日本の発電設備の容量推移をグラフ化してみる

2011/07/02 19:30

発電所先日から2011年3月29日付の記事【世界のエネルギー供給量の推移をグラフ化してみる】において、世界全体における一次エネルギー(自然界に存在するそのままの形を用いてエネルギー源として使われているもの)の動向を確認する際に利用した、経済産業省・資源エネルギー庁の【エネルギー白書2010】をベース資料として、今後各方面の記事で資料として使えそうな、そして状況として把握すべきである項目・データを再構築し、まとめる作業を続けている。今回は発電設備容量の推移を眺めてみることにする。先日の【東北・東京・中部電力の一日単位の最大電力需要推移をグラフ化してみる(2011年5月31日まで反映版)】と合わせ読むと、さらに理解が深まるはずだ。

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参照した具体的な場所は「第2部 エネルギー動向 第1章 国内エネルギー動向 第4節 二次エネルギーの動向」。「二次エネルギー」とは冒頭で触れた「一次エネルギー」を原材料として、人間の手によって姿形を変えられたエネルギーの総称。

まずは「エネルギー白書」最新号に掲載されている直近データ、2009年における発電設備容量の構成比。一般電気事業用で10電力会社の合計値。

↑ 発電設備容量の推移(一般電気事業用)(万kW)(2009年)
↑ 発電設備容量の推移(一般電気事業用)(万kW)(2009年)

グラフ中にも注意書きしてあるが、これはあくまでも官公庁から了承を得られた、最大限の発電能力を意味する。例えば揚水発電の場合、全揚水発電所が同時期にフル活動をしたら、2564万kWを出せるポテンシャルを有している。しかし【東電、今夏の電力需給予想を更新発表・ピーク時で5500万kWの需要に対し供給は7月末5680万kW・8月末5560万kW】などでも説明しているように、揚水発電はあくまでも需要調整用の発電手段であること(長時間の活動は不可能)や、天候などに左右されやすいなどの理由で、常用利用の発電能力と換算するのは多分に無理がある。

また、火力系(石油、LNG、石炭)は一度稼働させればある程度の連続使用には耐えられるが、資源によって環境負荷やコストパフォーマンスの問題があるし、やはり一定期間毎のメンテナンス、発電所の耐久年度の限界もある。原子力もしかり。

続いて経年データによるグラフを構築する。

↑ 発電設備容量の推移(一般電気事業用)(万kW)
↑ 発電設備容量の推移(一般電気事業用)(万kW)

以前【日本の一次エネルギー供給の動きをグラフ化してみる(エネルギー白書2010版)】などで解説したように、日本では二度のオイルショックを経て、石油偏在のエネルギー環境を積極的に変える動きを見せている。「水力」は早期から大きな値を見せているが、逆に大規模な発電所はほとんど開発し終えており、伸び悩み状態にある。昨今の情勢によりエネルギー政策に変更がかかる可能性はあるが、「リスク分散」という根本にして基本原則に変更はあるまい。今後はLNGや石炭の伸びが顕著なものとなると考えてよかろう。



今グラフはあくまでも「最大でここまで出せる」であり、「常にここまで出し続けられる」という類のものではない。例えるなら、「最大容量2リットルのバケツ」にギリギリ水を張って2リットルの水を入れ、全速力で数キロ先の畑まで一日中、何往復もしながら水を運び続けられるか、という問題である。または「野球の打者の最良結果はホームランだから、これから全試合に出て、全試合ホームランを打ちなさい」と監督に命じられるようなものだ。どちらも「絶対無理」ということは容易に理解できよう。

複数の発電所を同時に永続的にフル活動できるはずの無いことは、少々考えをめぐらせれば誰にでも理解できるはずなのだが……。

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