原発賛成反対ほぼ同数、原子力関連の技術研究への国費は「増加容認派」が「減少派」を大きく上回る

2011/09/06 12:00

討論ネットエイジアは2011年8月29日、国際平和に関するアンケート結果を発表した。それによると調査母体においては、原子力の平和利用という観点において、原子力発電に賛成する人と反対する人はほぼ同数であることが分かった。一方医療行為としての放射線利用は9割近い人が容認している。また、日本における原子力工学などの技術的研究に対する国費の増減では、「増加」「現状維持」がそれぞれ約3割を占め、「減少」を唱える人は1割強でしかなかった(【発表リリース】)。

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今調査は2011年8月5日から9日にかけて携帯電話によるインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、年齢階層比は10代から50代まで10歳区切りで均等割り当て。

東日本大地震以降は、これまで以上に関心度が高まりを見せている原子力関連の話。以前が半ばタブー視されていたこともあり、基本的な知識の浸透・啓蒙が不足しており、残念ながら科学的に合意性を見いだせない話(「デマ」も含まれる)がちまたにまん延していることは否めない。

さて、その原子力周り(原子力の利用)で容易に想像ができる5項目について、賛成か反対か、自分の意見に近いものを答えてもらったのが次のグラフ。

↑ 原子力の平和利用について、あなたの考えに近いものは
↑ 原子力の平和利用について、あなたの考えに近いものは

まず目に留まるのは「医療行為としての放射線利用」。圧倒的多数の人が賛意を示しており、反対派はほとんど無し。レントゲン写真をはじめ、多くの人が実際に活用してその有益さを体験しているのが理由といえる。それに比べるとやや劣るが肯定派が圧倒的多数なのは「品質検査用の放射線利用」。2/3が賛成派で、反対派は1割を切る。一方、「品種改良」「動力源の輸送機器製造」は反対派が半数近くに達し、賛成派は2割でしか無い。

一番注目の項目といえる「原子力発電」は賛意派・反対派がほぼ同数。そして「医療行為」以外のすべての項目に共通している動きとして、「知らない・分からない」が3割前後に及んでいるのが確認できる。これは直上で触れたように、これまで情報の啓蒙公知の機会が少なく、判断に足るだけの情報・知識が無いために回答出来かねる現状を示している(だからこそ、「デマ」にも容易に振り回されてしまうわけだが)。

一方で、日本における「原子力工学」「原子核工学」などの技術的研究に対し、国費はどうあるべきかという設問では、3割が「増加」・3割が「現状維持」を表明しており、「減少」は1割強に留まっている。

↑ 未来の社会の発展の為に、日本における「原子力工学」や「原子核工学」などの技術的研究について、自分の考えに近いもの(国費の増減関連)
↑ 未来の社会の発展の為に、日本における「原子力工学」や「原子核工学」などの技術的研究について、自分の考えに近いもの(国費の増減関連)

「未来の社会の発展のため」という前提はあるが(もっとも「社会衰退」「世界制覇」のような、ネガティブな意図を明確化した上での技術的研究はありえない)、技術への投資は肯定的であることがうかがえる。

属性別やその他特徴的な動きを見ると、まずは先のグラフにもあるように、「知らない・分からない」とする意見が多いのが目につく。特に若年層・女性にその傾向が強く、「分かりやすい周知啓蒙」が必要であることが見えてくる。同時に男女別では男性がやや「増加」に強い意志を持つこと、歳を重ねるにつれて「増加」に肯定的になること、「現状維持」が3割・「減少」が1割強という値は男女・世代で変移がないことが確認できる(10代の「減少」はやや大きめだが)。

「現状における利用方法は、その対象によって賛否両論」「将来・未来に向けた投資には好意的意見が多い」「正しい情報を周知認識するよう、理解のハードルを下げる啓蒙活動が求められている」。今回の調査結果をまとめると、この3点に集約されよう。


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