【更新】ギリシャCPD80%突破、ポルトガルやアイルランドも大幅上昇(国債デフォルト確率動向:2011年7月)

2011/07/15 12:10

2010年12月17日付で掲載した、国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化し精査を行った記事で説明したように、債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2011年7月分として、15日時点での数字をグラフ化してみることにした。

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国公債のデフォルト確率を意味するCPD(5年以内のデフォルト可能性)自身の細かい定義、データの取得場所、さらに各種概念は一連の記事まとめページ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説している。

今件のグラフは日本時間で2011年7月15日、つまり(日本時間で)本日取得したばかりの一番新しいデータで生成している。今回も前回から大きな変動が確認できた。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。

↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)
↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2011年7月15日時点)

いわゆる「ジャスミン革命」「Facebook革命」と呼ばれた中東近辺の連鎖反応的動乱は、今なお紛争が継続中のリビアでも情勢の報道が下火になっていることからもわかるように、EUの介入も泥沼化となり、解決への糸口は見えない状態。当然一時期のような熱気はすでに醒めている。「ジャスミン革命は事実上の失敗」と評する意見も多い。

一方、図中に矢印で記したギリシャやポルトガル、アイルランドなど、ヨーロッパでのいわゆるPIGS(金融危機のさなかにあるポルトガル・イタリア・ギリシャ・スペイン)をはじめとしたヨーロッパ諸国の金融方面でのきな臭さは否めない。ざっと例示しても、

・ギリシャ……債務危機継続。IMFとの交渉は難航。格付け会社フィッチの格下げで支援国の足並みさらに乱れる。「選択的デフォルト」に関する協議も。
・ポルトガル……ムーディーズの格下げ。ギリシャのデフォルトが起きれば連鎖になるとの懸念。
・アイルランド……ムーディーズの格下げ。財政立て直しの資金確保の方はあるが、ポルトガルと状況は同じ。
・スペイン……ギリシャなどの債務懸念の飛び火。さらなる財政再建化の必要性。
・イタリア……財政再建のために緊縮財政案承認へ。国債利回り急上昇。

などが挙げられる。ギリシャ・ポルトガル・アイルランドの急上昇ぶりはグラフを見れば明らかだが、他にイタリアが前回上位10位以内にすらなかった(=20.82%未満だった)のにも関わらず、今回ベトナムを超えて第9位に入っているあたり、ヨーロッパの債務危機の深刻さをうかがう事ができる。

なお日本の国債に対する値は4半期ごとに更新されるCMD Visionのリスクレポートの最新版[2011年第1四半期リスクレポート(PDF)]で確認できる。それによると、CPD値は8.7%・格付けはaaで順位は29位。2010年第4四半期の値がCPD値は6.4%・格付けはaa+で順位は18位だから、かなり悪化したことになる。これは震災による被害やその復興のための財務的負担が、大きなものになることを示唆する動きともいえる。

今月データでは先月よりさらに、財務状況やそれを取り巻く環境、施策の動向が悪化したギリシャやポルトガル、アイルランドの値の急上昇ぶり、そして連鎖反応的に悪化するスペイン・イタリアなど、ヨーロッパ方面の情勢をあらためて認識する結果となっている。中でもギリシャは86.54%、つまり「今後5年間にデフォルトしてしまう可能性が9割近い」という状況であり、すでに投機レベルすら超えている感はある。今後の動き、特にヨーロッパ各国の動向を、注意深く見守りたいところだ。


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