【更新】オフィスで次々起きる惨劇、でも幸運なのです

2011/08/18 06:49

うとうと慎重に、注意深く、用心して日々を過ごしていても、人は時として奇跡のような冗談まがいのトラブルの連鎖に巻き込まれることがある。ふとしたはずみで机の脇においていたコーヒーカップを落としてしまったら、その直下にたまたま置いてあった携帯電話のボタンを押してしまい、真夜中にあらぬ人へ電話をかけてしまったとか、料理をしていて人参の切れはしが飛んでそれを拾おうとしたら、姿勢を元に戻す際に開けっぱなしだった食器棚のドアに後頭部を打ちつけるといった具合である(それはまるで、アメリカンコメディーのごとし)。今回紹介するのも、その「奇跡のような冗談まがいのトラブル」の、芸術的なまでの連鎖ぶりを示したもの。しかしそれでもなお、当事者は幸せなのだという。何故なのだろうか(【トリガー:ライトニング・ストレージ】)。

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↑ office。
↑ office。

舞台はごく普通のオフィス。薄いあごひげの男性が、眠そうにしながらマグカップのコーヒーを口に含み、それでもまだ眠気を抑えられずにうとうととしてしまう。

↑ 「眠いけど……これを終わらせねば」という心境が伝わってくる
↑ 「眠いけど……これを終わらせねば」という心境が伝わってくる

うとうとと続けているうちに、心理描写なのか雑音が段々と大きくなり、そして男性の手からマグカップがつい離れ、キーボード上に落下。

↑ キーボード上に落下するコーヒー入りマグカップ。正直、ここまでなら経験した人も少なくないはず
↑ キーボード上に落下するコーヒー入りマグカップ。正直、ここまでなら経験した人も少なくないはず

ところが悲劇はそこで終わらない。こぼれたコーヒーの熱さに、つい我に返ると共に驚いた男性。びっくりして後ろにのけぞったところ、勢い余って後ろのロッカーに激突。ロッカーは倒れ、上に置いてあった荷物が落下し、頭上に直撃する。

↑ のけぞる男性。勢いでロッカーは倒れ、頭上に荷物が
↑ のけぞる男性。勢いでロッカーは倒れ、頭上に荷物が

悲劇はさらに続く。倒れたロッカーはその振動で周囲のパーテーションも倒壊させ、ウォーターサーバーをひっくり返し床を水浸しに。たまたま通った女子社員がその床に気がつかず、漫画のような見事な転倒を見せてくれる。

↑ 倒れたウォーターサーバーからこぼれ落ちた水で濡れた床に、見事なまでに勢いをつけて転倒する女子社員
↑ 倒れたウォーターサーバーからこぼれ落ちた水で濡れた床に、見事なまでに勢いをつけて転倒する女子社員

「うわ、これはまずいナ」と女子社員の転倒を横目にしながら、まずは立ち上がらねば机に手をかけたところ、今度はその机がモノの弾みで倒壊し、さらには落ちたモニタが火を吹く始末。


↑ 何気なく手をかけた机が倒壊し当事者の男性は驚くが、悲劇は続く。さらにモニタが火と煙を吹き出してしまう
↑ 何気なく手をかけた机が倒壊し当事者の男性は驚くが、悲劇は続く。さらにモニタが火と煙を吹き出してしまう

男性のちょっとした居眠りがきっけで、一瞬のうちに大変な状態になったオフィス。しかし字幕には「幸運にも、彼はオフィスで居眠りしてしまったのです」とのメッセージ。

↑ 「幸運にも、彼はオフィスで居眠りしてしまったのです」
↑ 「幸運にも、彼はオフィスで居眠りしてしまったのです」

「何で? ここまでエラいことになったら、叱られるどころでは済まないのでは」という疑問が沸き上がる直後に、さらなるメッセージが。いわく「自動車運転中の疲れ(で居眠りしたら)命が危ないですよ」。

↑ 「自動車運転中の疲れ(で居眠りしたら)命が危ないですよ」
↑ 「自動車運転中の疲れ(で居眠りしたら)命が危ないですよ」

そこではじめて視聴者は、このCMがポルトガルの民間非営利団体[APS - the Portuguese Sleep Association]が提供した「居眠り運転の防止キャンペーン」のものであることが分かる。同団体は睡眠障害の研究をはじめとする、さまざまな睡眠に関する研究や啓蒙、情報の公知を行う団体だが、当然居眠り運転も研究テーマに入っている。そしてそのリスクの大きさを一人でも多くの人に知ってもらうため、今回のCMを提供した次第。

事務所での居眠りなら、せいぜい後頭部の痛みや書類の散乱で済む。しかし運転中の疲労による居眠りは自分自身、さらには周囲の死をも招きますよと比喩的・比較表現で示しているわけだ。放送時間中ほとんどの時間を割き、連鎖反応を示すオフィスの惨劇という滅多にあり得ないトラブルで、視聴者の注意をひきつける。そして「これでもラッキー」と観る者を驚かせ、最後に「ドライブ中の居眠りだったら、こんなものでは済まないヨ」と気づきを与えてくれる。

直接表現したい事象(居眠り運転によるリスクの高さ)を一切表には出さず、あくまでも比較対象として呈しているだけにも関わらず、その恐ろしさが身にしみる。よく聴き直してみると、男性がコーヒーを口に含んだ後、ロッカーに後頭部を打ちつけるあたりまでは、(上では「雑音」と表していたが)事務所内の音では無く、自動車運転中、そして衝突時の音を模しているのが分かるはずだ。

最後まで視聴しないと訴えたいことが出てこないので、その点では「分かりにくい」かもしれない。しかし次々に展開されるアクションに、注意関心を引き付ける内容には違いなく、最後に切り返される「どんでん返し」に、思わず「はっ」とさせられる人も少なくないはずだ。


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