広告収入さらに減少、全項目で前年比マイナス…新聞業の売上高動向(2012年発表)

2011/09/25 06:24

以前【企業が払う新聞広告費と広告費相場の変化をグラフ化してみる(2010年分反映版)】などで日本新聞協会の公開データを元に、日本の新聞業界の全般的な動向を多方面からグラフ化した。しかし一部は更新タイミングがずれており、一連の記事を掲載した5月時点での記事展開はかなわなかった。それらについて先日値の更新が確認されたので、残りの部分を再構築し、状況の変化を推し量ることにする。今回は昨年掲載した新聞業売上の、2011年分反映版を構築し、精査することにする。

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データ取得元は【新聞の総売上高の推移】。ここから新聞業全体(日本新聞協会が把握している範囲で、という意味)の売上高、及びその部門別額の移り変わりをグラフ化する。元データでは2002年度において「暦年」(各年12月末区切り)から「年度」(各年3月末区切り)に変更しており、この変更を無視してグラフ化すると2002年前後がおかしなことになるので、年度切り替えを果たした2002年度以降のものについて生成した。

↑ 新聞業の総売上高の推移(億円)
↑ 新聞業の総売上高の推移(億円)

2005年度に総額で一時盛り上がりを見せているが、それを除けば総じて減少傾向。特に赤茶色部分「広告収入」の減り方が急激なものであるのかが分かる。一方で販売収入(要は新聞そのものを売ったことによる売上)は大した減り方では無い。【まだ更新されず・読売1000万部維持、毎日は前期比マイナス2.36%…新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2010年後期分データ更新・半期分版)】【新聞のいわゆる「押し紙」問題を図にしてみる】などと合わせて考えると、やや首を傾げざるを得ない数字ではある。

さてこの数字を元に、変化が分かりやすいように「前年度比」を算出したのが次のグラフ。2005年度以降、特に2007年度以降にかけて「広告収入」の減少ぶりが著しいことが再確認できる。

↑ 新聞業の総売上高の推移(億円)
↑ 新聞業の総売上高の推移(億円)

チラシ2010年度の広告収入は「前年度比」で6.2%のマイナス。昨年の下げ幅と比べれば多少は大人しくなったものの、各部門で最大の下げ幅には違いない。広告の掲載「量」が減退しているのはすでに【新聞の広告掲載「量」と「率」をグラフ化してみる(2010年分反映版)】でお伝えしている通り。量が減り、単価が減ってしまえば、売上が落ちるのも当然の話ではある。昨今の新聞業界における経営の困難さは、少なくとも売上高の面では広告費の急激な減少が最大要因であると見なして良い。インターネットなどライバルの増加による競争激化に伴う単価引き下げ、発行部数低下に伴う媒体力の低下、そして内容そのものの(品)質の問題など、想定できる要因は複数考えられ、どれも多かれ少なかれ当てはまりそうだ。

そして一方、鉄壁的存在ともいえた「販売収入」、つまり新聞そのものの売上も、毎年下げ幅を拡大しているのが確認できる。今年は前年比でマイナス2.4%。昨年のマイナス1.8%から0.6ポイントの下げ幅拡大。他項目と比べればまだ小さめだが、ベースとなる額が大きいだけに経営に与えるインパクトは小さく無い。



ちなみに5月に【企業が払う新聞広告費と広告費相場の変化をグラフ化してみる(2010年分反映版)】で、新聞広告費の推移をグラフ化した。

↑ 新聞広告費(億円)
↑ 新聞広告費(億円)(再録)

これは各企業が新聞掲載のために支払った金額。新聞社が受け取った、つまり売上として計上した額との間には大きな差異がある。姉妹サイトでの【新聞の広告出稿マージンって3割くらいなのかな?】【広告業界や代理店の仕組みが分かるステキなレジュメ】などで概要を触れているが、広告代理店の手数料やその他諸経費などがこの差異に該当すると見てよいだろう。

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