「実用」演習風景も? ロボットらば「BigDog」最新映像到着

2011/09/29 12:10

BigDog以前紹介した、アメリカの軍事目的用輸送四足走行ロボット「BigDog」。主に軍事用の技術の収斂と開発を幅広い分野で行うDARPA(国防高等研究計画局:Defense Advanced Research Projects Agency)の支援を受け、【BostonDynamics】が開発しているものだが、その「BigDog」の最新公式映像が、実に1年半近くぶりにYouTube上に掲載された。そこには「BigDog」のこれまでの歴史をまとめると共に、新たなシーンも描かれており、見応えのある内容となっている(【トリガー:あの不思議ラマロボット「BigDog」の新着動画】)。

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↑ 今回公開された最新映像。
↑ 今回公開された最新映像。【直接リンクはこちら】

「BigDog」は直訳すると「大型犬」。軍事目的用輸送四足走行ロボットで、馬やロバのように荷物を運ぶ役割を持たせる予定。BostonDynamicsでの「BigDog」の性能表記は2008年で更新が止まっているが、それプラス動画上での更新データによるとガソリンエンジンを動力とし、水圧式の駆動システムを装備。全長1メートル、高さ0.7メートル、そして重さは75キロほどのスペックを持つ。最新の動画では積載可能重量は400ポンド(181キログラム)、移動速度は5mph(時速8.0キロ)とある(要は以前の公開データから更新されていない)。

専従兵が利用するコントロールユニット付きのベストBigDogには移動を制御するコンピュータやサーボ、センサー、ジャイロスコープなど各種「正常な移動を続けるため」の機能を搭載。どんな状況下においてもバランスを取り続け、指示された行動を続けるオートバランサーが働いている。当然内燃機関の調整(水圧やエンジン温度、バッテリーの残存量など)も別途行なわれているあたりは、通常の自動車などと変わらない。仕様書に目を通すと、特定の人物(電波発信装置やアンテナを装備した専従兵)の後を自動追尾させる他、専従兵によるコントローラーでの操作、各種データ・プログラムに従った自動歩行など(例えば該当地域の地図を記憶させて、指示したルートを移動させる)、多様な移動スタイルを選択できる。

今回公開された動画で注目すべきなのは、「BigDog」の開発初期の造形もさることながら、大本の目的である軍事作戦上の使用を想定した訓練・資料作成用映像と思われる場面が確認できること。



↑ 新型ヘリV-22オスプレイから降り立つ「BigDog」
↑ 新型ヘリV-22オスプレイから降り立つ「BigDog」

新型の輸送ヘリ(ティルトローター機)であるV-22オスプレイから降り立つ姿は、歩兵随伴用の小型輸送機器として、ジープ(小型四輪駆動車)よりさらに小回りが利き、行動可能範囲の広さ(距離では無く悪路でも、という意味で)有益性を容易に想像させる。あるいは小隊・分隊単位で「重量の大きな」重火器と共に配備することで、小単位の歩兵の火力を飛躍的に向上させ得る。



↑ 歩兵と共に行軍する「BigDog」
↑ 歩兵と共に行軍する「BigDog」

静音性、耐久度、燃料、そしてコストパフォーマンスの問題など、実用の段階で再確認される、新たに持ち上がる問題も提起されるに違いない。しかし利用コンセプト上での柔軟性は非常に高く、上手な運用を行えば、有益な装備となる。

そして「BigDog」の開発過程で得られたさまざまな技術は当然、民生品としても十分に活用しうるものといえる(やはり耐久度やコストのハードルは低くないが)。車両の行き来がしにくい場所での作業(例えば山岳部での農作業など)で作業に従事する人に随伴させたり、あるいは発想を大きく変えて宇宙開発などでも使い得る。

ダイジェスト的なものに合わせて実用演習的な映像を1年半ぶりに公開したBostonDynamics側の意図が今一つつかめない部分もあるが、オスプレイでの運用も動画に納められているところから、それなりに開発は順調に進めれ、試験運用に近い部分まで来ているものと推測される。今後の更新情報・映像にも大いに期待したいところだ。

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