携帯SNSの依存自認者、2/3は「睡眠時間を犠牲にしている」(2011年版情報通信白書より)

2011/08/29 06:45

携帯に夢中総務省は2011年8月9日、2011年版の【情報通信白書】を公開した。その多くは以前【携帯電話とパソコンの所属世帯年収別利用率をグラフ化してみる(2010年分データ反映版)】でも紹介した「通信利用動向調査」の結果を元にしている。一方で他にも色々な資料を元にした注目すべきデータを多数収録しており、非常に資料性の高い内容となっている。今回はその中から、携帯電話によるSNS(今件では狭義のSNSとし、ブログやツイッターなどのミニブログは含まず、mixiやモバゲー、GREEなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスに限定)への依存について見て行くことにする(【該当ページ:第2章 浮かび上がる課題への対応(2)インターネットと依存】)。

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今項目の調査結果については、次のような調査概要が記されている。調査期日は明記されていないが2010年調査で、「大手SNSの携帯サイトからの調査として、ログイン直後の画面の下部にランダムにリンクを表示し、そこからアンケート画面に誘導を実施」とある。有効回答数は5万6272人、男女比は31.5対68.6、年齢階層比は19歳以下15.2%・20代60.0%・30代15.6%・40歳以上6.1%。回答者は全員「携帯SNSの利用者」であることに留意しておかねばならない。

さて該当調査では複数の質問を行い、携帯SNSへの依存傾向を評価している。その評価基準として「ゆるやかな基準」と「きびしめの基準」の2種による結果を併記したのが次のグラフ(具体的にどのような「ゆるやかさ」を持つのかまでは明記されていないが、同一基準内ではすべて同じ基準で振り分けがなされている)。

↑ 携帯電話SNS利用者の依存状況
↑ 携帯電話SNS利用者の依存状況

「きびしめの基準」では全体の3.8%、「ゆるやかな基準」では11.0%の人が「携帯SNS依存傾向がある」と判断されたことになる。注目すべきは男女の差で、どちらの基準を用いても女性は男性の約5割増しの値を示している。元々女性は携帯電話やそのサービスへの熱中度が男性より大きいことは、他の多種多様な調査からも明らかにされている。今件はそれを裏付ける一つの結果といえる。

さてそれでは「携帯SNS依存」判定を受けた人は、具体的にどのような変化が見られた(あるいは自覚している)のだろうか。次のグラフは「ゆるやか基準で依存判定を受けた」「依存判定を受けていない」それぞれ区分した上で集計した、携帯SNSを利用していることによる影響の有無について答えてもらったもの(回答後に依存判定をしているので、回答者自身が「依存判定」の自認をしているわけではないことに注意)。「依存判定」の人の方が、いずれの項目でも高い回答率を示している。

↑ 携帯電話SNS利用による影響(自主判断回答)
↑ 携帯電話SNS利用による影響(自主判断回答)

注目すべきなのは「視力低下」「情緒不安定」「健康悪化」などのネガティブな影響だけでなく、「毎日が楽しくなった」「人にやさしくなれるようになった」というポジティブな点でも、「依存判定」者の方が高い回答値を示していること。

惜しむらくはポジティブ面よりネガティブ面の方が、「依存判定」と非「依存判定」の差が大きい、つまり「効用」よりも「弊害」の方が割合が大きいという点。「効用も弊害もある」では無く、「効用もあるが弊害の方が大きい」という表現の方が適切なようだ(もっとも、数字そのものの絶対値はポジティブ面の2項目の方が圧倒的に大きいため、効用と弊害の差異はさほどない、とする解釈もできる)。

それを再認識できるのが次のグラフ。携帯SNSの利用によって、自分自身が犠牲にしてしまっているものについて、該当するものを答えてもらった結果。

↑ 携帯電話SNS利用による犠牲
↑ 携帯電話SNS利用による犠牲

「あてはまるものは無い」以外はすべてネガティブな回答になるが、そのネガティブ項目すべてで「依存判定」者の方が高い値を示している。特に「依存判定」者のおよそ2/3は「自分は睡眠時間を犠牲にしている」と認識しているのが目に留まる。

他に高い項目を見ると「勉強」「趣味の時間」「家族と話す時間」「通勤する時間」などが上位に来る。さすがに「通勤する時間」は通勤そのものではなく、通勤時間の際に出来る他の行為(例えば新聞購読や勉強など)の代替と言う意味だが、それ以外は「削ったら色々な弊害が生じる」のは容易に想像ができるにも関わらず、つい熱中してしまうと答えている。

さらに「あてはまるものは無い」を見直すと、非「依存判定」者は6割近くが「携帯SNSで犠牲にしているものなど無い」と回答出来ているのに、「依存判定」者はわずか2割足らずでしか無い。「依存判定」を受けるほど熱中している人は、多かれ少なかれ自分の身を削ってまで、没頭しているのが分かる。

ソーシャルメディアの浸透という点で日本をはるかに先行しているアメリカでは、【米社会の子供達のネットとの付き合い方を箇条書きにしてみる】にもある通り、特に若年層におけるネットコミュニティ内でのいざこざが問題視されている。熱中度が過ぎて周囲を見渡す余力が無くなるほど、そのリスクも高くなる。大人自身だけでなく、自分の身の回りに居る子供にも、十分注意を払ってほしいものだ。


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