やはり食品はスーパーが頼り……世帯主年齢階層別・二人以上世帯における食品・教養娯楽品の購入先をグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/12/28 10:55

総務省統計局は2015年12月16日、【「2014年全国消費実態調査」】のうち、二人以上の世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果の部分を発表した。二人以上の世帯(住居や生計を共にしている二人以上の集まり)の日常生活を金銭面から推し量れる、貴重な資料・データが多数盛り込まれている。今回はその公開値の中から、日常生活で買われる数々の商品の中のうち「食品(食料費)」「教養娯楽費」の2項目にスポットライトを当てる。二人以上世帯がどのタイプの店でこれらの商品を調達しているかに関して、金額ベースで世帯主の世代別の動向を探ることになる。要は【一人身生活、食品は世代を超えてスーパーが頼り…世代毎の一人暮らしにおける食品・教養娯楽品の購入先をグラフ化してみる】の二人以上世帯版である。

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今調査の調査要目については先行記事となる【普通乗用車より軽自動車が所有される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率をグラフ化してみる(2015年)(最新)】内の説明で確認のこと。

今回確認するのは、消費支出(税金や社会保険料(=非消費支出)をのぞいた「世帯を維持していくために必要な支出」)のうち「食料(=食品)」「教養娯楽」の2項目に関して、どのタイプの店でどれだけの額を支払いしているかについて。例えば「食品」で「世帯主30歳未満」を見ると「スーパー」は48.4%となっている。これは平均的な世帯主30歳未満の二人以上世帯(勤労者世帯以外に年金生活者も含む。もっとも30歳未満で年金生活は有り得ないが)において、1か月に1万円食料品を購入する場合、そのうち4840円はスーパーで調達していることを意味している。また購入先区分のうち「百貨店」は【百貨店 衣料品客離れていく 行き着く先はモールとネットに】の文末で説明している通り、事実上デパートと同じもの。

さらに先行記事【「高齢単身者のコンビニ離れ」……一人暮らしの買物先をグラフ化してみる(2015年)(最新)】など複数の記事で言及しているが、2014年分の全国消費実態調査の消費支出金額における購入先の調査結果では、多分の額(半数以上のケースもある)が「その他」に割り振られる不可解な数字が計上されている。報告書では食費関連で「外食など」と説明されているものの、非食品でも同様の傾向のため、設問の上で何らかの不具合が生じているのは容易に想像ができる。そのため、今回の具体的な購入先の値も低めの値に留まっている。その問題をクリアなものとするため、双方の値で参考値として「その他」を除いて再計算した結果をグラフ化したものも併記し、さらに検証はその参考値を前提に行うこととする。

まずは食品。

↑ 世帯主年齢階級別の消費支出金額購入先割合(食料・二人以上世帯)(2014年)
↑ 世帯主年齢階級別の消費支出金額購入先割合(食料・二人以上世帯)(2014年)

↑ 世帯主年齢階級別の消費支出金額購入先割合(食料・二人以上世帯)(2014年)(参考値:「その他」をのぞいて再計算)
↑ 世帯主年齢階級別の消費支出金額購入先割合(食料・二人以上世帯)(2014年)(参考値:「その他」をのぞいて再計算)

すべての年齢階層で「スーパー」が6割強から7割近くと最大値を占めている。注目すべきは比率の変化で、単身世帯では「年齢が上がるほど増加する傾向」だったのが、二人以上世帯では「若年層ほど高い値」を示していること。

その他主な動きをまとめると、

・「スーパー」は若年世帯ほど、「一般小売店」は高齢世帯ほど多用する。そして二つを合わせるとどの世帯もほぼ同じ割合になる。

・「コンビニ」「ディスカウントストア・量販店」利用割合は若年世帯の方が高い。しかしそれでも1割にも届かない。

・「百貨店(=デパート→デパ地下食品街)」利用率は高齢世帯の方が高い。

・通販はネット、ネット以外共に低調。

といった具合。高齢世帯ほど「一般小売店」「百貨店」のような、比較的古い販売スタイルの購入先割合が高くなるのは、やはり「昔からの馴染み」を使い続けているからだろうか。また、他の買い物と合わせ一か所でまとめて済ませられる便宜性も影響しているのかもしれない(食品スーパーで石けんや歯みがき粉は手に入らない。コンビニでは多様な商品があるが、個々種類の品揃えは中途半端で価格も高い)。全般的に単身世帯と比べて「コンビニ」での購入割合が低いのは、まとまった量を購入するのには(量的だけでなく金額的にも)不向きなことが理由として考えられる。

続いて教養娯楽。区分を解説する【収支項目分類表(PDF)】や詳細値が取得できるe-statの公開ファイルによれば、家電製品やゲーム・音楽周り、ペット周辺、書籍や新聞などの紙媒体、各種通信費などが該当する。

↑ 世帯主年齢階級別の消費支出金額購入先割合(教養娯楽品・二人以上世帯)(2014年)
↑ 世帯主年齢階級別の消費支出金額購入先割合(教養娯楽品・二人以上世帯)(2014年)

↑ 世帯主年齢階級別の消費支出金額購入先割合(教養娯楽品・二人以上世帯)(2014年)(参考値:「その他」をのぞいて再計算)
↑ 世帯主年齢階級別の消費支出金額購入先割合(教養娯楽品・二人以上世帯)(2014年)(参考値:「その他」をのぞいて再計算)

「食品」では「スーパー」がすべての階層で最大値を見せていたが、「教養娯楽」では「一般小売店」がトップで「ディスカウントストア・量販店」が続く形となっている。世帯主年齢階層別に見ると大体次のような傾向が確認できる。

・世代の上昇と共に「一般小売店」の利用割合が増加。馴染みの店での購入率が上がるのか。ただし50代以降は代わりに「スーパー」の割合が増加する。

・「百貨店」は歳と共に割合が減っていく。

・「ネット通販」は単身世帯と比べて少なく、最大値を示す30代でも1割程度。

・「ネット以外の通販」「生協・購買」は若年層世帯ではほとんど利用されていないが、高齢層世帯ではそれなりの実績が出ている。

「ディスカウントストア・量販店」が「スーパー」以上に健闘しているのは、ペットフードや玩具などがよく購入されていることに加え、「スーパー」や「一般小売店」よりもまとめ買いされる傾向が強く、金額も跳ね上がるため。今調査では購入頻度や個数までは計上されておらず、購入時のスタイルまでは分からない(100円の商品を100個まとめて購入、10000円のを1つ、1000円の商品を1回につき1個で10回に分けて購入、いずれも支出金額は10000円のため、計上値は同じとなる)。ディスカウントストアや量販店での買い物は多分にまとめ買いのため、実際には来店回数はスーパーなどと比べて少なくとも、計上値は上になることは容易に想像できる。

「ネット通販」の割合が単身世帯と比べて随分と低いのも気になるところ。しかし今件は「世帯全体のためのの買物」であり「世帯構成員個人のプライベートな買物」ではないことを思い返せば、個人の趣味的アイテムの購入が難しい、ネット通販が使いにくいとの理由が多分に考えられる。それでも30代世帯までは約1割がネット経由の通販で購入されているのは、注目すべき値には違いない。ちなみに具体的項目を見ると、例えば30歳未満世帯では「耐久性文房具」「玩具」「収録済み音楽・映像メディア(要は音楽・映像ソフト)」などが上位を連ねている。



単身世帯では「食品はスーパー」「教養娯楽品は一般小売店やディスカウントストア」とのパターンだった。一方二人以上世帯になると「食品は(単身世帯以上に)スーパー」「教養娯楽品は一般小売店や(単身世帯以上に)ディスカウントストア」と、単身世帯以上に特定ルートへの傾注化が確認できる。また多分に個人向けでは無く、世帯全体向けの買い物が前提となるため、買い物時の思惑が単身世帯とは多少異なる方向性を見せているのも興味深い。

単身世帯・二人以上世帯双方を見渡すと、いずれの世帯構成でも「食品」部門においてほぼすべての区分で「スーパー」が、過半数の割合を占めている(「その他」を除いて再計算した場合)のが再確認できる。「スーパー」の重要性、世帯を支える存在感を改めて理解できよう。


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