空き家数の移り変わりをグラフ化してみる(2014年)(最新)

2014/08/07 08:30

昨今話題を集めている住宅関連の問題の一つに挙げられるのが「空き家」。この「空き家」問題については先日、「住宅・土地統計調査」の速報集計結果を基に考察を行った。今回はそれとは別の視点で、前回の「住宅・土地統計調査」の公開時(2008年分データ)に行った検証を継続する形で、もう少し詳しく各種動向を眺めていくことにする(【発表ページ:平成25年住宅・土地統計調査】)。

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今調査の調査要項は先行掲載した記事【住宅の空き家率は13.5%で過去最高に】を参考のこと。まずは直近2013年時点も含めた経年における、住宅の「居住世帯が居る・居ない別の構成比」。住宅全体の8割強は居住者あり。残りの1割強が何らかの形で居住世帯が無い状態。35年の間に居住世帯が無い住宅の比率は5%ポイントほど増加している。

↑ 居住世帯の有無別・住宅比率
↑ 居住世帯の有無別・住宅比率

2013年では0.4%が確認できる「一時現在者のみ」とは、同調査の「用語の解説」によると「昼間だけ使用しているとか、何人かの人が交代で寝泊まりしているなど、そこに”ふだん”居住している者が一人もいない住宅」のことを意味する。世帯が日常生活用に住まう場所としては使用していないことになる。そして2013年では空き家が13.5%。建築中が0.1%。

元資料では1963年以降についてデータが収録されているが、空き家の項目は未調査部分が多く、ある程度まとまった値が掲載されているのは1978年以降。そこで上記では1978年以降について、居住世帯のあるなし別でシェア動向を記したわけだが、次に空き家そのものの細分種類別に「戸数」そして「住宅全体に占める割合」をグラフ化し、動向を確認する。

戸数だけでなく住宅全体比も挙げるのは、「戸数」だけにした場合、住宅全体数も増加していると、それに比例する形で「空き家」の該当種類も増えている可能性もある、つまり自然な増加による可能性があるため。すなわち「数としては増えているが、住宅全体も増えているので、『空き家の該当種類のみの増加傾向』を指し示すとは言い切れない」となるからである。もっとも上記グラフにある通り、「空き家」全体としてはシェアは増加しているのだが。

↑ 空き家数目的別推移(万戸)(住宅・土地統計調査)(1978-2013年、1978-1998年の賃貸用には売却用も含む)
↑ 空き家数目的別推移(万戸)(住宅・土地統計調査)(1978-2013年、1978-1998年の賃貸用には売却用も含む)

↑ 空き家数目的別推移(全住宅戸数比)(住宅・土地統計調査)(1978-2013年、1978-1998年の賃貸用には売却用も含む)
↑ 空き家数目的別推移(全住宅戸数比)(住宅・土地統計調査)(1978-2013年、1978-1998年の賃貸用には売却用も含む)

「二次的住宅」とは平面の住宅では無く、「別荘」や「残業などでの寝泊まりだけの住宅」を意味する。また「その他」は多種多様な事例(世帯主が転勤や入院で長期間不在の場合、建て替えのために取り壊す予定の住宅、建て壊し・撤去費用が捻出できずに放置されている事例や、税金対策のために放置されている住宅、さらには区分が困難な事例)を合わせたもの。

各種類別に確認すると、「二次的」「売却用」空き家は横ばいだが(「二次的」は比率ではむしろ漸減にかじ取りをしている)、「賃貸用」が漸増、そして「その他」が急カーブを描いて増加している。空き家の全体としての数はほぼ一定数・一定比率で増加を続けているが、昨今の上昇ぶりは「その他」の増加が大きく貢献していることが分かる。

地域別の詳細データを確認すると(グラフ化は省略)、大都市圏よりも地方圏の方が全住宅に占める空き家率が高い。例えば単純な空き家率では山梨県がトップの22.0%、次いで長野県が19.8%、和歌山県が18.1%を示している。

そしてこの「その他」の空き家上昇の理由であるが、先行記事【即入居可能な物件とそうでないものと……空家数増加の実態をグラフ化してみる(2014年)(最新)】で解説した通り、税制上の問題から半ばやむなく放棄されている廃墟的空き家の増加によるところが大きい。持ち主としては何らかの対応(例えば解体して更地化、新築住宅への建て替え)したいのはやまやまだが、経費のねん出が出来ず、また更地にすると固定資産税が跳ね上がるので、結局そのまま放置するしかないという状態によるものである。

無論防犯・防災上好ましい状態とはいえず、税制上、社会通念的にも健全な状態とは言い難いため、適正化を促す法案が立案され、今後提出されることになっている。この法案が可決成立すれば、「その他」項目、つまり「第三者が即居住できるタイプでは無い空き家」で半ば放棄されている、宙ぶらりん状態の空き家の数にも、少なからぬ変化が生じることだろう。


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