【更新】ギリシャ再び急上昇でCPDは90%超えに(国債デフォルト確率動向:2011年9月)

2011/09/15 12:10

2010年12月17日に掲載した、国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化した記事で説明したように、債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2011年9月分として、15日時点での数字をグラフ化してみることにした。

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国公債のデフォルト確率を意味するCPD(5年以内のデフォルト可能性)自身の細かい定義、データの取得場所、さらに各種概念は一連の記事まとめページ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説している。

今件のグラフは日本時間で2011年9月15日、つまり(日本時間で)本日取得したばかりの一番新しいデータで生成している。今回も前回から大きな変動が確認できた。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。

↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)
↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2011年9月15日時点)

いわゆる「ジャスミン革命」「Facebook革命」と呼ばれた中東近辺の連鎖反応的動乱は、一部先日の「ロンドン暴動」「イスラエルの大型デモ」などへも飛び火したが、結局のところ(背景や表現の仕方に違いはあれど)「モバイル端末」と「相互情報の容易なコミュニティ」というツールで形成された、主に若年層による「エネルギーの発散」という形でまとまりつつある。多くの国では経済的に混乱を積み増しただけの感は否めない。リビアの騒動もひと段落つき、事後の状態回復の方向で進んでいる。

一方で債務問題の悪化を起因とした欧米通貨、特にヨーロッパ方面のユーロをはじめとした各通貨への信頼性への揺らぎは続いており、これがここ数か月の間続いている極端な(特に対ユーロにおける)円高の一因にもなっている。今件データを見ると分かるように、特にギリシャのCPD値の上昇は著しく、同国の債務問題が極めて厳しい(と少なくとも市場関係者からは判断されている)のが確認できる。またポルトガルやアイルランド、イタリアなど周辺ヨーロッパ諸国も連鎖リスクを想定されてなのか、CPD値上昇の動きが見られる。

イスラエルでのデモの様子さらにリスク資産からの逃避も加速している関係から、この影響を受ける形で新興国の経済も(投資引きあげ、資源商品への投資資金流入に伴う価格上昇)悪化を見せ、各国株価も下落のさなかにある。日本ではあまり報じられていないが、例えば先日【イスラエルで続く生活改善を求めるデモ】で伝えたイスラエルでのデモにもあるように、諸外国では状況の悪化に伴う険悪な雰囲気が浸透しつつある。

なお日本の国債に対する値は4半期ごとに更新されるCMD Visionのリスクレポートの最新版[2011年第1四半期リスクレポート(PDF)]で確認できる(現時点ではまだ第2四半期のレポートは公開されていない)。それによると、CPD値は8.7%・格付けはaaで順位は29位。2010年第4四半期の値がCPD値は6.4%・格付けはaa+で順位は18位だから、かなり悪化したことになる。これは震災による被害やその復興のための財務的負担が、大きなものになることを示唆する動きともいえる。

先月よりヨーロッパ各国、特にギリシャの値の伸びが目立った今月データだが、その数字の上昇分以上に、同国周辺の債務問題について、悪化を示唆する報道・数字の提示が相次いでいる。時折伝えられる状況改善のコメント・施策などで一息つける感はあるものの、全体的な流れを押しとどめることはできず、「三歩進んで二歩下がる」が続いているようなもの。

今後の動きについては、最優先で欧州の経済情勢、そしてその動きに連動する形で変化を見せつつある周辺国の経済・株価動向にも気を付けていかねばならない。今しばらくは「臨戦態勢」で気を引き締めた方がよさそうだ。


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