30代で住宅ローンの重荷が…二人以上世帯の貯蓄・負債・純貯蓄高をグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/12/30 20:01

総務省統計局は2015年12月16日、【「2014年全国消費実態調査」】のうち、二人以上の世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する部分の結果を発表した。二人以上の世帯(住居や生計を共にしている二人以上の集まり。勤労者世帯だけでなく年金生活者のみの世帯も含まれる)の日常生活を金銭面から推し量れる、貴重な資料・データが多数盛り込まれている。今回はその公開値をもとに、二人以上世帯における平均年収や貯蓄高に関して、負債額も考慮した上で精査を行うことにする。要は【一人暮らしの貯蓄・負債・純貯蓄高をグラフ化してみる】の二人以上世帯版である。

スポンサードリンク


今調査の調査要目は先行する記事【普通乗用車より軽自動車が所有される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率をグラフ化してみる(2015年)(最新)】を参照のこと。

先に記した記事【二人以上世帯の平均年収や貯蓄高をグラフ化してみる】でも解説しているが、二人以上世帯の場合、年収は世帯主年齢と共に上昇し、50代がピークとなる。60代に入ると早期定年組も含めて定年退職することもあり、減少していく。

↑ 世帯主年齢階級別貯蓄現在高及び年間収入(二人以上世帯、2014年)(万円)(無貯蓄世帯も含む平均)(再録)
↑ 世帯主年齢階級別貯蓄現在高及び年間収入(二人以上世帯、2014年)(万円)(無貯蓄世帯も含む平均)(再録)

一方、今調査では同世代における負債額、そしてその負債のうち「住宅・土地のための負債(不動産関連負債)」も聞き取りが行われ、データが公開されている。そこでまずはこの動向を確認する。やはり住宅ローンを抱えることが多い30代から40代で飛び跳ねる値が出ている。

↑ 世帯主年齢階級別負債現在高(二人以上世帯、万円、2014年)(負債非保有世帯も含めた平均)
↑ 世帯主年齢階級別負債現在高(二人以上世帯、万円、2014年)(負債非保有世帯も含めた平均)

青色、つまり不動産関連の負債が大部分を占めている。この値は二人以上世帯全体の平均値であり、不動産を購入していない人(あるいは元々持ち家保有者、ローン完済の人)は丸々この負債の分が無いことに留意する必要がある。今記事はあくまでも「二人以上世帯全体の平均」に関する検証であり、そこまで深く考慮することはないのかもしれないが。

世帯主が30代未満でも住宅を購入する世帯はあるが少数派。やはり30代から40代で購入し、50代のうちに半ばが完済しているようだ。一方単身世帯でも見られた傾向だが、世帯主年齢が50代で大きく「住宅・土地以外の負債」が増える原因は不明。言葉そのものの定義における解説では「生活に必要な資金、個人事業に必要な開業資金、運転資金などを借り入れた場合の未払残高」とあることから、早期定年退職制度を活用するなどして起業をする人、あるいはすでに起業している人による運転資金の借り入れの可能性も否定できない。

さてそれでは、「貯蓄額」から「負債額」を引き、「純貯蓄額」を算出する。繰り返しになるが、負債の多くは「住宅ローン」であり、これを他の「通常の負債」と一括して考えて貯蓄と相殺するのはやや難がある。住宅はそのまま換金はできず流動性も低いが、世帯の資産となるからだ。あくまでも参考値程度のものとして見てほしい。さらに持ち家率も重ね、住宅ローンとの関連も精査できるようにする。

↑ 世帯主年齢階級別純貯蓄額と持ち家率(現在貯蓄額−負債)(二人以上世帯)(2014年)
↑ 世帯主年齢階級別純貯蓄額と持ち家率(現在貯蓄額−負債)(二人以上世帯)(2014年)

住宅ローンの負担は大きく、40代までは実質マイナス。30代で大きなマイナス値を示すが、同時に持ち家率も30%ポイント以上跳ね上がっている。30代で多くの二人以上世帯が住宅を取得し、そのローンによる負担を抱える状況となったことが分かる(恐らくは子供が生まれ、あるいはそれに備えての取得だろう)。

40代でも実質的な貯蓄額はマイナス。50代になってようやく首が回るようになる。繰り返しになるがあくまでも参考値であるものの、金銭的なプレッシャーの観点では「住宅ローンを(あらかた)返し終えた50代で、ようやく気軽さが見えてくる」といった実情が理解できる。

実際、住宅ローンなどの負債保有者率などの動向を確認すると、50代で大きく減り、それと共に完済(実際には一括購入した人や遺産相続などで取得した人も含む)して負債負担の無い持ち家を持つ人は50代で急増している。

↑ 世帯主年齢階級別住宅・土地のための負債と持ち家率(二人以上世帯)(2014年)
↑ 世帯主年齢階級別住宅・土地のための負債と持ち家率(二人以上世帯)(2014年)

あるいは「住宅・土地以外の負債」が50代で大きく増えるのは、この「肩の荷が下りた」のが一因なのかもしれない。


■関連記事:
【年齢階層別の収入や負債の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)】
【外より家、遠出より近所……変わる若年層のライフスタイル】
【年齢階層別の収入や負債の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)】
【「高齢世帯ほどお金持ち」は当然?…世帯主の世代別貯蓄額推移をグラフ化してみる(高齢社会白書:2015)(最新)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー