ソフト・ハード共に昨年以上の不振…2010年の家庭用ゲーム総出荷額は1兆7975億円

2011/07/21 12:10

社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は2011年7月19日、「2011CESAゲーム白書」の発刊を公知すると共に、2010年における国内外の家庭用ゲーム市場の概要を発表した。それによると2010年の日本国内ゲームメーカーによる家庭用ゲーム総出荷金額は1兆7975億円であることが分かった。今回は発表された数字を基に、家庭用ゲーム総出荷額の動向グラフの更新作業を行うことにする(【発表リリース】)。

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同白書内では各種データが公開されているが、リリース上では国内外出荷額やソフト・ハード別の出荷額数など一部のみが明らかにされている。そこでリリース一覧からさかのぼれる過去データをもとに、直近7年間、具体的には2004年-2010年の「ソフト・ハード別」「国内外別」家庭用ゲーム総出荷額をグラフ化する。

まずはソフト・ハード別出荷額。全体に占める比率も算出し、合わせてグラフ化を行う(※以後、リリース上からの数字を基に再計算をしているので、末尾1ケタの値がリリースと異なる場合があります)。

↑ 2004-2010年における家庭用ゲーム総出荷額(ソフト・ハード別、国内外合計)
↑ 2004-2010年における家庭用ゲーム総出荷額(ソフト・ハード別、国内外合計)

↑ 2004-2010年における家庭用ゲーム総出荷額比率(ソフト・ハード別、国内外合計)
↑ 2004-2010年における家庭用ゲーム総出荷額比率(ソフト・ハード別、国内外合計)

以前の記事でも触れたが、2007年は2006年の年末にWiiやプレイステーション3などの最新世代機種が次々と発売され、それらのハードの売れ行きが堅調に推移したこともあり、ハードが大きく売れ行きを伸ばすことになった。その反動から、2008年は2007年と比べるとハードの売上が落ちている。しかしハードの減退ぶりをソフトの売れ行きでカバーした形だ。

2009年はハードの売上の下落ぶりが加速し、ソフトもハードも売れずに総額は大いに落ち込んでしまった。2010年はその状況が継続しており、額全体は減退、ハード比率は落ち、現行世代機の円熟期という感はある(比率的にはちょうど2005年あたりか)。

続いて国内外別。こちらも全体に占める比率も算出し、合わせてグラフ化を行う。

↑ 2004-2010年における家庭用ゲーム総出荷額(国内外別、ソフト・ハード合計)
↑ 2004-2010年における家庭用ゲーム総出荷額(国内外別、ソフト・ハード合計)

↑ 2004-2010年における家庭用ゲーム総出荷額比率(国内外別、ソフト・ハード合計)
↑ 2004-2010年における家庭用ゲーム総出荷額比率(国内外別、ソフト・ハード合計)

日本国内は直近では2007年を天井に、景気後退に合わせるような形で減少を見せ、2010年では4258億円にまで落ち込んでいる。ただし2009年から2010年における減少ぶりは海外でも同様で、むしろこの二、三年は金額比率において、日本国内率が戻しを見せているように見える。もちろん現実問題として、日本市場以上、海外市場の大幅な縮小があることを忘れてはならない。



今回グラフ化した金額は出荷額だが、元資料には「ソフトウェアおよびハードウェアの国内総出荷規模から推計した、国内における総市場規模は5321億円でした。内、ソフトウェアの国内市場規模は3442億円、ハードウェアの国内市場規模は1879億円となりました」という表記がある。これは小売販売時の額を意味し、それぞれの出荷額が4258億円・2591億円・1667億円であることから、そこから逆算するとゲーム業界における平均小売マージンは「全体で20.0%」「ソフトは24.7%」「ハードは11.3%」という値が出てくる。色々な意味で興味深い値といえる。また、去年の算出値と比べるといずれも数ポイントの減少が確認でき。小売店の利ザヤが減少している可能性を示唆する動きと推測される。

ゲームなお前回の記事で考察した「据え置き型ゲーム機は周辺機器の展開こそあれども新型機は皆無、携帯ゲーム機も細かいバージョンアップこそあれど新型機は2011年に入ってからの発売であること、さらには対象ユーザー的に近しい部分が多い携帯電話におけるスマートフォンの広域展開もあり、景気の微弱な回復傾向を足し引きしても、よくて横ばい、恐らくは漸減傾向にあることが予想される」という話は、ほぼ的中した形となった。

携帯ゲーム機も含めた家庭用ゲーム機にネットワーク機能がほぼ必須となった昨今の動向から、「将来は据え置き型ゲーム機の立ち位置が曖昧となり、ゲームだけでなく色々なことができる万能の家庭内情報端末として位置づけられるかもしれない」という仮説は以前したものの、その動き以上に携帯情報端末、特にスマートフォンの動きが力強いものとなっているのが現状。エンターテインメントの分野でも、ソーシャルゲームの勢いが増していることも合わせて考えると、この数年の「家庭用ゲーム」の出荷額のかなりの部分が、モバイル系エンタメアプリ(ソーシャルゲーム中心)に「食われて」しまった(金額・プレー時間共に)ことは間違いない。

本来「家庭用ゲーム(機)」はさまざまな面で利用ハードルが低いことが、長所だったはず。その長所が「ネットワーク」という要素が加わることで、逆に「家庭用ゲーム機よりもスマートフォンの方が気軽に導入できる」という現状が大勢を占めている。供給側は既存の家庭用ゲーム機に対する考え方・戦略を、根本的に改め直さねばいけない時期に来ていると考えても良いだろう。

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