自分の歳で結婚している人は何%? 結婚状況の実情(最新)

2021/12/12 02:51

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2021-1205総務省統計局は2021年11月30日、5年に一度実施する国勢調査の最新版となる2020年国勢調査における一部項目の値を公開した。今回はその開示情報を基に、年齢階層別における未婚・既婚率の状況を確認していくことにする(【2020年国勢調査】)。

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2020年の状況を確認


まずは直近分となる2020年における、男女別・年齢階層別の配偶関係。配偶関係の具体的内容だが、「未婚」は結婚経験が無い、「有配偶者」は現在結婚して異性の配偶者がいる、「死別」は結婚して相手がいたがその相手が亡くなって現在は一人身、「離別」は結婚していたが相手と離婚してそのままの状態(再婚していない、独身。連れ子が居るか否かは問われていない)を意味する。なお「不詳」は除外して割合を再計算している。

↑ 配偶関係別比率(男性、15歳以上、年齢階層別)(2020年)
↑ 配偶関係別比率(男性、15歳以上、年齢階層別)(2020年)

↑ 配偶関係別比率(女性、15歳以上、年齢階層別)(2020年)
↑ 配偶関係別比率(女性、15歳以上、年齢階層別)(2020年)

20代後半から「有配偶者」の割合が増えていくのは男女とも変わらないが、男性の方がやや伸びが鈍い。この年齢層では男性の方が「まだ結婚していない人の割合が大きい」ことになる。男女の「有配偶者」比率は60歳後半から逆転し男性の方が多くなるが、これはあくまでも「比率」の問題であり、人数とは別物であることに注意する必要がある。

つまり女性は「死別」が大きく伸びているため、その分「有配偶者」の比率が減っている。具体的には高齢女性の場合、高齢男性と比べて「配偶者に先立たれて一人身となった人の割合が多い」事実を意味する。女性の方が平均寿命が長いため、当然の話ではあるのだが。

60代以降では女性の「死別」の比率が非常に高くなり、紫の領域が多分になっていることからも、その実情が理解できるはずだ。80歳以上の存命の女性では実に半数以上が配偶者に先立たれている計算になる。

未婚率や離別率の現状と推移と


よい機会でもあるので、複数の視点から該当データを確認していく。まずは未婚率にスポットライトを当て、1995年以降の国勢調査のデータを順次並べたのが次のグラフ。2020年分まですべて確定報によるものである。

↑ 配偶関係別比率(男性、15歳以上、年齢階層別、未婚率)
↑ 配偶関係別比率(男性、15歳以上、年齢階層別、未婚率)

↑ 配偶関係別比率(女性、15歳以上、年齢階層別、未婚率)
↑ 配偶関係別比率(女性、15歳以上、年齢階層別、未婚率)

男女とも10代ではほとんど変移はないものの、男女とも20代以降、特に30代以降は時代の変遷とともに未婚率が増加する傾向が確認できる。女性は60代前半になると上昇幅は小さいものとなるが、それでもなお増加は継続する。他方男性では70代前半まで上昇度合いの勢いが止まらないのが気になるところ。

さらにおおよそではあるが、いずれの年代・年齢層でも男性の方が未婚率は高い。「同じ年齢層の同性を見渡すと、女性より男性の方が未婚者の割合が大きい」状態は、少なくとも前世紀からの現象だったことが分かる。

続いて離別率。

↑ 配偶関係別比率(男性、15歳以上、年齢階層別、離別率)
↑ 配偶関係別比率(男性、15歳以上、年齢階層別、離別率)

↑ 配偶関係別比率(女性、15歳以上、年齢階層別、離別率)
↑ 配偶関係別比率(女性、15歳以上、年齢階層別、離別率)

婚姻上昇傾向にあるのは男女とも変わらない。他方、全般的に女性の方が離別率は高いのが目にとまる(横軸は男女とも同区分で構成している)。なお「離別率」とは「離婚率」とは別で、「離婚した後に再婚せず、配偶者がいないままの状態」を意味することに注意されたい(離婚したあとに再婚すれば、離婚経験はあるものの、離別状態にはない)。女性の場合は子供がいればいわゆる「母子世帯」となるが、女性の方が離別率が高い以上、「母子世帯」の割合は「父子世帯」より多いことは容易に想像できる。

男は40代後半以降、女性は40代前半以降の値が大きくふくらんでおり、中年以降の夫婦間の絆、バランスに何らかの変移が生じている可能性を示唆している。子供がある程度成長した、あるいは子供に関してる何らかの対立が生じ、離婚に結びついてしまうのかもしれない。

やや余談であるが【男性は4人に1人近くが生涯未婚の可能性…生涯未婚率の実情(最新)】でも言及した、直近年の年齢階層別における未婚状態の人の割合を抽出したのが次のグラフ。

↑ 未婚状態の人の割合(男女別)(2020年)
↑ 未婚状態の人の割合(男女別)(2020年)

何らかの指標になれば幸いではある。


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