6割から7割・女性がより強く感じる介護者ストレス(2014年)(最新)

2014/07/26 14:00

以前介護者側のストレスの兆候として(海外の事例ながらも)【介護者ストレスの典型的な危険信号とは】を掲載したところ、いくつかの意見をいただくことが出来た。それら意見の中でも特に目に留まったのは「危険信号は分かった。それでは介護をしている人たちの原因とは何だろうか」というものだった。そこで厚生労働省が2014年7月15日に発表した、平成25年度版(2013年度版)の「国民生活基礎調査の概況」を基に、その内情も合わせ介護ストレスの現状を確認していくことにする(【発表ページ:平成25年 国民生活基礎調査の概況】)。

スポンサードリンク


厚生労働省の「国民生活基礎調査の概要」は毎年1回調査が行われその結果が公開されるものだが、「介護者側のストレス」周りも含めた「大調査」は3年に1回のみ。今回発表された2013年分はその大調査の年にあたるため、これが最新の調査結果となる。

まずは要介護者が同居している世帯で、介護する側がストレスや悩みを抱えているか否かについて(介護者=介護する側、要介護者=介護される側である)。全体では6割から7割、男女別では概して女性の方がストレス保有者は多い。

↑ 性・年齢階級別にみた同居している主な介護者の悩みやストレスのある者の割合(2013年)
↑ 性・年齢階級別にみた同居している主な介護者の悩みやストレスのある者の割合(2013年)

「男女別では概して女性の方が、ストレス保有者が多い」のは事実だが、30代ではそれが逆転している。就労状況にもよるが、介護以外にも果たさねばならないことが多く、それがストレスにつながっているのだろうか。また20代はややイレギュラーな値が出ているが、これは単に回答値が少ないために発した「ぶれ」。例えば29歳以下男性は全体で94人のみとなっている。

今回調査分では介護者が若年層ほどストレス自認回答率が高く、50代以降はほぼ横ばいの傾向が見られる。以前は介護者が高齢化するほどストレス度も上昇する動きを示していただけに、やや不思議な動きではある。

それでは具体的に、どのような問題を悩み・ストレスの原因として認識しているのか。もっとも多数の人が問題視しているのは、介護している対象(要介護者)の病気や介護そのもの。男性は7割強、女性に至っては8割近くの人がこの問題に頭を悩ませている。

↑ 性別にみた同居している主な介護者の悩みやストレスの原因の割合(複数回答)(2013年)
↑ 性別にみた同居している主な介護者の悩みやストレスの原因の割合(複数回答)(2013年)

やはりさしあたって目の前にある、介護そのものの起因となる問題が、一番のストレスの原因となる、ということだ。

介護気になるのは第1位の「家族の病気や介護」と比べれば回答割合は半分以下でしかないが、「自分の病気や介護」が第2位についている。同調査別項目の結果を見ると、介護する側の68.6%が60歳以上、65歳以上で区切れば50.5%、75歳以上で区切っても26.5%の高齢者で占められている。高齢化の進行で介護する側・される側共に年齢が上昇し、結果として自分自身の高齢・病気のような物理的・心理的な高齢問題と戦いながら介護を続け、ストレスをためてしまう様子がうかがえる。

またこの「介護者における高齢化」問題は介護者サイドでは特に女性において深刻な状況にある。

↑ 要介護者と同居している介護者の性別・年齢階級(各属性内介護者総数に占める割合)(2013年)
↑ 要介護者と同居している介護者の性別・年齢階級(各属性内介護者総数に占める割合)(2013年)

介護者のストレスは女性の方が大きい理由が理解できるというものだ。

【33年連続の減少で子供の数は1633万人…「こどもの日」にちなんだデータをグラフ化してみる(国内編)(2014年版)】でも指摘しているが、昨今では高齢者比率が増加する一方にある。介護問題は介護される側はもちろんのこと、介護する側にもスポットライトを当て、皆で議論と解決策の模索をしなければならない。特に介護者・要介護者双方が高齢化する傾向は顕著で、例えば双方が75歳以上同士という事例は2001年当時は(介護者・要介護者同居世帯のうち)18.7%だったのに対し、2013年では29.0%にまで跳ね上がっている。

しかもこの問題は時間の経過と共にさらに進行する類のものである。早急な問題解決策の模索と実行が求められよう。


■関連記事:
【高齢者の介護放棄などの傾向・チェックリスト】
【介護する側の不安や困りごと、多くは出費の増加や心身の負担】
【介護ロボットを使いたい? 介護する側・受ける側の思惑】
【介護の際に自治体のサービスを利用した人は3割強・保険制度活用も3割近く】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー