【更新】小遣い銭を握った手をじっと見る…生活のゆとり感を小遣い面から眺めてみる(2011年版)

2011/07/06 05:16

空の財布先に【ついに4万円台を大きく割り込む・「減った」11.5%「増えた」は6.4%-2011年のサラリーマンのこづかい事情】などで、新生銀行グループの新生フィナンシャル(旧GE Money)が2011年6月27日に発表した、2011年におけるサラリーマンのおこづかい調査の結果を、内容を多方面の切り口から確認した。今年の調査では経年発表で対象とされた項目のいくつかが消え、代わりに新規の調査項目などが加わっている。今回も以前の追跡記事では対象にしなかった項目について、掘り下げることにする。具体的には「小遣い面から見た、生活のゆとり感」についてである(【発表リリース】)。

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今調査は2011年4月23日から24日までの間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2064人。男女比は1548対516で、年齢階層比は「男性サラリーマン」は20代から50代まで10年区切りで、「女性会社員」「男性パート・アルバイト」「女性パート・アルバイト」は20代・30代でそれぞれ均等割り当て。なお「男性サラリーマン」以外は今回がはじめての調査となる(ただし明記ない限り、データ・グラフはこれまで通り「男性サラリーマン」からのものについてのみ対象としている)。また今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではない。

さて男性サラリーマンの平均月額こづかい額は3万6500円で、この数年は減少傾向を継続しているのはすでにお伝えした通り。

2008年以降における年齢階層別サラリーマンのお小遣い
↑ 2008年以降における年齢階層別サラリーマンのお小遣い(再録)

それではその小遣い額で、サラリーマンたちは「生活のゆとり感」をどのようなレベルで実感しているのだろうか。やはり、あるいは当然のごとく、額が大きい若年層の方が「ゆとり」を感じる人も多い。もっとも「大いにゆとり」な人はいずれも1ケタ台でしかない。

↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2011年)
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2011年)

一つ目のグラフと比較して分かるのは、額面の世代間関係がそのまま「大いにゆとり」と「まあまあゆとり」を足した値(青系統で着色した部分)にほぼ比例していること。額が一番小さな40代が、そのまま「ゆとり」回答率も低い値となっている。世代毎のお小遣いの要望額の違い以上に、額面そのものでゆとり感の相違が生じる可能性も示唆している。

一方で興味深いのは、この数年間の「お小遣い面から見た生活のゆとり感」がほんのわずかながらも改善方向に動いていること。

↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2009-2011年)
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2009-2011年)

上のグラフにもあるように、小遣い額は経年で大いに減退を続けている。物価が大きなデフレをこの数年で起こしてるという話も聞かない(たばこの事例にもあるようにむしろインフレ感を覚える人もいるだろう)。にも関わらずゆとり感を覚える人は増えている。

これは資料でも指摘されているように、「お小遣いが増えない中でうまくやりくりをコントロールできるようになった」と考えるのが一番しっくりと来る。表現を変えれば消費額を抑えることに他ならず、サラリーマンの小遣いを対象とした小売商品(例えば雑誌や新聞など)がビジネス的に辛い状況なのも、十分理解できるというものだ。

この「生活のゆとり感」も、小遣いが少ないパートやアルバイトなど、非正規社員では大いに減退している。

↑ 20-30代の会社員とパート・アルバイトの小遣い事情(月額、円)
↑ 20-30代の会社員とパート・アルバイトの小遣い事情(月額、円)(再録)

↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2011年)(正社員・非正社員別)
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2011年)(正社員・非正社員別)

併記したように、小遣い額そのものが正社員と比べて非正社員は低いのだから、ゆとりを感じる度合いが低いのも当然の話。若年層のパート・アルバイトで男性8割近く、女性で7割近くが「(小遣い面から見て)生活は苦しい」とする状況は、生活感の苦しさがこれらの層に浸透していると見ることができる。

【前年比はマイナス12万人、派遣社員受難時代続く…非正規社員の現状をグラフ化してみる】によれば、2010年時点において非正規社員数は約1600万人・労働者の約1/3に達している。単純に乗算しても「厳しさを覚える」人の数が相当数になるのは一目瞭然。パート・アルバイトのお財布事情が良くなるように……というよりは、むしろ正社員として勤めたいのに、パートやアルバイトにつかざるを得ない人達を減らす施策を考察すべきだろう。

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