計画性は子供が3割近く・高齢者1割、目的はほぼ…万引きの計画性と目的
2011/07/13 12:10


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調査対象母集団の内訳については先日掲載した【4割強は「交友関係ほとんどナシ」…万引き被疑者のプロフィール】にて確認してほしい。
まずは計画性だが、設問では「計画性 あり・なし」としか表記されておらず、回答者の判断に任せる部分が少なくない。しかしこの表記の場合、一般的には「事前に窃盗を目的として該当店舗を決めて足を運び、場合によっては何らかの道具(袋など)を用意したか、あるいは特に事前の考えを持たずに訪れた店舗で犯行を行ったか」と見れば良い。

↑ 犯行計画性
高齢者は1割ほど、中間層は2割近くが計画性のある行為だが、逆にいえば行為者は9割近く、中間層は8割強が特に事前に考えることなく実行してしまったことになる。言い換えれば「出来心」「魔がさした」あたりか。しかし少年の場合は3割近くが計画性のある行為と回答しており、(それでも7割以上は無計画だが)計画性の高い状況が確認できる。
グラフ作成は略するが、少年の場合共犯者の存在が4割強と他の階層(中間層3.3%・高齢層0.4%)と比べて極めて高く、ドラマや漫画などでよく描写される少年犯罪のパターン「子供達が集まって面白半分で、遊びのように、あるいは強要されて万引きに至る」状況があながち絵空事ではないことを容易に想像させる。
一方目的については、9割強が「自己消費」と回答している。売却目的や第三者への譲渡し、目的無しなどはごく少数でしか無い。

↑ 万引き行為の目的
特に高齢者はほぼ100%に近い割合で自己消費と回答。少額商品・食料品が多い事なども合わせ、身近な物品を手にしているのが分かる。中間層では多少「売却目的」が多いが、それでも5.7%でしかなく、(少なくとも愛知県警が把握している限りにおいては、だが)万引きが転売目的のために増加している云々という話は、現状では肯定し難いことが確認できよう。
一応「売却目的で行為に及んだ」人に対し、転売先を聞いた結果もデータには用意されているが、回答者数が31人ときわめて少数で有意性に欠けるため、グラフは省略しておく。念のために数字を挙げておくと、「中古品店25人」「ネットオークション3人」「その他3人」となり、中古品店への転売目的が多数を占めている。
二つのデータを合わせると、例えば少年の場合、少なくとも約1/4は「自己消費のために、計画的に犯行に及んだ」ことになる。状況を想像するに、色々と複雑な気持ちにならざるを得ない。
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