ミスを認める18%・誤魔化そうとする72%…米でのニュースへの信頼性などをグラフ化してみる(その2)

2011/10/02 12:00

ミスアメリカの調査機関【Pew Reserch Center】は2011年9月22日、ニュースメディアとその利用者の動向に関するレポート【Press Widely Criticized, But Trusted More than Other Sources of Information…Views of the News Media: 1985-2011】を発表した。そこには最新、及び中長期的に渡る、アメリカにおけるニュースメディアと利用者の関係、利用者のニュースに対する信頼の変移が多数示されている。今回はその中から、ニュース・発表への全般的な信頼性について、先の【時代の流れと共に失われる「正しいニュースのあり方」…米でのニュースへの信頼性などをグラフ化してみる】に続き、報道機関への信頼の変化を、経年データの上から詳しく取り上げてみることにする。

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今調査は2011年7月20日-24日にかけてアメリカ国内の18歳以上1501人を対象にしたもので、うち916人は固定電話経由・585人は携帯電話経由(そのうち254人は固定電話無し)で音声によって質問が行われている。用いられた言語は英語とスペイン語で、電話をかけた際に在住していたもっとも若い男性か女性に回答を依頼している。また調査の一部は2011年6月23-26日、7月21日-24日、8月4日-7日にも行われているが、999人-1005人を対象し、ほぼ同様の形式で行われている。さらに各調査では国勢調査など統計上の実態値(性別・年齢階層・人種・地域など)に合わせて、バランス調整による修正が行われている。

【「事実を伝えている」は25%のみ・アメリカでのニュースへの信頼性をグラフ化してみる】でも伝えたように、アメリカにおけるニュース(メディア、報道)に対する信頼性は低い。2/3は「しばしば不正確に伝えてしまっている」と答えている。

↑ ニュースに対する信頼性(米)
↑ ニュースに対する信頼性(米)(再録)

先の記事ではこの「信頼性」について、「正確性・真実味」「独立性」「中立性」の3つの観点からその変移を眺めてみた。今回はそれとは別の視点、具体的には「プロ根性を持っているか」「良い仕事、成果物を生成するよう留意しながら仕事をしているか」「政治的に偏った報道をしているか」「自らの間違いを素直に認めるか、それとも隠蔽するか」の4点で、視聴者達はどのような評価を下しているのか、その変移を見た結果である。

まずは「プロ根性」。

↑ 報道機関はプロの仕事をしているように見えるか
↑ 報道機関はプロの仕事をしているように見えるか

一番古い調査結果では7割強の人が高評価をしていたのに対し、直近の2011年では6割近くにまで落ち込んでいる。「その他・未回答」が漸減し、その分も合わせて「プロの仕事をしていない」とする評価が増加しており、明らかに評価が落ちているのが分かる。

次いで「良い仕事をすべく(良い結果を出すべく)気にかけながら仕事に従事しているように見えるか」。大意では最初の「プロ根性」云々と同じで、結果もほぼ同じ傾向となっている。

↑ 報道機関は自らがいかに良い仕事をしていくか気にかけながら従事しているように見えるか
↑ 報道機関は自らがいかに良い仕事をしていくか気にかけながら従事しているように見えるか

直近のデータでは「良い仕事をするよう配慮しながら報道に携わっている(ように見える)」という回答は6割強。3割強は「いい加減に仕事してるのではないか」という疑いの目を向けている。

次は「政治的な中立性」。先の記事での「ニュースの独立性」「中立性」と共通する意味合いを持つ設問といえる。

↑ 報道機関は政治的に偏った報道をしているか
↑ 報道機関は政治的に偏った報道をしているか

この設問でも経年と共に「偏りが増加している」という結果が出ている。アメリカの場合は事前にはっきりとスタンスを宣誓しておけば、多少の偏りは許容の範囲ではあるが、それでも過度のものは顔をしかめるような出来映えのニュースが作られることになる。それを視聴者が(えこひいきされているサイドの陣営を支持していたとしても)好むとは考えにくい。

最後は報道機関の間違いに対する姿勢。

↑ 報道機関は自らの間違いを認めるか
↑ 報道機関は自らの間違いを認めるか

今項目については元々報道機関に対する評価は低めで、1985年の時点ですら「間違いを素直に認め(て謝罪するなり訂正をする)」との回答は1/3程度に過ぎず、過半数は「大抵において誤魔化したり、無かったことにしがちだよネ」と判断してしまっている。それが直近の2011年では、それぞれ18%・72%となり、圧倒的多数が「報道機関は自らの過ちを正そうとはしない」という不信感を抱いていることが分かる。

虫めがねでチェック先の記事【時代の流れと共に失われる「正しいニュースのあり方」…米でのニュースへの信頼性などをグラフ化してみる】同様に、少なくとも今調査ではアメリカにおける既存報道メディア・機関に対する信用性は、記事題名通り「時代の流れと共に失われ」ているように見える。これが例えば報道機関以外の対象ならば、「世間一般に伝える報道の仕方が悪いから、間違って認識してしまっているのだろう」という推論も成り立つが(例えば大企業や政府機関は得てして非難の対象となりがち。その方が受けが良いからだ)、肝心の報道機関自身への評価なのだから、反論の仕様が無い。

もちろん「本当の仕事ぶりは第三者からは分かりにくい」という意見もあるだろう。しかしそれは報道機関に限った話では無い。むしろ偏見の評価による扇動をされる機会が少ないだけ(報道機関が同業他社を叩くことはあまり無い)に、今件調査結果は的外れなものでは無いと判断できよう。

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