【更新】スマートフォンのアプリ、無料有料のダウンロード傾向の違いを探る

2011/08/31 12:10

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アプリクロス・マーケティングは2011年8月29日、スマートフォンユーザーの利用性向などに関する調査結果を発表した。それによるとスマートフォンを利用している調査母体においては、無料のアプリケーション(アプリ)をダウンロードしている人はほぼ全員、有料のは約半数に達していたことが分かった。ジャンルでは有料・無料とも「ゲーム」がもっとも人気が高く、無料では次いで「交通・地図」「ニュース・天気」、有料では「写真・動画撮影/加工」「ビジネス」が続く結果となった([発表リリース])。


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今調査は2011年5月20日から22日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1250人。18-49歳の男女を対象に、現在プライベートでスマートフォンを保有・加入している人を対象にしている(会社支給のみの場合、複数台所有者は対象外。ただし従来型携帯電話との併用は回答対象)。また、4年以上の人も対象外。男女比は1対1、年齢階層比は20代・30代・40代が400人ずつ・18-19歳は男性30人・女性20人。

スマートフォンではベースとなる機能の許容性が大きいため、従来型携帯電話以上にアプリケーションによる機能拡張性が期待できる。例えるなら手帳サイズの画用紙に一色のペンしか使えないのと、A3の画用紙に24色のペンを自在に使えるかの違い。創り手(例えなら描き手)の腕前次第だが、スマートフォンを多種多様なことができる便利モバイルツールへと、変身させてくれるのが数々のアプリである。

今調査では無料・有料それぞれのアプリについてジャンル別に、ダウンロードしているか、ダウンロードしているアプリを普段使っているか、そして使っているアプリにどれだけ満足しているかを尋ねている。今回はそのうち、ダウンロードの有無にスポットライトを当てる。

まずはアプリのダウンロード率。全体比では無料アプリは96.2%とほぼ全員、有料アプリは47.4%と大体半分くらいの人か、一つ以上ダウンロードしている。

↑ アプリケーションダウン率(1つでも)
↑ アプリケーションダウン率(1つでも)

無料・有料それぞれで一つでもアプリをダウンロードした経験がある人に、ジャンル別にダウンロードしたことがあるか否かを聞いた結果が次のグラフだが、無料・有料とも最多回答率は「ゲーム」。無料は約3/4、有料でも半数強の人が、アプリをダウンロードしたことがあると答えている。

↑ ジャンル別アプリダウンロード率(複数回答、無料・有料ダウンロード経験者限定)
↑ ジャンル別アプリダウンロード率(複数回答、無料・有料ダウンロード経験者限定)

無料アプリでは「ゲーム」以外は「交通・地図」「ニュース・天気」「コミュニケーション(ツイッターなど向けのアプリ)」のダウンロード率が高い。一方有料アプリでは圧倒的なダウンロード率の「ゲーム」以外では、「写真・動画撮影/加工」「ビジネス」「学習」と、コストがかかっても質の高いサービスが求められやすいジャンルが続いている。無料アプリで上位についていた「交通・地図」はそれなりのダウンロード率だが、「ニュース・天気」「コミュニケーション」は低率を示しており、無料アプリでニーズが充足してしまっていることを思わせる。

また全体を一歩引いて見直すと、無料・有料それぞれ「アプリをダウンロードした人における割合」にもかかわらず、有料アプリの各項目の回答率が低いのが分かる。今調査では無料・有料アプリそれぞれの平均ダウンロード数の値は提示されていないが、有料アプリの一人あたりの平均ダウンロード数は、無料アプリのそれと比べて随分と少ないことが容易に想像できる。

以前【シニアのスマートフォンユーザー、アプリ利用者の過半数は「無料のみ」】で紹介したのは「シニアのスマートフォン保有者の多くは無料アプリだけで楽しむ」というものだったが、その傾向はシニアに限った話ではないのが分かる。有料のアプリは本当に必要な、そして費用対効果が十分であると判断されたものに限り(そして無料のアプリで代替できないもののみ)、しかも慎重に吟味をした上でダウンロードされるのだろう。

なお一つ目と二つ目のグラフを掛け合わせることで、調査母体全体比(=スマートフォン保有者全体比)での、ジャンル毎の無料・有料アプリダウンロード率が概算できる。参考までにこちらも掲載しておこう。

↑ ジャンル別アプリダウンロード率(複数回答、全体比)
↑ ジャンル別アプリダウンロード率(複数回答、全体比)

半数以上の人は有料アプリを一切使っていないことや、有料アプリを利用している人は少数派に過ぎない(ゲームですら1/4程度でしか無い)、無料アプリに「食われて」しまっているジャンルや、無料アプリと共に有料アプリもそれなりにダウンロードされているジャンルがあるのがつかみとれる。逆に創り手側からすれば、無料の場合はいかにアプリ内で収益を発生させるか・アプリ以外の面で採算を計算するか(例えばアプリを宣伝媒体として考える)、有料ならばどのようにすれば利用者に「対価を支払ってでもダウンロードしたい・使いたい」と思わせるかを思案せねばなるまい。


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