3調査すべてで9割を突破…携帯電話の普及率推移(2011年版)

2011/08/06 12:00

先に【パソコン・携帯・スマートフォンでのツイッターの利用傾向をグラフ化してみる】で主要機器毎のツイッター利用率を確認する過程で、携帯電話の普及率をチェックしておく必要が生じた。ツイッターはインターネット上のサービスなのだから厳密には「携帯電話でのインターネット利用率」のデータがあれば良く、それは【携帯電話でのインターネット利用率をグラフ化してみる(2010年分反映版)】で確かめることが出来た。一方その際に、携帯電話そのものの普及率を示す記事も見つけたが、これは去年のままデータ更新が行われていなかった。現状ではほぼ「携帯電話」=「インターネット利用が出来る携帯電話」ではあるが、せっかくの機会でもあるし、データを更新しておくことにした。

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まずは、毎月契約数のチェックを確認している電気通信事業者協会(TCA)の契約数推移。これを日本の総人口で割れば、単純な「契約数上の」普及率は算出できる。日本の人口は【総務省統計局内の「人口推計」】から該当する年月のものを取得し、計算したのが次の図。

↑ 携帯電話・自動車電話契約数と契約数を元にした普及率(毎年年末現在、2011年は6月末)
↑ 携帯電話・自動車電話契約数と契約数を元にした普及率(毎年年末現在、2011年は6月末)

年次ベース(2011年は6月のもの)でグラフ化したが、今世紀に入ってからやや伸び率が低下しているものの、右肩上がりであることが分かる。ただしこれは自動車電話も含み、さらに「契約数」であり、「保有・利用数」ではないこと(一人、あるいは1グループで複数保有している場合など)も考えると、普及率としてはあまり正確とはいえない。また、2011年に至っては上昇カーブが再び角度を高めているが、これはひとえにスマートフォンの浸透によるもの(通常の携帯電話と併用する人も少なくないため、契約数は単純利用人口以上になる)。

そこで政府関連機関のデータをあたってみることにした。まずは【内閣府の消費動向調査】。2002年以降の年次(3月末)データではあるが、携帯電話の普及率が掲載されている(「主要耐久消費財等の長期時系列表(EXCEL形式で掲載)」)。こちらは2人以上の世帯(一般世帯)限定の値。計測開始年度がやや新しいのが残念だが、グラフ化。

↑ 携帯電話普及率(内閣府調査・2人以上の世帯)
↑ 携帯電話普及率(内閣府調査・2人以上の世帯)

縦軸の最下方が0.0%ではなく70.0%であることに注意してほしい。その上でよく見直すと、2004年から2005年にかけて3ポイントほどの減少が見られる。これの原因は不明。可能性としては内閣府の消費動向調査では項目名が単純に「携帯電話」となっており、PHSの項目そのものが見当たらないことから、統計の上でPHSが含まれている可能性がある(この減少時期は、PHSの主力メーカーであるアステルの支部が次々にサービスを停止した時期と一致するからだ)。最新のデータでは92.9%。昨年からは0.5ポイントの増加。9割を超え、間もなく「20世帯中19世帯までが携帯電話保有者のいる世帯」の時代となる計算。

なお「内閣府の消費動向調査」では同時に「保有数量」についても触れているが、こちらも漸増状態にあり、直近の2011年3月末では「1世帯あたり2.271台」という計算になる。1世帯の平均人数2.59人(国民生活基礎調査最新データより)とあわせると、老若男女合わせて114人に100人の割合で携帯電話を保有している計算になる(二人以上世帯限定であることや、実際には1人2台以上の持ち合わせが多い事もあるので、あくまでも概念的な話)。

携帯電話の普及率が急速に高まっているのは理解できる。しかしもう少し前、NTTドコモによる携帯電話市場の独占状態が崩れた1980年後半あたりからのデータが欲しい。ということで総務省の「電気通信サービスの加入契約数等の状況」(最新は【電気通信サービスの加入契約数等の状況(平成23年3月末)】)からデータを拾い集めてグラフ化したのが次の図。こちらは単身者を含み、携帯電話「のみ(PHS含まず)」のものである。

↑ 携帯電話普及率(総務省調査・単身者含む)
↑ 携帯電話普及率(総務省調査・単身者含む)

1995年まではほぼ横ばいだった普及率も、それ以降は急速な上昇カーブを見せ、10年後の2005年には約20倍の68.1%にまで拡大しているのがわかる。特に1999年前後以降の伸びが著しいが、この時期には「インターネット接続サービスの開始」「カメラ付携帯電話の登場」など、現在に至るまで携帯電話を支えている主要な機能が相次いで導入されており、これらが大きな成長の支えとなったことは間違いない。そして最新データでは93.3%。前年比で5.5ポイントの上昇を見せている。



以前【テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)……テレビ・パソコン・ファックスなど(2011年分データ反映版)】でも触れたように、テレビの普及率はほぼ100%。それと比べればまだ数字的に劣るものの、携帯電話の普及率9割超は、事実上「ほぼ全員」と見なしても良い値。利用する際の技術的なハードルはテレビと比べれば高いが、普及率を見る限りでは「携帯電話が調査母体だから特殊な事例」「携帯電話保有者を対象にしているから、この結果は特異な事例であり一般には当てはまらない」という考え方は、終わりにしても良いと思われる。

それとも「該当しない1割足らず」がそれほど重要なデータを持っているのだろうか。もっともシニア層の保有率がまだ低めなので、その層を中心とした調査の場合は考慮する必要があるが……。

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