タミヤのあまりにも大胆な「プラモ」宣伝法

2011/09/04 06:43

「プラモ」例えば先日姉妹サイトで紹介した【イカ釣り漁船も侵略でゲソ...アニメ化第二期で盛り上がるイカ娘、痛船で参上】のように、さまざまな造型だけでなく多種多様な状況や場面までをも再現できる、子供から大人まで楽しめる趣味の造形「プラモデル」。しかし概念そのものを知らない人達に、プラモデルはどのようなもので、どのような楽しみ方ができるのかを理解してもらうのは、なかなか難しい。そのハードルを乗り越えるため、昨今東南アジアに進出したタミヤ模型による奇抜な広報展開は、以前【「自慢の商品」を相手に実践してもらえる名刺】でも紹介した。そして今回紹介するのは、同社がベトナムで行ったもっと大胆な、そして興味深い手法についてである(I Believe in Advertsing)。

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そもそも論としてベトナムではプラモデル(原文では「プラスティック キットセット モデリング」という表現)そのものが稀で、一般的には知られていない娯楽だった。そこでタミヤではまず初めに、「プラモデルとはいかなるもので、どのような楽しみ方ができるのか」の周知を試みることにした。最初に展開したのが以前【「何でも模型にします、出来ますよ」という気合いがビリビリ伝わるポスター】で紹介したポスター。世界史レベルで誰もが知っている「アメリカに絡んだ」事件や人物、具体的にはマリリン・モンロー、ロズウェル事件、JFK暗殺、エルビスプレスリー、アポロの月面着陸のシーンの計5種類をプラモデル化したようなポスターを創り、それを街中に配した。


↑ 例えばこれはアポロの月面着陸のシーン
↑ 例えばこれはアポロの月面着陸のシーン

書かれてあるメッセージは「Put it together」。「ひとつにまとめる」が直訳的な意味だが、そこから「平穏無事に暮らそう」(すでに地球の上に居るという意味で呉越同舟みたいなものなのだから、争ってても意味がない)と意訳できる。そして、それを「プラモデルで、あのアメリカのさまざまな事件を自ら再現できるような、平和な時をプラモ作りで満喫しましょう」と解釈ができる。また、そのまま直訳的に「自分の手元に、あの有名な事件を集め、再現してしまおう」と読むこともできよう。

ともあれ「プラモデルは、さまざまな情景を再現し、安穏な時間を過ごせる娯楽なのですよ」というアピールを行っている。モデルの対象としている事象がいずれも、ベトナムと歴史的に深い関わり合いのあるアメリカの事件などを再現しているのも、ベトナムという場所柄ならではの切り口といえる(対象となる事件の起きた年代も、ちょうどベトナム戦争と重なるものが多い)。

今件ではポスターに留まらず、さらに一歩踏み込んだ展開もしている。ポスターのデザインとして採用した事象のプラモデルを、通常の模型としてのプラモデルとしてではなく、「登場している人物たちの」実物大で再現。それらを多数に分割し、ホーチミン市などのあちこちに「屋外広告」として配置した。



↑ 街中に突如現れた「実物大」のプラモデル。思わず目が留まり、じっと眺める人達
↑ 街中に突如現れた「実物大」のプラモデル。思わず目が留まり、じっと眺める人達

各プラモデルにはランナー(パーツを固定する、柱となる部分)にQRコードが描かれたプレートが配されている。スマートフォンなどでそれを読みとると、タミヤの専用サイトにアクセス。該当するプラモデルの全景や、組み立てて着色するとどのような世界が広がるのかの説明を得ることができる。

サイト内に掲載されている写真は、当然通常サイズのプラモデルを組み立てて撮影したもの。しかし目の前に「本物の人間と同じ大きさ、等身大」のプラモデルの部品があることから、本物の人間サイズの情景が画面を通して頭の中にイメージされる。まさにAR的な効果が得られるわけだ。

↑ QRコードを読み込むと専用サイトに。この部品を組み立てると、このような情景ができるという説明と、完成図が
↑ QRコードを読み込むと専用サイトに。この部品を組み立てると、このような情景ができるという説明と、完成図が

この一連のプロモーションの結果、特に「等身大のプラモデル」の効果は絶大で、目にした人の多くが口コミで周囲に知らしめた結果、ベトナムでのタミヤ製プラモデルは非常に好調なセールスを確保。素晴らしい周知効果を確認できたとのことである。

余談として。「等身大のプラモデル」自身も注目と人気を集めたせいか、いくつかが盗難にあったと伝えている。ニール・アームストロング船長(アポロの月面着陸シーンのプラモデルのパーツ)もその一つで、最後に目撃された時は女装をさせられ、マネキンとして店内に飾られていたとのことだ。その後の「船長」の足取りは、ようとして知れない。

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