ウクライナが10ポイント近い上昇、「ジャスミン革命」の影響は収束の方向に(国債デフォルト確率動向:2011年10月)

2011/10/15 06:27

2010年12月17日分のデータを元にした解析記事で説明したように、債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2011年10月分として、15日時点での数字をグラフ化してみることにした。

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国公債のデフォルト確率を意味するCPD(5年以内のデフォルト可能性)自身の細かい定義、データの取得場所、さらに各種概念は一連の記事まとめページ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説している。

今件のグラフは日本時間で2011年10月15日、つまり(日本時間で)本日取得したばかりの一番新しいデータで生成している。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。


↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)
↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2011年10月15日時点)


いわゆる「ジャスミン革命」「Facebook革命」と呼ばれた中東近辺の連鎖反応的動乱は、一部先日の「ロンドン暴動」「イスラエルの大型デモ」などへも飛び火したが、結局のところ(背景や表現の仕方に違いはあれど)「モバイル端末」と「相互情報の容易なコミュニティ」というツールで形成された、主に若年層による「エネルギーの発散」という形で収束しつつある。リビアの内戦も、今や事後の状態回復の方向にある。

一方で債務問題の悪化を起因とした欧米通貨、特にヨーロッパ方面のユーロをはじめとした各通貨への信頼性への揺らぎは続いており、これがここ数か月の間続いている極端な(特に対ユーロにおける)円高の一因にもなっている。今件データを見ると分かるように、特にギリシャのCPD値の上昇は著しく、同国の債務問題が極めて厳しい(と少なくとも市場関係者からは判断されている)のが確認できる。

新興国の銅消費量など今回確認したデータにおいては、リスク資産からの逃避も加速している関係から、この影響を受ける形で(矢印で記したように)新興国の経済も(投資引きあげ、資源商品への投資資金流入に伴う価格上昇など)悪化を見せ、それが各新興国のCPD動向にも反映されているのが分かる。新興国自身も(特に急成長を続けていた国において)政策の方向転換を見せ始めており、欧州債務危機が欧米だけでなく、新興国も含めた世界全体の経済の歩みを止めるリスクが生じてきた。

なお日本の国債に対する値は4半期ごとに更新されるCMD Visionのリスクレポートの最新版【2011年第2四半期リスクレポート(CMA Global Sovereign Debt
Credit Risk Report、PDF)】
で確認できる。それによると、CPD値は7.3%・格付けはaaで順位は23位。2011年第1四半期の値がCPD値8.7%・格付けaa・順位29位なので、それなりに改善したことになる。震災による被害やその復興のための財務的負担、現状における政策の「有意性」リスクは大きいものの、最悪の時期は脱したとする判断と見受けられる。

ヨーロッパの債務問題各当事国と共に、その周辺新興国の伸びが目立った今月データ。先月懸念した状況が具象化しつつあるともいえる。今後の動きについては、最優先で欧州の経済情勢、そしてその動きに連動する形で変化を見せつつある周辺新興国の経済・株価動向にも気を付けていかねばならない。引き続き「臨戦態勢」で気を引き締めた方がよさそうだ。


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