二人以上世帯の買物生活はどのような変化をしてきたか…二人以上世帯の買い物生活、過去25年間の移り変わり(最新)

2021/09/08 04:30

このエントリーをはてなブックマークに追加
2021-0831総務省統計局は2021年5月18日までに【2019年全国家計構造調査】の主要調査結果を発表した。二人以上の世帯(住居や生計をともにしている二人以上の集まり。勤労者世帯以外に年金生活者も含む)の日常生活を金銭面から推し量れる、貴重な資料・データが多数盛り込まれている。この公開値を基に、【夫婦世帯の買物はスーパー中心…二人以上世帯の買物先の実情(最新)】で示した「二人以上世帯の買物先」の変化を、今回発表分も含めて都合11回分、途中未調査の回もあるため約半世紀にさかのぼり、その変移をグラフ化してみることにする。要は【スーパーやコンビニが増え、一般小売店が減る…単身世帯の買い物生活、過去25年間の移り変わり(最新)】の二人以上世帯版な次第である。

スポンサードリンク


今調査の調査要目は先行記事【食費の割合が減り、家賃負担が増加…一人暮らしをする若者のお金の使い道の実情(最新)】を参照のこと。

今回検証するのは、二人以上世帯における消費支出(税金や社会保険料(=非消費支出)をのぞいた「世帯を維持していくために必要な支出」)の支出先の推移。直近単年分は先の記事にある通りだが、過去の発表分を各種精査することで、1964年以降の値を確認できる(1989年は調査そのものが行われていないなど、一部不連続な部分あり)。なお購入先区分のうち「百貨店」は【百貨店 衣料品客離れていく 行き着く先はモールとネットに】の文末で説明している通り、事実上デパートと同じ。

また【「高齢単身者のコンビニ離れ」…一人暮らしでの買物先の実情(最新)】で詳細の説明をしている通り、不自然な額が「その他」に割り振られていることから、今回は「その他」を除いて計算をし直している。

↑ 費目別支出金額の購入先別割合(二人以上世帯、「その他」をのぞいて再計算)
↑ 費目別支出金額の購入先別割合(二人以上世帯、「その他」をのぞいて再計算)

まず目にとまるのが「一般小売店の減少と、スーパーや(1990年代以降の)量販店の増加」。大型スーパーやコンビニ、昨今ではディスカウントストアや100円ショップの進出と、消費性向の減少で、普通の小売店がビジネス的に立ち行かなくなり、近所の店がシャッターを閉じる場面が増えてきたのが一因。そしてそれらの店と比べて大型店などの方が安く、まとめて買物ができるので、そちらに足を運ぶようになったのも大きい。

また量販店は日本国内では1990年代以降に登場し、割合の漸増を始めている。これについては1994年分より前は調査の上で区分そのものが存在しなかった(=区分する必要が無いほど少数派だった)のも一因だが、それ以上に大店法の規制緩和、独禁法絡みの問題、消費者の消費性向の変化によるものと見た方が道理が通る。

さらに量販店と同じようにまとめ買いが可能にもかかわらず百貨店の割合が減っているのは、価格的な問題に寄るところが大きいと思われる。また絶対数が少ないことから、回答者の近場に無いのも原因だろう。あるいは逆に量販店が浸透してきたからこそ、百貨店のシェアが食われていると考えた方が自然かもしれない。

そして気になるのはコンビニに関する動き。単身世帯では「コンビニ」の利用率は年々増加し、若年層では支出金額の1割を超える値を示している。しかし二人以上世帯では(世帯主の世代区分ではなく全体であるのも一因だが)直近の2019年でも全金額の4.0%しか利用されていない。世帯向けの買い物においてまとまった量・金額の買物が多い二人以上世帯では、コンビニの必要性はさほど高くないことになる。とはいえ、少しずつ比率が増加しているのも事実ではある。



概要をまとめると、二人以上世帯の消費生活上の買物先としては

・買物の主体は一般小売店メインから多様化へ。

・スーパーがメインで一般小売店は少しずつシェアを奪われている。

・百貨店は漸減。

・量販店、コンビニ、ネット通販は少数派だが確実に数字を伸ばしている。

などとまとめられる。やはり一番の大きな動きは、この半世紀近くの間に二人以上世帯の買物先が多様化し、一般小売店の立ち位置がかなり弱くなったこと。「一般小売店の数が減ったので、消費割合が減った」「消費割合が減ったので、採算がとれない一般小売店が店を畳んで数が減った」どちらが先のみではなく、双方が漸次・連鎖的に起きたと見るべきだろう。

今後各項目の動きが同じ傾向を示すのなら、「一般小売店は2割足らずにまで落ち込む」「スーパーは過半数へ」などの変化がこの10年前後に起きるはず。一方で単身世帯にも言えることだが、いわゆる「買物困難者」の増加により、「購入先割合」の推移もこれまでとは違う流れを見せる可能性も否定できない。

次の調査は5年後の2024年、結果発表は2025年から2026年の予定。日常生活を支える小売店のスタイルがいかなる変化をとげるのか、今から気になるところではある。


■関連記事:
【一人身のシニアは若者よりもコロッケが好き…年齢階層別・単身世帯のコンビニ系惣菜の支出比率(家計調査報告(家計収支編))(最新)】<
【20歳未満は7%・50歳以上は37%…コンビニ来訪客の年齢階層別分布(最新)】

スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2021 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS