生死を分かつ数分の差…東日本大地震での「津波からの避難開始時間」をグラフ化してみる

2011/09/12 12:00

避難までのタイミングウェザーニューズは2011年9月8日、東日本大地震・震災における津波の被害に関する調査報告を発表した。無事に避難が出来て生存した人と、亡くなった人との間の行動・判断の違いを確認するための調査で、減災対策・避難活動の計画立案などにおいて、非常に重要な資料に仕上がっている。今回はその中から、津波から逃れるための、地震(本震)発生から避難開始後の時間にスポットライトを当てることにする(【発表リリース】)。

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今調査は2011年5月18日から6月21日にかけて北海道・青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・千葉県の1道6県で被災された方を対象に、インターネット及び携帯・スマートフォン経由で行われたもので、有効回答数は5296件。うち生存者自身の回答は3298件、亡くなられた方に関する回答(関係者などによる証言)は1998件。亡くなられた方のデータは生存している関係者からの聞き取り・回答なので、不確かな部分も少なくなく、「分からない」の回答項目への回答が多めになってしまっていることに留意する必要がある。

2011年3月11日に発生した東日本大地震とそれに伴う各種震災では、特に津波による被害の大きさに注目が集まり、また対策面で物議がかもされることになった。【防災と減災】にもあるが、「防災」よりも「減災」に重点を置くべきであるとする主張が高まりを見せているのも、今件を一つのきっかけとしている。

さて、本震発生後、何分で「津波の被害から逃れるために」避難を開始したかの問いに対してだが、生存者と亡くなった方との間では非常に大きな違いが出る項目が確認された。「避難しない」の回答率が2倍以上も異なっている。

↑ 地震(本震)発生から何分後に避難を始めたか
↑ 地震(本震)発生から何分後に避難を始めたか

↑ 地震(本震)発生から何分後に避難を始めたか(平均時間、全体と一部世代)(分)
↑ 地震(本震)発生から何分後に避難を始めたか(平均時間、全体と一部世代)(分)

生存者の「避難しない」には、どう考えても津波の被害が及ばないはずの場所に居住している人の可能性もあるが、「亡くなった方」は(結果論ではあるが)その場所で津波による被害を受けたことになるので、判断を誤ったことになる。また、避難をした人でも避難開始までの時間を見ると、生存者は亡くなった人と比べてわずかではあるが早めに行動を開始している結果が出ており、瞬時の判断(言葉通り「数分の違い」)が生死を分かつ要素となりえたことがうかがえる。

気になるのは「亡くなった人」における「何故避難しなかったか」だが、元資料を確認すると(具体的数字は未掲載のためグラフ化は出来ず)、最多回答項目は「自分のいる場所が安全だと思った」、次いで「逃げる前にすべきことがあった」「逃げるという思考が浮かばなかった」などが多数意見となっている。

本文中の解説に「避難しなかった方は60代以上の比較的高い年齢層に多く見られました」という表現もあり、自らの体力を勘案して判断が鈍った可能性は否定できない。だからこそ可能な限り本人自身はもちろん周囲の人も、日頃からの心構えなどが求められるというのが、今件の教訓ではないだろうか。


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