ソーシャルメディア利用者の他メディアとの使い分け(2011年版情報通信白書より)

2011/09/06 06:34

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ソーシャルメディア2011年8月9日、総務省は同省のウェブサイト上において、2011年版となる【情報通信白書】を公開した。その白書の構成要素は同年6月1日に掲載した【携帯電話とパソコンの所属世帯年収別利用率(2010年分データ反映版)】で取り上げた「通信利用動向調査」の結果がメインだが、他にも色々な資料を元にしており、資料性の高いものとなっている。今回はその中から、主要ソーシャルメディア(今件ではmixiやFacebookなどのSNS以外に、ツイッターなどのミニブログ、ブログや掲示板なども含む)の利用者における、情報種類別のメディアの使い分け方について見て行くことにする(【該当ページ:第3章 「共生型ネット社会」の実現がもたらす可能性(3)ソーシャルメディアの効用と可能性】)。


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今件項目は一次的には携帯電話(スマートフォン含む)・PHSを所有する人に対してインターネット経由で2011年3月に行われた調査結果を元にしている。調査対象は被災地域(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県)をのぞく全国で、有効回答数は3171人。男女比はほぼ1対1、年齢階層比は10代-50代でほぼ均等、60歳以上区分は他世代区分の約4割増の人数。

【複数利用者は1/4…ソーシャルメディアの利用動向】にもある通り、調査母体のうちソーシャルメディアを現在利用中の人は約4割、利用経験はあるが現在使っていない人は1割、経験無しの人は5割近くに達している。

↑ ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験
↑ ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験(再録)

そこで現在ソーシャルメディアを使っている42.9%の人達に、「友人・知人の情報」「趣味・嗜好に関する情報」「ショッピングに関する情報」「社会ニュース」の4項目において、どのメディアをもっともよく活用しているかを聞いたのが次のグラフ(実際には12項目の情報について質問を行い、うち6項目に関して分析が行われている)。ソーシャルメディアの利用者が、ソーシャルメディアを情報収集源としてどのような立ち位置に置いているのかが良く分かる結果となっている。

↑ ソーシャルメディア利用者における情報の入手先のメディア(最多利用メディア)(ソーシャルメディア利用者限定)(一部)
↑ ソーシャルメディア利用者における情報の入手先のメディア(最多利用メディア)(ソーシャルメディア利用者限定)(一部)

「友人や知人の情報」は、やはり直接当人や周辺に聞くのを最重要視しており、過半数に達している。興味深いのは次点として「ソーシャルメディア」が入っている事。ソーシャルメディアを使っている人の約1/4は、友人や知人の情報収集源としてソーシャルメディアを一番よく活用していることになる。これは先の記事でも触れているように、ソーシャルメディアの中でもSNSの使い方として、「元々の知人とのコミュニケーションのため」という回答が4割を超えていたことの裏付けといえる。

↑ ソーシャルメディアの利用目的(種類別)
↑ ソーシャルメディアの利用目的(種類別)(再録)

「趣味・嗜好」の情報では「ソーシャルメディア」よりもむしろ「検索・ポータルサイト」が多用され、「ソーシャルメディア」は次点についている。求める情報がウェブサイト(ソーシャルメディア以外)にも多数存在しうることから、「まずは探してみよう」という意図によるものだろう。この「探してみよう」という初期行動は「ショッピングに関する情報」の取得でより強く表れている。

他方「社会ニュース」では圧倒的に「テレビ」が大きな値を示している。ソーシャルメディア利用者でも、「テレビ」の権威は今だ健在であることを再認識させられる。他方で「新聞」よりも「検索・ポータルサイト」が上位についているところを見ると、IT系の操作技術に手慣れている層では、すでに「新聞」の地位は(社会ニュースの取得の場面ですら)インターネットより下回っていることが確認できる。

今件は「ソーシャルメディアを利用している人」に限定した割合。その数は全体比で42.9%なのだから、ここから「調査母体全体に占める、特定情報を取得する際に『ソーシャルメディアをもっともよく使う』と回答する人の割合」を算出できる(「ソーシャルメディアを使っている」人以外は、情報取得先にソーシャルメディアを選ぶことはあり得ない。そもそも使っていないのだから)。

↑ 該当項目における情報入手先メディアとして、「ソーシャルメディア」を最多利用メディアと答えた人の割合(調査母体全体比)
↑ 該当項目における情報入手先メディアとして、「ソーシャルメディア」を最多利用メディアと答えた人の割合(調査母体全体比)

調査母体そのものが「インターネット利用者」というフィルタはかかっているものの、「友人や知人の情報、趣味趣向に関する情報について、1割前後の人がソーシャルメディアをもっともよく使っている」結果は、それなりにインパクトのあるものといえよう。


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