【更新】7月の熱中症での病院搬送者、去年の1.01倍・1万7963人に

2011/08/17 06:23

総務省消防庁は2011年8月10日、同年7月における熱中症による全国の救急搬送の状況(確定値)を発表した。それによると同年7月における熱中症による救急搬送者は17963人となり、昨年2011年の7月での数字17750人と比べて1.01倍に増加したことが分かった。特に高齢者(65歳以上)の搬入者数が多く、全体比で5割に近い値となっている([発表リリース、PDF])。

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今年の7月は上旬から中旬にかけて太平洋高気圧の強まりから猛暑となり、特に中旬の東日本の平均気温は、7月中旬としては1961年以降最も高い値を更新した。加えて今年は電力事情から、世間で叫ばれる「節電」に気兼ねし、必要以上に冷房装置を自粛するという健康上のリスクも十分に想定され、これもあわせて熱中症の増加が懸念されていた。

今回の発表によれば、2011年7月の全国における熱中症による救急搬送人員(要は救急車で医療機関に搬送された人)は17963人となり、昨年2010年の7月における17750人の1.01倍という値になった。

↑ 熱中症搬送人員(2010-2011年、各7月、人)
↑ 熱中症搬送人員(2010-2011年、各7月、人)

↑ 熱中症搬送人員(2010-2011年、各7月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員(2010-2011年、各7月、人数比)

成人以降では人数は減少しているが、その分新生児-少年の若年層が増加している。特に少年区分では全体比で3ポイントも増えているのが気になる。ただしこの「若年層の増加」が搬送時の初診傷病程度の変化にも現れているようで、中等症に該当する人が去年比で減少する一方、軽症に該当する人のみが増加しているのが確認できる。

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2011年、各7月、人)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2011年、各7月、人)

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2011年、各7月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2011年、各7月、人数比)

軽 症:入院を必要としないもの
中等症:重症または軽症以外のもの
重 症:3週間の入院加療を必要とするもの以上
死 亡:医師の初診時に死亡が確認されたもの

「中等症」とは上記説明から「3週間未満の入院を必要とするもの」となる。それだけ搬送時に状態が悪化していたことを考えると、本人が無理をしていたか、あるいは発見が遅れたことが想定できる。

リリースでは今回の状況を受け、「熱中症を予防するには、暑さを避け、こまめに水分を補給し、急に暑くなる日には注意することなどが必要」「高齢者は温度に対する皮膚の感受性が低下し、暑さを自覚できにくくなるので、屋内においても熱中症になることがあるので注意が必要」と呼びかけている。昨年と比べれば中等症以上の患者数・比率が減ったのは幸いだが、6月と比べれば大幅に増加したことに違いは無く、また昨年が記録的な猛暑であったことを考えると、決して安穏とできる状況では無いことが分かる。

自分自身はもちろんのこと、身の回りに該当しそうな人がいた場合、積極的に声をかけるなどして、事象の発生を極力防ぐ努力をして欲しいものである。【東京都荒川区が実は先進的な節電方法「クーリングスポット」を実行していた件について】で紹介したような、公的機関における「クーリングスポット」へ誘うのも一つの手といえよう。


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