アプリとブラウザ、どちら経由? 米タブレット機利用者のニュース購読時のスタイルと熱中度をグラフ化してみる

2011/11/06 06:39

アプリアメリカの民間大手調査機関の一つ【Pew Reserch Center】は2011年10月25日に同社公式サイトにおいて、同国のタブレット型パソコン(iPadなど、タブレット機)の利用状況を示す調査結果を公開した。その内容からは、同国のタブレット機の利用性向や普及で変化をとげるニュース購読のスタイルを眺め見ることが出来る。今回はその結果から、タブレット機でニュースを読む人のスタイル(ブラウザ経由かアプリ経由か)と、それらの様式の間で生じるニュースへの印象の差異について見て行くことにする(【発表ページ】)。

スポンサードリンク


今報告書に関わる調査概要は先行する記事【米タブレット機とニュースの購読事情を探る】で解説済み。詳しくはそちらで確認してほしい。

先の記事(「米タブレット機とニュースの購読事情を探る」など)でも解説している通り、調査母体全体(成人)に対しタブレット機保有者は11%。その保有者のうち約半数は毎日ニュースを確認している。グラフには記載していないが、「毎日」ではなく「週一以上」にハードルを低くするとニュース購読率は77%(1159人中894人)となる(これを今件では「ニュース購読者」と呼ぶ)。

↑ タブレット保有・利用状況(米、2011年7月、成人対象)
↑ タブレット保有・利用状況(米、2011年7月、成人対象)(再録)

また、ニュース購読時のツールとしては、ブラウザ利用が多数派で、専用アプリを用いる人はメインで2割強・ブラウザと兼用で3割に留まっている。

↑ タブレット保有者でニュースを読む人の傾向(対タブレット機で週一以上頻度でニュースを読む人比率)
↑ タブレット保有者でニュースを読む人の傾向(対タブレット機で週一以上頻度でニュースを読む人比率)(ブラウザかアプリか)(再録)

他のサイト同様にネットサーフィン感覚で閲覧できるブラウザ経由と異なり、専用アプリをイントールした上で立ち上げねばならない、場合によっては課金も発生するなど、ハードルが高い購読用アプリだが、それだけに読みやすいように多種多様な便利機能も備わっている。当然スキルレベルの高い人、多少ハードルが高くてもニュースをじっくり確認したい人など、ニュースへの願望・熱中・要求度が高い人の方が、アプリを利用する割合は高い。

その傾向が如実に分かるのが次の結果。アプリ・ブラウザメイン利用者それぞれに、ニュースの閲覧周りの傾向について聞いたものだが、いずれの項目でもアプリ利用者の方が高い値を示している。

↑ 主要閲覧ルート別ニュース関連性向(対タブレット機で週一以上頻度でニュースを読む人(全タブレット保有者の77%)のうち、それぞれのルートメインの人に占める比率)
↑ 主要閲覧ルート別ニュース関連性向(対タブレット機で週一以上頻度でニュースを読む人(全タブレット保有者の77%)のうち、それぞれのルートメインの人に占める比率)

特に「ニュース購読時間が伸びた」はアプリとブラウザで大きな差を見せており、元々のニュースへの興味関心度の高さがアプリの活用でますます助長された形なのが分かる。それも含め、次の項目ではニュースに対する姿勢の変化が確認できる。

↑ 主要閲覧ルート別ニュース取得での変化(対タブレット機で週一以上頻度でニュースを読む人(全タブレット保有者の77%)のうち、それぞれのルートメインの人に占める比率)
↑ 主要閲覧ルート別ニュース取得での変化(対タブレット機で週一以上頻度でニュースを読む人(全タブレット保有者の77%)のうち、それぞれのルートメインの人に占める比率)

やはりこちらも、アプリメインでニュースを購読している人の方が、大きな変化を見せている。「難易度が低くなった」はアプリがそのように創られている(はず)なので当然とはいえ、「ニュース取得・購読が楽しくなった」「より高価値なニュースに出会えるようになった」というのは、ニュース購読を好むものにとっては、素晴らしい話といえる。

「ニュースへの興味関心度の高さが先か」「アプリ利用が先か」「その双方が相互作用的な効果を生み出したのか」どれが一番現状に近いのかは、今調査からでは分からない。ただし現状では「新技術に最初に手を出すのは、好奇心旺盛な人や、その分野に長けている人」という世の常にもあるように(新しいデジタルグッズやサービスには、いわゆる「ギーク」な層が真っ先に飛びつくのが良い例)、前者、すなわち「元々ニュース、読み物へ造詣が深い人」の割合が高いようだ。

それを裏付けるのが次の調査結果。それぞれ「タブレット機でニュース以外の読みものとして、雑誌を読む人の割合」「課金制ニュースを利用している人の割合」を示したものだが、いずれもアプリメインの方が高い値を見せている。

↑ タブレット機で雑誌を読む人の割合(対タブレット機で週一以上頻度でニュースを読む人(全タブレット保有者の77%)のうち、それぞれのルートメインの人に占める比率)
↑ タブレット機で雑誌を読む人の割合(対タブレット機で週一以上頻度でニュースを読む人(全タブレット保有者の77%)のうち、それぞれのルートメインの人に占める比率)

↑ タブレット機で有料ニュースを読む人の割合(対タブレット機で週一以上頻度でニュースを読む人(全タブレット保有者の77%)のうち、それぞれのルートメインの人に占める比率)
↑ タブレット機で有料ニュースを読む人の割合(対タブレット機で週一以上頻度でニュースを読む人(全タブレット保有者の77%)のうち、それぞれのルートメインの人に占める比率)

特に「有料ニュースを読む人」の割合では、アプリメイン利用者の1/4超が課金ニュースを利用しており、ブラウザメインの5%の5倍以上の値を示しているのが特徴的。なお現時点においてはニュース購読用アプリのほとんどは無料提供・無料利用可能な状態であり、今件データが「購読用アプリを買わされている」ことを意味しない。



ハードルアプリ利用者がニュースに前のめりである状況の理由は「ニュースへの興味関心度の高さが先」が大勢を占めそう。しかしそれは「現時点でアプリを利用していない人に対し、今後も利用しなくてよい(≒今のハードルを越えなかった人は、顧客として価値が低いと認定する)」ことを意味しない。アプリを活用し始めることで、ニュースへの愛着が増し、利用効率を高め、提供側にとって「良い価値を持つ顧客」に変わる可能性は十分に存在する。

ニュースを配信する側(新聞社など)には、アプリ導入・使用時の技術的な難儀さ・面倒くささのハードルを下げる(アプリの使いやすさを向上する)、ハードルの先にあるものの価値を上げ(ニュースの質・量を向上させる)て、ハードルを飛び越す意欲を高めさせるなどの努力が求められよう。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー