【更新】ギリシャの状況やや改善、アルゼンチンが急速悪化(国債デフォルト確率動向:2011年8月)

2011/08/15 12:10

2010年の12月17日分のデータを基に国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化し、その状況を精査した記事で説明したように、債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2011年8月分として、15日時点での数字をグラフ化してみることにした。

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国公債のデフォルト確率を意味するCPD(5年以内のデフォルト可能性)自身の細かい定義、データの取得場所、さらに各種概念は一連の記事まとめページ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説している。

今件のグラフは日本時間で2011年8月15日、つまり(日本時間で)本日取得したばかりの一番新しいデータで生成している。今回も前回から大きな変動が確認できた。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。

↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)
↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2011年8月15日時点)

いわゆる「ジャスミン革命」「Facebook革命」と呼ばれた中東近辺の連鎖反応的動乱は、一部先日の「ロンドン暴動」「イスラエルの大型デモ」などへも飛び火したが、結局のところ(背景や表現の仕方に違いはあれど)「モバイル端末」と「相互情報の容易なコミュニティ」というツールで形成された、主に若年層による「エネルギーの発散」という形でまとまりつつある。多くの国では経済的に混乱を積み増しただけの感は否めない。

先月7月中旬の時点ではギリシャの債務危機問題が大きくクローズアップされ、それに連動する形でポルトガル、アイルランドの値も急上昇を見せていた。今月現時点では問題の根本的な解決にはまだほど遠く、小康状態という表現がぴったりくるものの、先月と比べればひっ迫感にはやや欠けるところがあり、青印で示した諸国の値は一様に大きく下げている(。とはいえ、高い水準には違いない)。

一方で欧米通貨、特にヨーロッパ方面のユーロをはじめとした各通貨への信頼性への揺らぎは続いており、これか先日からの円高の一因にもなっている。さらにリスク資産からの逃避も加速している関係から、この影響を受ける形で新興国の経済も悪化を見せ、各国株価も急落。今データでもベネズエラやアルゼンチンなど、新興国の値(赤矢印で示したもの)の上昇=リスク増大が確認できる。

なお日本の国債に対する値は4半期ごとに更新されるCMD Visionのリスクレポートの最新版[2011年第1四半期リスクレポート(PDF)]で確認できる。それによると、CPD値は8.7%・格付けはaaで順位は29位。2010年第4四半期の値がCPD値は6.4%・格付けはaa+で順位は18位だから、かなり悪化したことになる。これは震災による被害やその復興のための財務的負担が、大きなものになることを示唆する動きともいえる。

今月データでは先月と比べればギリシャと直接連動する欧州諸国の値がやや下がったものの、一連の不安定感が周辺諸国、特に新興国に飛び火した感が否めない結果となっている。さらにいえば低下を見せたギリシャですら、現行値は76.93%。昨年末からすでに20ポイント以上CPDを上げている。この値は「今後5年間にデフォルトしてしまう可能性が8割近い」という状況であり、すでに投機レベルすら超えている感はある(5年間のうちに8割近くの確率で通帳が紙くずになるかもしれない金融機関に、貯蓄を積極的に行おうとする人はどれだけいるだろうか)。

今後の動きについては、欧州の経済情勢はもちろんだが、為替レートの変動に留意しながら、新興国の経済・株価動向にも気を付けていく必要があるだろう。


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