歳と共に増える公営住宅住まい率…家計主世代別の住宅種類をグラフ化してみる(2014年)(最新)

2014/08/07 14:30

歳を取るにつれて蓄財が成されふところは裕福となり、また世帯持ちとなる事例も増え、さらには親からの遺産相続を受ける場面も生じ、持ち家に住む人は増えてくる。他方家計主が定年退職後の世帯では俗にいう定年離婚の事例や配偶者に先立たれるパターンなどで、賃貸集合住宅に独り暮らしとなる場合も少なくない。今回は総務省統計局が2014年7月29日に発表した、2013年時点における住宅・土地統計調査の速報集計結果から、家計主の世代別にどの程度の人が持ち家住まいをしているのかなど、居住住宅の種類について確認していくことにする(【発表ページ:平成25年住宅・土地統計調査】)。

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今調査の調査要項は先行掲載した記事【住宅の空き家率は13.5%で過去最高に】を参考のこと。そしてそれを含む今調査に係わる先行記事で言及している通り、世帯全体では持ち家率は大体6割で推移している。これは少なくとも30年ほど変化は無い。

↑ 世帯の種類、所有の関係別普通世帯数(1978-2013年、住宅・土地統計調査)(割合)(再録)
↑ 世帯の種類、所有の関係別普通世帯数(1978-2013年、住宅・土地統計調査)(割合)(再録)

家計主(今調査では世帯の家計を主に支える者を「家計主」と表現している。事実上「世帯主」と同義であるが、単身世帯も含まれていることに注意)の世代別では、当然ながら歳を経るほど持ち家率は増える傾向にある。理由は冒頭で触れた通り。

↑ 家計主の世代別、持ち家世帯率(割合)(2013年、住宅・土地統計調査)(再録)
↑ 家計主の世代別、持ち家世帯率(割合)(2013年、住宅・土地統計調査)(再録)

それでは「持ち家」以外では世代別では具体的に、どのような住宅に住んでいるのだろうか。「借家」の部分を少し細かめに分類したのが次のグラフ。参考として前回調査の2008年分のグラフも今回の表記スタイルに改める形で再構築し、併記しておく。

↑ (参考)家計主の年齢階級、所有の関係別普通世帯数比率(2008年、住宅・土地統計調査)
↑ (参考)家計主の年齢階級、所有の関係別普通世帯数比率(2008年、住宅・土地統計調査)

↑ 家計主の年齢階級、所有の関係別普通世帯数比率(2013年、住宅・土地統計調査)
↑ 家計主の年齢階級、所有の関係別普通世帯数比率(2013年、住宅・土地統計調査)

↑ 家計主の年齢階級、所有の関係別普通世帯数比率(2008年→2013年の変移)
↑ 家計主の年齢階級、所有の関係別普通世帯数比率(2008年→2013年の変移)

前回調査結果との差異を算出すると、特に中堅層で「持ち家」などの比率が減り、全世代、とりわけ中堅層で「民間借家・非木造」の比率が増加している。民間賃貸住宅への需要が増加している表れといえる。

「持ち家・その他」の「その他」は「同居・住宅以外の建物に居住する世帯」を指している。これは例えば「会社や学校などの寮や寄宿舎」「一時滞在者のための旅館・宿泊所」「臨時応急的に建設された建物で、住宅に改造されていないもの」が該当する(今調査での「居住している」は「調査日においてすでに3か月以上に渡って、あるいは調査日前後を通じて3か月以上住むことを意味する」)。

「持ち家・その他」が歳と共に増加するのは前述の通りだが、「給与住宅」(社宅)の20代における利用率が1割近く居るのが目に留まる。一般賃貸住宅市場と比べれば格安の社宅は、手取りが少ない若年勤労層には有りがたい存在であるのが分かる。もっとも最近では社宅そのものを持たない企業も増えており、使いたくても使えないとの事例も多分に考えられる(さらに社宅が存在していてもあまりにも老朽化し、その実態から入居を嫌う事例も考えられる)

もう一つ注目したいのは「公営借家」「UR・公社借家」の動き。「公営借家」の定義としては”都道府県、市区町村が所有又は管理する賃貸住宅で、「給与住宅」でないもの。いわゆる「県営住宅」、「市営住宅」などと呼ばれているものがこれに当たる”とある。そして「UR・公社借家」とは「UR賃貸住宅」「公社住宅」「公団」などの住宅。後者は1%強程度でほぼ横ばいの動き、そして前者は歳と共に増加する傾向を見せている(多分に、以前から借り続けていて、歳を経てしまい引っ越すタイミングを逸したものと思われる)。

実際、全公営借家194.7万世帯のうち、65歳以上の高齢者がいる主世帯は92.3万世帯で、実に47.4%。公営借家の2世帯に1世帯近くが「定年退職を迎えている高齢者がいる世帯」という計算になる。そしてその少なからぬ世帯(47.7万世帯、全公営借家の24.5%)は高齢者による一人住まい(【「お年寄りがいる家」のうち1/4強・552万世帯は「一人きり」】)となる(このあたりの話は別の機会に詳しく解説する)。

「買物困難者」や「電力需給問題に端を発する、冷暖房と高齢者の健康問題」など、今後増加が予想される事案の少なからずは、公営借家が高リスクとなる。このことに改めて留意しておく必要があるだろう。


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