年金制度の加入状況をグラフ化してみる

2011/09/28 06:46

年金手帳厚生労働省は2011年8月25日同省公式サイトにおいて、2009年時点の社会保障における公的・私的サービスにまつわる意識調査結果を発表した。保育サービス、少子化・子育て、個人年金、民間の医療保険、社会保障の希望のような、現在社会が注目している社会保障に対する意見の現状が集約されたレポートであり、貴重な資料の立ち位置にある。今回はその中から、老後の所得保障問題、その中でも「年金制度の加入状況」に着目してみよう(【発表リリース】)。

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今調査は2009年7月16日に実施されたもの。調査方法は「調査員が配布した調査票に、調査対象となった世帯員(20歳以上の「一人ひとり」に配布。例えば子供無しの夫婦ともに20歳以上なら2枚)が自ら記入し、後日調査員が回収する」という留置自計方式。集計客対数は1万0645人。

【受給者110万人増・加入者62万人減…2009年度の公的年金事業概要発表】でも解説しているが、現在の公的年金制度は基本的に、自営業者・サラリーマン・公務員を問わず全員が入る「国民年金(基礎年金)」部分が土台(一階部分)にあり、それに加えてサラリーマンは「厚生年金(保険)」、公務員は「共済年金」が二階部分として積み上げられる仕組み(年金制度を「二階建て」と呼んでいるのはこのため)。さらに自営業者は「付加年金」や「国民年金基金」、サラリーマンは「厚生年金基金」などを積み増すことができる。民間の個人年金は、さらにその上の階層に積み増すイメージとなる。

なお「国民年金の未納率が6割を割り込んだ云々」という話があるが、自営業者などの第一号被保険者を対象とした比率であることや、未納者・未加入者は保険料を支払わない分だけ、年金給付資格も無いことに留意しておく必要がある。また当然第二号被保険者・第三号被保険者は企業から天引きされるので、ほぼ100%の納付率となる。

↑ 年金の構造
↑ 年金の構造(【石川県市町村職員組合】から抜粋)

さて、厚生・国民年金(・共済組合年金)以外にも勤め先によっては企業年金、さらには国民年金基金、個人型の確定拠出年金、そして生命保険会社などが展開する個人年金などが年金制度として用意されている。それらも含めて、回答者が加入している年金制度を答えてもらったのが次のグラフ。全体では厚生年金は6割、国民年金は5割近くとなっている。

↑ 年金制度の加入状況(複数回答)
↑ 年金制度の加入状況(複数回答)

設問では「あなたが加入して保険料を支払っていたり、過去に加入し、現在、年金を受け取っている年金制度全てに」とある。ずっと会社勤めをしていれば「厚生年金」(実際には一階建ての部分に基礎年金があるのだが)、会社勤めの経験があるが現在は自営業などの場合は「厚生年金」「国民年金」の双方と答えるため、「厚生年金」の回答率が高い結果となっている。なお公的年金に付加される企業年金は1割程度。個人年金は16.2%。

これを回答者の世代別に見ると、それぞれの特徴が見えてくる。

↑ 年齢階層別に見た年金制度の加入状況(複数回答)
↑ 年齢階層別に見た年金制度の加入状況(複数回答)

20代は学生などで企業に勤めていない人もあるなどの事由からか、厚生年金の加入率が他世代と比べて少なめ。30代以降は6割強を維持している。一方、公的年金に上乗せする形で任意加入ができる企業年金や個人年金、さらには国民年金基金などは30-60代の世代で高めの値を示しているのが分かる。

詳しくは別の機会に譲るが、これら個人的な年金に加入している人達の多くは、公的年金の額だけでは不安を覚えている(制度そのものへの不安では無い)ために、加入していると答えている。「ねんきん特別便」「ねんきん定期便」などで自分が手にするであろう額面を見てそろばん勘定をし、不安を覚えて個人年金の加入を考え、手続きを取る人も少なくあるまい。

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