夫婦世帯の買物はスーパー中心…二人以上世帯の買物先をグラフ化してみる(2015年)(最新)
2015/12/25 15:10


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今調査の調査要目は先行記事【普通乗用車より軽自動車が所有される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率をグラフ化してみる(2015年)(最新)】を参照のこと。
今回精査するのは世帯主の年齢階級別における、消費支出金額の内訳を、購入先で仕切り分けしたもの。要は「どこでどれだけの金額を使ったか」。ちなみに「消費支出」とは税金や社会保険料をのぞいた「世帯を維持していくために必要な支出」を意味する。また「百貨店」は元資料上の区分名で、今サイトでよく取り上げている「デパート」とほぼ同じ形態店舗を意味する。合わせて前回調査となる2009年分の同様の値に関しても、今回の様式に合わせて再構築したグラフを併記する。

↑ 世帯主年齢階級別の消費支出金額購入先割合(二人以上世帯)(2014年)

↑ 世帯主年齢階級別の消費支出金額購入先割合(二人以上世帯)(2014年)(参考値:「その他」をのぞいて再計算)

↑ 世帯主年齢階級別の消費支出金額購入先割合(二人以上世帯)(2009年)
2014年分のグラフは「その他」項目が異様に多い。これは単身世帯版の「一人暮らしの買物先をグラフ化してみる」で詳しく説明しているが、計算方式の変更などによって生じた、半ば不具合に近いものと推定される(概要報告書では「外食など」との説明があるか、2009年からの伸びの度合いが大きすぎて説明ができない)。そこで【過去20年間の買物先の移り変わりをグラフ化してみる】などでも行ったように、「その他」部分を除いて比率を再計算したものを併記した次第。検証も「その他」を除いたグラフを基準として行う。
いずれの階層でも「スーパー」を利用する割合が一番多い点では変わらない。しかし他の点ではいくつかの違いが見えてくる。主だったものを箇条書きにすると、
・どの世代でも購入先として「スーパー」「一般小売店」「ディスカウントストア・量販店」の順位は同じ。
・「コンビニ」は若年層ほど多く利用している。
・「ディスカウントストア・量販店」も若年層の方が利用率は高い。商品運搬時の労力が関係しているものと考えられる。また大量の商品を一度に必要としない(消費量が少ない)のも一因だろう。
・「百貨店」は高齢層の方が利用率は高め。
・「一般小売店」は若年層と高齢層がやや高め。
・「スーパー」は高齢層ほどよく使う。
・「ネット通販」は若年層ほど、「ネット以外の通販」は高齢層ほど利用率が高い。
・「コンビニ」は若年層ほど多く利用している。
・「ディスカウントストア・量販店」も若年層の方が利用率は高い。商品運搬時の労力が関係しているものと考えられる。また大量の商品を一度に必要としない(消費量が少ない)のも一因だろう。
・「百貨店」は高齢層の方が利用率は高め。
・「一般小売店」は若年層と高齢層がやや高め。
・「スーパー」は高齢層ほどよく使う。
・「ネット通販」は若年層ほど、「ネット以外の通販」は高齢層ほど利用率が高い。
などが挙げられる。
「ディスカウントストア」は日本国内では1990年以降に領域の拡大を始めている(大店法の規制緩和、独禁法絡みの問題、消費者の消費性向の変化)ことから、回答者の人生に占める「ディスカウントストアの存在を知っている期間の割合」の多さもまた、利用率に左右しているものと考えられる。「ディスカウントストア」が無かった、認知されていない時代は「一般小売店」が主に利用されており、その利用が長きに渡っていると、新たな存在「ディスカウントストア」へはなびきにくい次第である。
一方、興味深いのは「コンビニ」の項目。若年層ほど利用割合が高いものの、30歳未満でも5.4%でしかない。これは以前単身世帯で同様のデータを参照した時の値(「その他」を除いて再計算した場合、男性30歳未満で15.4%、60歳以上でも7.3%)と比べると、かなり小さい値となっている。
やはり二人以上の世帯ともなると一度の買い物における購入量も多くなるため、「まとまった量を購入できる」「安上がりで済む」ことが優先される。その観点で「コンビニ」は敬遠されてしまうのだろう。
■関連記事:
【百貨店 衣料品客離れていく 行き着く先はモールとネットに】
【エンゲル係数の推移をグラフ化してみる】
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