花王、興和、ハウス食品の上位続く、スズキ自動車が「ワゴンR」で大健闘(民放テレビCM動向:2011年9月分)

2011/10/18 12:00

ゼータ・ブリッジは2011年10月17日、2011年9月度における関東民放5放送局(いわゆるキー局)のテレビCMオンラインランキングを発表した。それによるとCMの放送回数がもっとも多かった企業・団体は、先月から続き花王だった。また、商品別オンエアランキングなどを見ると、先月同様に携帯コンテンツ関連会社の躍進が目立つ一方、新車や新サービスの活発な宣伝活動の様相が見えてくる結果となっている([発表リリース])。

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データの取得場所、各種データの意味、そして今件記事が関東地域のみを対象としていることについての説明は、一連の記事まとめ【定期更新記事:関東民放テレビCM動向(ゼータ・ブリッジ)】で行われている。そちらでチェックを入れてほしい。

発表資料には多種多彩なデータが掲載されているが、そのうち企業別オンエアランキング(放送回数順位)の中から上位10位を抽出したのが次のグラフ。

↑ 企業別放送回数ランキング(2011年9月、上位10位)
↑ 企業別放送回数ランキング(2011年9月、上位10位)

ビデオリサーチコムハウスのデータを元にした記事【大企業のテレビCM出稿量推移をグラフ化してみる……(1)花王】などで解説しているが、花王は年明けに数を減らし、春以降は急激に戻したのち、夏期はやや落ち込みを見せる傾向がある。一方で今年は今月も先月に続き、他社に大きく差を開けて大きな値を示している。

今件が関東のデータのみを計測していることも一因かもしれない。しかし、過去におけるビデオリサーチコムハウスの関西分データだけを参照しても、やはり8-9月は毎年減少傾向にあるのが確認できる(つまり過去の事例は関東のみの傾向では無かったということ)。今年の花王は、新商品などの展開の上で一大攻勢をかけている可能性がある(あるいは逆に、他社が一歩も二歩も引いており、相対的に花王が抜きんでているだけかもしれない)。仮に10月以降も上位陣の陣営に変わりがなく、花王が上位の座を維持し続けていれば、花王のCM展開の姿勢に変化が生じていると見てよいだろう。

また、【大企業のテレビCM出稿量推移をグラフ化してみる……(3)ハウス食品】で解説している、ハウス食品と興和(コーワ)が今月も上位に位置している。興和は先月までの「夏期攻勢」も終了したこともあり、「キューピーコーワゴールドα」「トメダインコーワフィルム(水無しで服用できる下痢止め)」など、サラリーマン向けのアイテムCMを続々と投入しているのが確認できる。もちろん同時に、いわゆる「フリースポット契約」の広告が多数回放映された可能性は高く、それは広告出稿全体があまり思わしくない状態であることをも意味している。

携帯電話向けサービスの事業会社グリーや、そのライバル会社ディ・エヌ・エーは、今回は前者が5位、後者が12位。先月と比べてグリーは現状維持、ディー・エヌ・エーはやや前進。夏休みも終了しているが、圧倒的な「戦力」による攻勢は未だに続いている。

前回45位だったスズキ自動車は今回7位にまで上昇。これはワゴンR・MRワゴン・スイフト・ソリオ・パレットと5車種のCMを精力的に展開したことによるもの。特に「ワゴンR」のCMは多く、素材別ランキングでも9位に食い込んでいる。

これら上位10位の企業におけるCM出稿を、テレビ局ごとにグラフ化したのが次の図。

↑ 企業別放送回数ランキング(2011年9月、上位10位)(局別)
↑ 企業別放送回数ランキング(2011年9月、上位10位)(局別)

最初のグラフで花王が突出しているが、今グラフでは「花王が日本テレビとフジテレビ」に大きく傾注しているのが分かる。また「興和の日本テレビ・フジテレビへの出稿が異様に少ない」のは、この数か月の定番の動き。それぞれスポンサードしている番組のあるなしが、偏りを生み出す結果となっているのだろう。一方で日本コカ・コーラやアサヒビール、サントリーなどのドリンク系企業はキー局すべてにほぼ同列の値を示しており、バランスの良さが際立っている。

さらに特異な例としては、先月に続き今月もグリーにおいて、テレビ東京のみ大きな値を出しているのが確認できる。同様の傾向は興和にも見られるが、上記で触れた「フリースポット契約」云々というよりは、アプローチしたいターゲットの属性との相性が良いものと思われる。

最後に、企業別ではなく個別商品別のランキングは次の通りとなる。

↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2011年9月)
↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2011年9月)

グリーは同社のSNS「GREE(グリー)」をプッシュしており、色々なパターンはあれど全部まとめて集計されている。ディー・エヌ・エーもまた同社SNS「モバゲー」で集約した上で集計されていることもあり、個別商品ランキングでは携帯コンテンツ会社(SNS運営会社)が先月に続き上位を独占する形となった。その一方第三位にはリクルート社の【不動産・住宅サイト SUUMO(スーモ)】がランクインしている。


↑ これはテレビCMではないが、プロモーションの一環として展開されている、SUMMOが登場する無料アプリゲーム。
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大きな緑色のマリモのような形をした「スーモ」が、実写やアニメで登場するCMは、大人だけでなく子供にも注目を集め得る内容であり、放送回数を重ねて「スーモ」というキャラクタ、そしてそれを介してウェブサービスの「スーモ」そのものの認知度を高めようとするリクルートの巧みな戦略が見えてくる。なお商品別ランキングでは同社の求人・転職サイト【はたらいく】も10位に入っており、同社の積極的なテレビCM展開が確認できる。

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