているものの、コンビニでの販売量は大きく減少を見せているからだ。

しかしながら駅売店での販売額の減少は、やはり販売機会そのものの減少「も」大きな要因に見える。コンビニ型店舗を増やしたところで、やはり買いやすさはキオスクスタイルの方がはるかに上であることに変わりは無い(改札口を出たところにあるものも多い)。今件については参考記事でも語られているように、駅前の一等地どころか駅中の超一等地の使い方を(人材の配置・展開の面で)見誤った経営陣の判断のミスにあると見てよい。

また相関関係の要因の一つ、そして恐らくは因果関係もあるであろう動きとして、車両内での時間のつぶし方の変化も考えられる。つまり新聞や雑誌などを駅売店で購入するスタイルから、手持ちのモバイル端末(ゲーム機含む)で楽しむので、雑誌などが購入されなくなったというものだ。機会があれば通勤・通学時の電車内で、周囲の人が何をしているか、その点に留意して見渡してみると良いだろう。


■関連記事:
【「駅の売店では新聞・雑誌が売れないらしい」を確かめてみる】

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