ページ最適化でPVは減るも会員数は増加、震災の影響は?…mixi動向(2011年6月)

2011/08/07 07:55

【ミクシィ(2121)】は2011年8月4日、2011年度第1四半期(2011年4月-6月)における決算短信を発表すると共に通期決算説明会を開催、資料の公開を行った。その資料などから、同社が運営するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)【mixi】の会員数などの動向が明らかになった。今回はそれらの資料からグラフを再構築・構成し、「出来る範囲で」「継続データについて」mixiの現状を眺め見ることにする(【発表リリース一覧ページ】)。

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会員数は増加、ページビュー数は減退。ページ最適化が原因?
資料によれば2011年7月時点(一部6月末)でのmixiの主要データは次の通り。提示された資料は2011年度第1四半期(2011年4月-6月)のもので、基本的に2011年6月末のデータが提示されている。

・月間ログインユーザー数(月1以上でログインしたユーザー数)
 ……1527万人(同年7月時点で1535万人)
・ユーザー数
 ……2471万人(7月時点の値を適用)
・月間ページビュー数
 モバイル……217.8億
 パソコン……37.2億
   Touch(スマートフォン)……14.0億
  計……269.0億

月間滞在時間のデータが非公開となったのは前回からで、今回もその状態は継続している。ページビューの大きな減少傾向、月間ログインユーザー数の停滞についてリリースでは、間接的に東日本大地震による影響、そして直接的には「1ページの情報量が多いスマートフォンへのユーザー移行が増えた」「スマートフォンでは一部アプリの利用において、ページビューに反映されない」「ユーザー利便性を優先したインターフェイスの変更で、ページビューが減退している」、さらには「ページビューに依存しないビジネスモデルへの転換を図る」と説明。同時に「各種コミュニケーション機能の新規実装を経て、総投稿数は増加しており、利用者の積極利用度は増加している」と解説している。

同時に発表されているスマートフォン向けに最適化されたmixiこと「mixi Touch」のログインユーザー数増加は、それを裏付けるひとつのデータといえる。

↑ mixi Touchログインユーザー数(万人)(mixi Touchは2010年5月末より開始。それ以前のデータはスマートフォンでPC版へアクセスした人のデータ)
↑ mixi Touchログインユーザー数(万人)(mixi Touchは2010年5月末より開始。それ以前のデータはスマートフォンでPC版へアクセスした人のデータ)(2011年1月から測定ツール変更)

留意すべきは上位二つの項目。ユーザー数が2471万人なのに対し月間ログインユーザー数が1535万人、つまり差し引き936万人(37.9%)が2011年7月において「ユーザー登録をしているにも関わらず、一か月の間一度もログインしなかった」ということになる。三か月ほど前のデータ(800万人・34.2%)と比べて割合も人数も増加しており、非常に気になるところだ。

「システムの整理統合改変やインターフェイスの改善でページビューが減る」「1画面当たりの情報量が少ない一般携帯電話から、情報量の多いスマートフォンへ利用者が移行することで、総表示ページ数が減退する」という指摘は前回推論として提起したが、今回はリリース内にそのことが明記されている(直上にある通り)。また、以前【国内主要ソーシャルメディアのアクセス機器傾向をグラフ化してみる】でも外部調査の結果として「携帯電話・スマートフォン向けの画面構造上、同じようなアクセス・巡回でも、パソコンより携帯の方がページビュー数が増えてしまう」という話をしているが、携帯電話よりはパソコンに特性が近いスマートフォンに、携帯電話からの移行者が増えることによる、表示ページ数減退が相互的に裏付けられた形となる。

他方、前回同様に具体的数字は提示されず資料ではグラフのみの掲載のため、今回も記事での反映を略するが、各種コミュニケーション機能(ボイス投稿、チェック投稿など)の総投稿数・利用率は増加しており、利用者のアクティブ度は増しているように見える(1か月あたりの総投稿数が8億件を超した、との表記あり)。ただしこのカウントには、日記や写真の他に、各種単発機能、具体的には「mixiのコミュニケーション機能(ボイス、日記、フォト、カレンダー、チェック、チェックイン、イイネ!)の投稿数及び各機能のフィードバック(コメント、イイネ!)数の総計」なため、単純にページビューの増減と比較しての「活動活性度」を推し量るには、やや難があることも付け加えておく。

さて以前の記事と同様に、直近のmixiにおけるパソコン(PC)・モバイル経由の月間PV(ページビュー)、及び会員数の推移をグラフ化したのが次の図。今回の資料でも月次ベースの会員数推移が非公開となっている(6月末時点のは上記の通り)。また、ユーザー総数は7月時点のものとあるので、グラフ生成上、あえて6月末時点の値として2471万人を入力しておく。

↑ mixiのユーザー数、ページビュー数(パソコン経由とモバイル経由)推移
↑ mixiのユーザー数、ページビュー数(パソコン+Touch経由とモバイル経由)推移

ともあれグラフからは、2009年秋のmixiアプリ導入をトリガーとし、大きく飛躍した様子が確認できる。また、前回の記事更新分以降(2011年に入ってから)は概して(上記での説明にあるように「仕様改善」「スマートフォンへの移行」など)ページビュー数が横ばいから、微量ながらも減退する方向に見て取れる。

mixiがモバイル(スマートフォン含む)SNSであることに変わりなし
次のグラフはPVにおけるPC(+Touch)・モバイルの比率だが、アプリを先行導入したことで2009年9月-10月はパソコンがやや押し返したものの、モバイル版導入後の2009年11月以降は逆に押し戻され、むしろモバイルの数値増加が加速しているのが見て取れる。

直近3か月においては、前述した話の繰り返しになるが、携帯電話からスマートフォンへの移行組の増加の影響もあり、モバイル率が減少する動きを見せている(6月はやや戻したが)。しかしパソコン(+スマートフォン)のページビュー数はページビュー全体の五分の一程度でしか無い事実は覆しようも無い。さらに赤系統色のグラフの内部も、実のところスマートフォンによるものが少なからずあることを考えれば(例えば2011年6月のPC+Touchにおける51.2万ページビューのうち、Touchは14万ページビューに及ぶ)、mixiがモバイルSNSという状況に変化は無いのが分かる。

↑ PVから見たmixiのモバイル・PC率推移
↑ PVから見たmixiのモバイル・PC率推移

試しにこの部分を「パソコン」「mixi Touch」で分割した上で、直近データをグラフ化すると次の通りとなる。

↑ 2011年6月時点での、モバイル・パソコン・mixi TouchのPV比率
↑ 2011年6月時点での、モバイル・パソコン・mixi TouchのPV比率

パソコン用画面をスマートフォンで見る人は多分に想定できるが、mixi Touchをパソコンで使うのは意味がないことを考慮すると、モバイル率は約9割に達していると見てよいだろう。

世代構成分布の再精査
「決算説明会資料には他にも多数の興味深いデータが掲載されている。そのうちmixi会員の年齢階層比率をグラフ化し、その傾向を眺めてみる」……というのが定例のパターンなのだが、なぜか今回から関連データは「登録者ベース」から「月間ログインユーザーベース」に変更となり、かつ「全ユーザー」のみの公開で「モバイルユーザー」に限定した数字は非公開となってしまった。区分は同じでも計測基準が異なるため、厳密な意味での連続性は今回断たれてしまったことになる(一応「より厳密かつ有効な値を提示するため」という大義名分は立つが……)。

前回までとの違いにおいては、あくまでも「参考値レベル」としてしか検証できない、かつ「モバイルユーザー」のグラフは更新できなくなったが、これまでの記事同様にグラフを生成する。

↑ mixi会員の年齢階層別比率
↑ mixi会員の年齢階層別比率

2011年6月末時点でも最多階層が20-24歳であることに違いはない。

これを前回・前々回、つまり3か月前・6か月前のデータと比較すると、別の動きが見えてくる(最新データが「月間ログインユーザーベース」であることに注意)。

↑ mixi会員の年齢階層別比率(全ユーザー)
↑ mixi会員の年齢階層別比率(全ユーザー)

今回のグラフからは、

・10代の増加
・(20代前半の増加(カウント基準変更による可能性が高く、今回は保留レベル))
・20代後半から30代前半の減少
・30代後半以降も減少(カウント基準変更による可能性が高く、今回は保留レベル)

の傾向が確認できる。要は基準が変わったことで、期毎の差異による傾向はほとんど精査出来なくなった次第。もっとも前基準からの傾向が続いている部分は増減幅の違いはあれど、流れが継続しているものと思われる。

次回(3か月後)の発表で、同じ基準による数字の変移を見た上で、「利用継続者がそのまま歳を取ることによる所属年齢階層のスライド化」「ソーシャルメディアが社会全体に認知・利用されたことによる、中堅層の新規利用者」を起因とする中堅層の増加、そして携帯電話・スマートフォンを初めて所有するようになった若年層が、mixiへの入会を「モバイル端末を持つ時の常識」として認識しているのか否かの確認を、あらためて行いたいところだ。



今回発表のデータでは、東日本大地震というイレギュラーな事象の影響、アクセススタイルの変化の流れによる対応もあるが、前回・前々回あたりでも感じられた、「具体的数字の提示」「継続性のあるデータの開示」を少しずつ減らし、特に広告面での新規機能の導入と成果に関するアピールを全面に押し出している流れが、加速している雰囲気がある。

百歩譲って世代別比率などのデータを「全ユーザー」から「月間ログインユーザー」ベースに差し替えたのは「有意性」を考慮すれば納得はいくものの、モバイル系のデータを非開示としたのは、やや首を傾げざるを得ない(世代データにおいては「mixi Touch」上のデータを掲載すれば良いまでの話)。

歩み昨今のmixiでは他のソーシャルメディア上に搭載されているものに類した「コミュニケーション機能」を続々と導入し、「総コミュニケーション投稿数は増加」とその成功をうたっているところから、他のソーシャルメディアの利用者でも安心して(差異に戸惑わずに)利用できる、汎用的なソーシャルメディアの立ち位置を狙っているかのようにも見える。

果たして今後mixiはどこを向き、歩みを進めるのか。古参利用者の一人でもある当方(不破)自身としても、非常に気になるところではある。

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