お金と難しさ…インターネット利用上の課題と解決糸口をグラフ化してみる(2011年版情報通信白書より)

2011/08/31 05:51

お金とパソコン総務省は2011年8月9日、2011年版の【情報通信白書】を公開した。構成要素の多くは以前【携帯電話とパソコンの所属世帯年収別利用率をグラフ化してみる(2010年分データ反映版)】でも紹介した「通信利用動向調査」の結果を元にしている。一方で他にも色々な資料を元にした注目すべきデータを収録しており、資料性の高い内容となっている。今回はその中から、インターネットを利用する・活用する際の課題と、その課題を解消するために求められている事柄を見て行くことにする(【該当ページ:第2章 浮かび上がる課題への対応(3)ICT利活用上の課題分析】)。

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今件項目は一次的には総務省の「ICT利活用社会における安心・安全等に関する調査」(2011年)を参照にしている。これは日本国内のインターネット利用者を対象としたウェブ調査及び一般国民を対象とした郵送調査を行い、分析対象層別割り付けを行ったもの。直接対象としている項目は「2011年2月下旬実施」「ウェブアンケート調査及び郵送アンケート調査」「低所得者層299人・ひとり親層100人・単身者299人・高齢者200人」、それとは別に全体層として「ウェブアンケート形式で1800人」の条件で実施している。

まずはインターネットを利用・活用する上で、回答者が「ハードルになっている」と考えている点を答えてもらったもの。もっとも同意率が高い項目は「インターネット接続料金が高い」で53.6%。ダントツの回答率。

↑ インターネット利活用の課題
↑ インターネット利活用の課題

「端末価格」は別項目で用意されているので、純粋な月次のインターネット接続料の高さへの不満が大多数に登っていることになる。初期費用を別にすれば、月次5000円を切る価格でブロードバンド環境を入手できる地域も多く、それこそガスや電気料金と同程度のレベル。「インターネットは情報を受け流しするインフラ」と考えれば、インフラへの対価としてはむしろ安い感もある。しかし「情報関連のものは無料」という固定概念が「高い」という判断を下しているのかもしれない。

「接続端末」をわずかに超して第二位にあるのは「新しい技術・製品・サービスについていくのが難しい」。要は接続するまで、接続した後の利用過程で「難しくて分からない」というもの。直前のインフラの事例で考えれば、蛇口をひねるだけで使える水道と違い、インターネットは回線が引かれても端末を準備し、色々と設定を行わないと利用はできない。しかも一度環境を整備してからも、ちょくちょく設定の変更やメンテナンス、アップグレードが必要になる。自動車の運転ですら修練の上での免許取得が必要なのだから、インターネットはそれ以上……と考えるのも一理ある(また、この観点で「アクセスしてからの利用が簡単」「余計な設定が最低限で済む」モバイル端末が普及しやすいのも理解が出来る)。

これを個人の状況が「デジタルデバイドの発生が懸念される」層別でみると、個々の事情が透けて見えてくる。

↑ インターネット利活用の課題(状況別)
↑ インターネット利活用の課題(状況別)

・低所得者層などは
環境整備のコストがネット。
・高齢層は
運用上の難しさが
ハードル。
まず注目すべきは、全体では第二位・第三位にある「難しい」と「端末が高い」。グラフを良く見ると分かるのだが、今件グラフでは「高齢層以外は」すべて順位が逆転している。つまり「デジタルデバイドの発生が懸念される」層では、「高齢層以外は」トップが「接続料金が高い」・次点が「端末が高い」、言い換えれば「経済的問題」がインターネット利活用上の主要問題ということになる。

一方で「高齢層」の場合は全体調査と上位項目の順位は変わらず、むしろ「難しい」の比率が大きく跳ね上がっている。また「世の中がネット中心になっているが、ついていけない」「端末の使い方が分からない」などが他の層と比べて高めで、インターネット周りの事柄全般への難しさを問題視していることが分かる。

ちなみに全体、および「デジタルデバイドの発生が懸念される」層それぞれに、その課題を解消するためにはどのような対策が必要かを聞いたのが次のグラフ。回答者が考えている解消法であり、実際に解消できるか否かとはまた別の問題なことに注意しておく必要がある。

↑ インターネット利活用における課題を解決するために求められていること
↑ インターネット利活用における課題を解決するために求められていること

↑ インターネット利活用における課題を解決するために求められていること(状況別)
↑ インターネット利活用における課題を解決するために求められていること(状況別)

やはり圧倒的に経費周りの改善を求める声が強い。日常茶飯事的に利用するインフラへの負担をできるだけ抑えたいという気持ちは理解できるが、ここまで料金負担意識が低いのは、他のインフラと比べて管理整備新設の動向・維持の労苦があまり伝えられていないからだろうか。

また、「デジタルデバイドの発生が懸念される」層では高齢層において、経費以外に「難しさ」の解消を求める声が、やや高めとなっている。この点はそもそも論として高齢者のインターネット利用へのハードルという点でも注目すべきところなのだが、詳細は別の機会に詳しく解説することにしよう。

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