どこまで見せる、教えるか? ソーシャルメディア利用時の個人情報の開示範囲をグラフ化してみる(2011年版情報通信白書より)

2011/09/09 06:55

情報開示総務省では2011年8月9日、同省公式サイトにおいて、2011年版の【情報通信白書】を一般に公開した。その白書の構成要素は多分に、以前【携帯電話とパソコンの所属世帯年収別利用率をグラフ化してみる(2010年分データ反映版)】でも参考にした「通信利用動向調査」の結果を元にしている。他方、それ以外にも多方面から集めた資料を元にしており、注目すべきデータを収録しているのが特徴。今回はその中から、主要ソーシャルメディア(今件ではmixiやFacebookなどのSNS以外に、ツイッターなどのミニブログ、ブログや掲示板なども含む)利用者における、個人情報の開示範囲について見て行くことにする(【該当ページ:第3章 「共生型ネット社会」の実現がもたらす可能性(4)ソーシャルメディアの課題】)。

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調査対象母集団などについては先日掲載した記事【ソーシャルメディア利用者の他メディアとの使い分けをグラフ化してみる(2011年版情報通信白書より)】の解説部分で説明済み。詳しくはそちらを参照してほしい。

【複数利用者は1/4…ソーシャルメディアの利用動向をグラフ化してみる】にもある通り、調査母体のうちソーシャルメディアを現在利用中の人は約4割、利用経験はあるが現在使っていない人は1割、経験無しの人は5割近くに達している。

↑ ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験
↑ ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験(再録)

この「ソーシャルメディア利用者」に対し、インターネット全体に開示することを前提として、個人情報をどこまで開示するのかについて尋ねた結果が次のグラフ。

↑ ソーシャルメディア利用時の自身の情報の開示範囲(複数回答)
↑ ソーシャルメディア利用時の自身の情報の開示範囲(複数回答)

元のデータから並びを再構築したが、左半分と右半分で、回答率=開示率に大きな段差が出来ているのが分かる。この左側、開示率が低い項目は、一般的に「個人が特定されやすい情報」。電話番号・住所・家族構成・自分の写真はもちろんだが、就学・就職先、実名、学歴、さらにはメールアドレスなども、個人特定の重要なカギとなってしまう。

一方で生年月日や職業、血液型などは同一回答者が多数いるため、個人の特定は困難。趣味・嗜好にいたっては、同好の士を探すためにはむしろ積極的に開示する必要すらある。

これを主要ソーシャルメディア別(各メディアの利用者に対して、そのメディア利用時における範囲)に尋ねた結果が次のグラフ。メディアの特性や目的などにより、微妙に開示傾向が異なるのが見えてくる。

↑ ソーシャルメディア利用時の自身の情報の開示範囲(複数回答)(種類別)
↑ ソーシャルメディア利用時の自身の情報の開示範囲(複数回答)(種類別)

【知り合いとのやりとりはSNS、悩み相談はブログ、情報探索はツイッター…主要ソーシャルメディアの利用目的傾向をグラフ化してみる】にもあるように、ブログは自分の趣味嗜好や悩みごとの展開、深い話のやりとりなどを交わす場合もあるためか、趣味嗜好や家族構成、メールアドレスなどの項目で高めの値が出ている。ツイッターでは全般的に情報開示率はブログやSNSよりは低めだが、それでも就学・就職先や趣味嗜好はやや値が高い。情報探索の際に、その系統の情報を求める(検索だけでなく情報提供への期待)傾向が強いのだろう。

そしてSNSは多くの項目で、ブログやツイッターよりも開示率が高い。「インターネット全体に対する開示」という前提があるものの、それでもブログやツイッターよりはSNSの方が公開に際する安心感があるが故の結果といえよう。



今回は省略したが、元資料では「インターネット全体」ではなく「ソーシャルメディアの友人などに制限して開示する場合」についても尋ねている。この場合、全般的に「全体」よりも開示率は高く、特に情報の囲い込み・露出制限が容易なSNSにおいては(個人が特定されやすい実名、自分の写真なども含めて)高い値を示している。

もっとも、インターネット上の情報の特性として、一度露出した情報は原則的に除去することができない。個人情報の公開は、慎重に慎重さを重ねた上で行って欲しいものである。

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