松屋は客単価底上げで客数減カバーし売り上げをプラス0.6%に…牛丼御三家売上:2011年8月分

2011/09/06 12:10

[吉野家ホールディングス(9861)]は2011年9月5日、同社の子会社である牛丼チェーン店吉野家の2011年8月における売上高などの営業成績を発表した。それによると既存店ベースでの売上高は前年同月比でマイナス4.8%となった。牛丼御三家のうち[松屋フーズ(9887)]が運営する牛飯・カレー・定食店「松屋」の同年8月における売上前年同月比はプラス0.6%、[ゼンショー(7550)]が展開する郊外型ファミリー牛丼店「すき家」はプラスマイナスゼロ%の動きを見せている(いずれも前年同月・既存店ベース)(【吉野家月次発表ページ】)。

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吉野家は2010年9月から、メインメニューの牛丼より安価な「牛鍋丼」を発売、これが売上高アップに大きく貢献した。しかしその後は大きな新商品展開のイベントなども無く、「小鉢」も大きな影響は与えていなかった。そして【吉野家でカレー…吉野家から「こく旨カレー」「旨辛カレー」登場】にもあるように8月から「こく旨カレー」「旨辛カレー」の発売を開始。さらにトッピングとしてチーズも登場させている。この「カレー攻勢」のおかげか客単価は順調に回復を続けたが、客数は減退。結果として売上もマイナス域に再突入(4か月ぶり)することとった。

↑ 牛丼御三家2011年8月営業成績
↑ 牛丼御三家2011年8月営業成績

吉野家のカレー吉野家における客単価の低さは相変わらずだが、上記にもあるようにこれでも漸次回復をみせており、むしろ今後の動向に期待がかかる。データは揃えてあるので、折りを見て中期的な動向も眺めてみよう。

むしろ8月の動向で気になるのは「客数」。上記にもあるように吉野家でのカレーメニュー導入の他、【すき家となか卯で7月29日から期間限定・(和風)牛丼並盛250円へ】にも示した通り、すき家での割引セール期間が前半の半月分ほどかかっていたこともあり、それがそのまま三社における客数の動向に現れた形となった。とはいえ、先月の値からの落ち込みは非常に気になるところ(今件が前月比ではなく前年同月比なので、夏休みなど季節動向による変動は反映されないことに注意)。

先日【2011年7月度のチェーンストアの売上高、前年同月比プラス2.1%】でもお伝えしたが、チェーンストア(デパートやスーパー)では7月の時点で、「食料品においては畜産品で牛肉が不調。代わりに加工肉や鶏肉・豚肉は堅調」という動きが確認できる。多分に「震災」の影響によるところが大きいのだが、これが牛丼御三家においても心理的な部分で、客足を遠のかせている可能性は否定できない。8月はまだ「可能性」の域での判断だが、9月以降も客足が鈍り続けるようなら、影響が生じていると判断せざるを得ないだろう。

8月分を各社一言ずつでまとめると「吉野家…客単価は順調に回復過程だが、他社と比べてまだ軟調、売上を圧迫」「松屋…客単価底上げで客数減カバー」「すき家…セールスで客単価減少も客数増加で現状維持」という形になる。

↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2011年8月)
↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2011年8月)

すき家の客数増加は今年に入り勢いがやや衰えを見せ、今月は随分スレスレ状態となったが、それでもなお2009年12月以降、毎月前年同月比でプラスを維持している。既存店(1年前にも存在していた店のみ)での売上であることを考えれば、店舗数の拡大とは関係が無く、純粋に営業努力のたまものといえる。

店舗数ではすでにすき家がはるかに吉野家を超える形。今でもなお、すき家の拡大戦略は続いている。8月における7月からの店舗増加数は24件・先月比プラス1.5%となっている。「既存店」云々とは別に、「良く見かける店舗」という安心感・安定感・確実性が、客数増加の一因と考えられよう。

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