エネルギー消費量とGDPの関係をグラフ化してみる

2011/07/04 07:05

GDPとエネルギー先日より【世界のエネルギー供給量の推移をグラフ化してみる】で世界全体の一次エネルギー(自然界に存在するそのままの形を用いてエネルギー源として使われているもの)の動向を確認した時に用いた、経済産業省・資源エネルギー庁による【エネルギー白書2010】を基に、多種多様なエネルギー関連のデータのうち、今後役に立ちそうな項目・データを再構築し、まとめる作業を続けている。今回はエネルギー消費とGDPの動きを眺めてみることにする。【日本の一次エネルギー供給の動きをグラフ化してみる(エネルギー白書2010版)】などと合わせ読むと、さらに理解が深まるはずだ。

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参照した具体的な場所は「第2部 エネルギー動向 第1章 国内エネルギー動向 第1節 エネルギー需給の概要」。GDPとは国内総生産のこと。

まずは単純にGDPと各部門の消費エネルギーを同一グラフ内に示したもの。GDPの値は2000年水準に換算している。なお実質GDPについては名目GDPと共に【日本の経済成長率をグラフ化してみる……(上)用語解説】を参考にすること。要はインフレが起きても影響を受けないGDPのことである。また、伸び率が分かりにくいかもしれないので、エネルギー政策の転換点となったオイルショック時の値を100%とした時の、各値の推移も併記しておく。

↑ 最終エネルギー消費と実質GDPの推移
↑ 最終エネルギー消費と実質GDPの推移

↑ 最終エネルギー消費と実質GDPの推移(1973年のオイルショック時の値を100%とした場合)
↑ 最終エネルギー消費と実質GDPの推移(1973年のオイルショック時の値を100%とした場合)

オイルショックを転機に、特に産業部門では省エネ化が進み、エネルギー消費を抑えながらの経済成長が推し進められた。一方運輸部門・民生部門は右肩上がりで伸びたものの、運輸部門は1990年代に入り省エネ化が叫ばれ、産業部門同様に省エネ効果が見えてくる。民生部門は直近数年間の景気後退局面をのぞけば(GDPも連動して落ちている)、大部分の時期において(21世紀初頭のITバブル崩壊時には少々ながらも減退が確認できる)大きく伸び続けている。これは生活のゆとり、豊かさを求めての結果といえよう。

それでは海外と比較した場合、日本のエネルギー消費量には無駄が多いのだろうか。それともスマートな経済活動といえるのだろうか。GDPの産出量とエネルギー消費(供給)量との比較を表したのが次のグラフ。日本を1とした場合、他国のGDP算出効率がどの程度のものかを掲載した結果である。

↑ GDP当たりの一次エネルギー総供給の主要国比較(2007年)(一次エネルギー供給(原油換算トン)/実質GDPを日本=1として換算)
↑ GDP当たりの一次エネルギー総供給の主要国比較(2007年)(一次エネルギー供給(原油換算トン)/実質GDPを日本=1として換算)

日本は海外諸国と比べ、(単純計算ではあるが)少ないエネルギーで富を生み出すことに成功しているのかが分かる。高い付加価値の創生に成功している、効率の良いエネルギー利用をしている、為替レートの問題など複数要因が挙げられるが、決して悪いことではない。

経年推移を見ると、日本では1990年代の時点でほぼ極限に近い水準にまで達し、それ以降はほぼ横ばいで推移しているのが確認できる。

↑ 「一次エネルギー供給量(石油換算トン)/GDP(千米ドル、2000年基準)」の値の変化
↑ 「一次エネルギー供給量(石油換算トン)/GDP(千米ドル、2000年基準)」の値の変化

それでもなお今世紀に入ってからは少しずつ値を小さくしており、さらなる効率化が図られているのが分かる。一方他国では漸次効率化が進み、特にEUでは1990年比で25%以上の効率化に成功している。ひるがえって日本は-8.4%でしかない(絶対値で見れば日本が他国を大幅に下回っていることに違いは無いが)。



「世界規模で経済発展を遂げながらエネルギーの節約を推し進める」ということであれば、日本やドイツのような高効率の国に無理にさらなる削減を求めるより、効率が悪い国の状態の改善を求めた方が、全体的にははるかに容易に、スマートな形で目標を達成できる。いわゆる二酸化炭素削減問題も似たようなもの。一律同じような数字目標を掲げられたら、日本の苦労の苦労の度合いは他国とは比べ物にならないのは、誰の目にも明らか。

国の政策を左右する立場にある、権限を有する者は、ひとときの自己満足や思い付き、浅知恵ではなく、明瞭かつ明確なデータに基づいた、理路整然とした論理の上でその権限を行使していかねばならない。それが出来なければ、権限を有する資格は無いとも言われても、仕方あるまい。


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