円ドル為替相場の移り変わりをグラフ化してみる(2011年9月分まで反映版)

2011/10/29 12:20

為替イメージ平日の東京市場開催日の夜半に掲載している「株式市場雑感」でも何度となく触れているように、世界情勢(特に経済方面)に連動する形で為替市場が大きく変動している。それに伴い、以前円ドル為替相場の移り変わりをグラフ化して内容を精査した記事で、構築した円ドル為替相場関連の問い合わせもポツポツと見られるようになった。同記事の構築からほぼ2年が経過していることもあり、良い機会でもあるので、今回は今グラフについてデータの更新を行うことにした。

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データ取得元は【日本銀行の主要時系列統計データ(月次)】。今回はGDPと掛け合わせる必要はないので、月次ベースの値でグラフを生成する。記事執筆時点で取得可能なデータは1980年1月-2011年9月のものなので、それをすべて反映させたのが次のグラフ。

円ドル為替相場(東京インターバンク相場、月末17時時点、1ドルにつき円)
↑ 円ドル為替相場(東京インターバンク相場、月末17時時点、1ドルにつき円。2011年9月分まで反映)

ぱっと見で分かるのが、1985年-1988年にかけて猛烈な勢いで進んだ円高・ドル安。概算でも1ドルあたり100円ほど円高・ドル安が進行したことが分かる(この時期に対米ドル換算の、日本のGDP前年比が約30%プラス/年というイレギュラーな値を示したのはこれも一因)。そして、この「為替レートの急激な変動」の原因が、いわゆる1985年9月22日に発表された「プラザ合意」とその体制。簡単に箇条書きにまとめると、

・1980年代前半……アメリカは高金利、貿易・財政の「双子の赤字」状態。特に対日貿易赤字が大きい。
・「またドル危機が起きる!?(ニクソンショック)」……各国が協調して「円高ドル安」に誘導しようという流れ→「プラザ合意」(為替の協調介入)
・急速な円高ドル安(ドルの対円価値が下がる)が進行。「円高不況」を恐れ、日本では低金利政策が進む。

といった状況。いわば主要国主導による意図的に行われた為替の大規模な変動。

今回は昨今の為替変動がより分かりやすいよう、今世紀に入ってから・2007年以降の動向を示したグラフも併記する。

円ドル為替相場(東京インターバンク相場、月末17時時点、1ドルにつき円)
↑ 円ドル為替相場(東京インターバンク相場、月末17時時点、1ドルにつき円。2001年-2011年9月分まで反映)

↑ 円ドル為替相場(2007年-2011年9月)(東京インターバンク相場、月末17時時点、1ドルにつき円)
↑ 円ドル為替相場(2007年-2011年9月)(東京インターバンク相場、月末17時時点、1ドルにつき円)

先のグラフと合わせ見ると、上記プラザ合意以降経済動向の変移や世界情勢に合わせる形で上下はしていたものの、100円-150円/ドルのレンジ内で収束していた円ドル為替相場の均衡が、2007年夏以降の円高以降大きく崩れていく様子が分かる。言い換えれば「1ドル100円の防衛ラインが突破された」というところか。

原因はいくつか考えられるが、タイミングから察するに一連の「金融危機」「資源価格高騰」、そして【アメリカ合衆国の債務引き受け手内訳と上限推移を眺めてみる】でも触れているように米国債の増刷に伴う米ドルの希薄化が要因と思われる。もっとも対ユーロの動向を見ても(もちろんユーロ成立以前のデータは無い)、2008年の「資源価格高騰」以降大幅な円高・ユーロ安の動きを見せていることから、世界的規模で為替市場に大きな変動が「資源価格高騰」(自身かそれを引き起こした元の原因)によって発生したと見るべきだろう。

今後円ドル相場がさらに円高・ドル安に向かう、あるいは乱高下する可能性は否定できない。特に二つ目のグラフを更新しなければならない状況になった場合には、あらためて再構築すると共に、検証を行おう。


■関連記事:
【円高になるとどんな良いこと・悪いことがあるのか再確認してみる……(3)円高デメリットの具体値と日本の努力】

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