6割から7割・女性がより強く感じる介護者ストレス(最新)

2017/07/09 05:06

2017-0708以前介護者側のストレスの兆候として(海外の事例ながらも)【介護者ストレスの典型的な危険信号とは】を掲載したところ、いくつかの意見をいただくことができた。それら意見の中でも特に目に留まったのは「危険信号は分かった。それでは介護をしている人たちのストレスの原因とは何だろうか」なるものだった。そこで厚生労働省が2017年6月27日に発表した、平成28年版(2016年版)の「国民生活基礎調査の概況」を基に、その内情も合わせ介護ストレスの現状を確認していくことにする(【発表ページ:平成28年 国民生活基礎調査の概況】)。

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厚生労働省の「国民生活基礎調査の概要」は毎年1回調査が行われその結果が公開されるものだが、「介護者側のストレス」周りも含めた「大調査」は3年に1回のみ。今回発表された2016年分はその大調査の年にあたるため、これが最新の調査結果となる。

まずは要介護者が同居している世帯で、介護する側がストレスや悩みを抱えているか否かについて(介護者=介護する側、要介護者=介護される側である)。全体では6割から7割、男女別では概して女性の方がストレス保有者は多い。

↑ 介護者の性・年齢階級別、悩みやストレスのある介護者の割合(2016年)
↑ 介護者の性・年齢階級別、悩みやストレスのある介護者の割合(2016年)

「男女別では概して女性の方が、ストレス保有者が多い」のは事実だが、30代ではそれが逆転している。就労状況にもよるが、介護以外にも果たさねばならないことが多く、それがストレスにつながっているのだろうか。また20代はややイレギュラーな値が出ているが、これは単に回答値が少ないために発した「ぶれ」。例えば29歳以下男性は全体(ストレスあり・なし・不詳合わせて)で94人のみとなっている。

今回調査分では30代で介護者のストレスはやや低く、それ以外は一様に高い結果が出ている(20代男性はイレギュラーの可能性が高い)。大よそ7割の人が何らかの形で介護へのストレスを有していることになる。

それでは具体的に、どのような問題を悩み・ストレスの原因として介護者自身は認識しているのか。もっとも多数の人が問題視しているのは、介護している対象(要介護者)の病気や介護そのもの。7割強の人がこの問題に頭を悩ませている。

↑ 性別にみた同居している主な介護者の悩みやストレスの原因の割合(複数回答)(2016年)
↑ 性別にみた同居している主な介護者の悩みやストレスの原因の割合(複数回答)(2016年)

やはりさしあたって目の前にある、介護そのものの起因となる問題が、一番のストレスの原因となる、ということだ。

介護気になるのは第1位の「家族の病気や介護」と比べれば回答割合は半分以下でしかないが、「自分の病気や介護」が第2位についている。同調査別項目の結果を見ると、介護する側の70.0%が60歳以上、65歳以上で区切れば53.9%、75歳以上で区切っても27.3%の高齢者で占められている。高齢化の進行で介護する側・される側共に年齢が上昇し、結果として自分自身の高齢・病気のような物理的・心理的な高齢問題と戦いながら介護を続け、ストレスをためてしまう様子がうかがえる。

またこの「介護者における高齢化」問題は介護者側では特に女性において深刻な状況にある。

↑ 要介護者と同居している介護者の性別・年齢階級(各属性内介護者総数に占める割合)(2016年)
↑ 要介護者と同居している介護者の性別・年齢階級(各属性内介護者総数に占める割合)(2016年)

介護者のストレスは女性の方が大きい理由が理解できよう。

【「こどもの日」にちなんだデータをグラフ化してみる】でも指摘しているが、昨今では高齢者比率が増加する一方にある。介護問題は介護される側はもちろんのこと、介護する側にもスポットライトを当て、皆で議論と解決策の模索をしなければならない。特に介護者・要介護者双方が高齢化する傾向は顕著で、例えば双方が75歳以上同士の事例は2001年当時は(介護者・要介護者同居世帯のうち)18.7%だったのに対し、2013年では30.2%にまで跳ね上がっている。

↑ 要介護者などと同居の主な介護者の年齢組み合わせ別の割合の年次推移
↑ 要介護者などと同居の主な介護者の年齢組み合わせ別の割合の年次推移

しかもこの問題は時間の経過と共にさらに進行する類のものである。【介護保険事業状況報告】の最新版(2015年度)によれば、2015年度時点で住宅サービスと地域密着型サービスを利用している人は合わせて430万人(重複含む)となっている。要介護・要支援認定者は620万人。早急な問題解決策の模索と実行が求められよう。


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