アメリカの肥満状況をグラフ化してみる

2011/08/28 06:40

肥満以前【米には7割が肥満の州もある】【米研究機関いわく「このままだとあと40年で俺ら全員肥満体だぞ」】などでアメリカ(合衆国)国内における肥満状態について触れたが、先日新たに資料の取得場所を知ることができた。CDC(Centers for Disease Control and Prevention:米疾病予防管理センター)内の常設コーナーとして設けられている【過体重と肥満(Overweight and Obesity)】のコーナーがそれで、特にデータコーナー内の【現在のアメリカでの肥満動向(U.S. Obesity Trends)】では、「肥満大国アメリカ」の現状を推しはかることができる。今回はいくつかデータを生成・加工し、現状をかいまみることにする。

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まず図中で使われる「BMI」について。これは「肥満」度合いを示す基準の一つで「体重÷身長÷身長」で算出され、日本肥満学会ではBMIが22で平均的体格・体重、25以上を太り気味、18以下をやせ気味としている。そしてアメリカでは

・Underweight(低体重)……18.5以下
・Normal weight(標準体重)……18.5-24.9
・Overweight(やや肥満)……25-29.9
・Obesity(肥満)……30.0以上

と区分している。今回は「U.S. Obesity Trends」文中内で指し示しているCDCのデータベースから最新データを抽出し、それをグラフ化した。次の図は、アメリカ各州における成人男女(今件では20歳以上基準)のBMI値について、30を超える人、つまり肥満判定を受けている人の割合を示したものである。例えばAlabama州は33.0%とあるので、大人の約1/3が肥満という計算になる。

↑ アメリカの大人(20歳以上)における肥満判定者比率(BMI 30.0以上、州別)
↑ アメリカの大人(20歳以上)における肥満判定者比率(BMI 30.0以上、州別)

驚くべき事に、最低の州でもコロラド州の21.4%。つまり大人の5人に1人以上は肥満、という計算になる。全米平均は27.6%なので、約4人に1人。最大値を誇るミシシッピ州では34.5%と、3人に1人以上は肥満。「肥満大国アメリカ」という名に恥じないデータではある。

該当データは肥満以外に「やや肥満」=「過体重」、そして「標準」と「やせ気味」を合わせた人達の比率も掲載されている。これらを合わせると各州における「肥満」「過体重」「それ以外(標準、やせ)」の区分を知ることができる。

↑ アメリカの大人(20歳以上)における肥満判定者などの比率区分(州別)
↑ アメリカの大人(20歳以上)における肥満判定者などの比率区分(州別)

州によっては肥満判定者が多いにも関わらず標準・やせ型の割合も多いところもあるが、大体「肥満」のみと、「肥満」+「過体重」の割合が同じような傾向を示しているのが分かる。また、例えばアラバマ州など一部の州では、2/3以上の人が「過体重」か「肥満」で占められていることも確認できる。あまり想像したくはないが、これが現実。

もちろん昔からこのような状況だったわけではなく、生活レベルの向上と共に平均BMI値は上昇。特に今世紀に入ってから肥満判定者の割合は増加する傾向にある。上記の「U.S. Obesity Trends」では1985年以降の各州におけるBMI値30以上、つまり肥満判定を受けた人の割合の推移を示した図が用意されている。これを一つにまとめ、アニメGIFの形で示したのが次の図。

↑ 1985-2010年における、アメリカ各州のBMI値30.0以上の大人の割合
↑ 1985-2010年における、アメリカ各州のBMI値30.0以上の大人の割合

白は未調査、水・赤色共に薄い方が比率が低く、青系統から赤系統になると状況は悪化していく。赤黒色は30%を超えていることを意味するが、2010年ではアメリカ南西部の大半が「肥満判定者3割超え」の州になっているのが分かる。

ここまで肥満者が増えた原因は多種多様に及び、一概に「これのみが原因」と言い切ることは出来ない。食生活の改善と変化、交通機関の整備、社会生活そのものの変移、さらには現在4000万人を超えているSNAP(Supplemental Nutrition Assistance Program:補助栄養援助プログラム、旧フードスタンプ)が一因との考え方もある。

また、全般的に歳を取るほどBMI値は上がる傾向にあるので、平均寿命が延びることにより、肥満率も上昇していくという考え方もある(それにしては急激だが)。しかし【年齢補正を行った上での肥満判定者率地図】を見ても、状況に大きな変化はなく、加齢による積上げはほとんど無関係であるのがわかる。

もちろん一つひとつ単独で、それだけが原因ではなく、複数の要因の積み重なりによる結果ではあろう。しかしこのままではアメリカにおいて「このままだとあと40年で俺ら全員肥満体だぞ」という話が、絵空事でも何でもないことも十分納得できるというものだ。

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