【更新】厳しさ進行中「サラリーマンの小遣いと昼食代の微妙な関係」(2011年版)

2011/07/01 06:57

先に【ついに4万円台を大きく割り込む・「減った」11.5%「増えた」は6.4%-2011年のサラリーマンのこづかい事情】でお伝えしたように、新生銀行グループの新生フィナンシャル(旧GE Money)が2011年6月27日発表した「サラリーマンの小遣い調査」によると、男性サラリーマンの昼食代は今年においても大きく減退していることが明らかになった。その原資となる小遣いも同様に大きく下落しており、「小遣いに占める昼食代の割合」も微妙な変化を見せることになる。去年と比べてサラリーマンの昼食代における小遣いの圧迫度合いは、どのような変化を遂げたのか。去年のデータを引き継ぐ形で、今年はさらに別途の視点からの数字もあわせ、関連する値を算出してみることにした(【発表リリース】)。

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今調査は2011年4月23日から24日までの間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2064人。男女比は1548対516で、年齢階層比は「男性サラリーマン」は20代から50代まで10年区切りで、「女性会社員」「男性パート・アルバイト」「女性パート・アルバイト」は20代・30代でそれぞれ均等割り当て。なお「男性サラリーマン」以外は今回がはじめての調査となる(ただし明記ない限り、データ・グラフはこれまで通り「男性サラリーマン」からのものについてのみ対象としている)。また今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではない。

サラリーマンの小遣いの主な使い道の一つが「昼食代」、そして小遣いそのものの平均もすでに公開されている。一か月あたりの平均出勤日数を単純に20日とし、休日は自宅で食べるので昼食代は使わない状況を想定する。そして一日の昼食代を20倍して、一か月の昼食代を算出し、小遣い額に占める割合を計算する。このあたりの計算方法は去年のものをそのまま踏襲している。なお実際には今資料で提示されている昼食代は「弁当持参時をのぞく」と定義されている。

サラリーマンの小遣いと昼食費が占める割合(2011年まで)
サラリーマンの小遣いと昼食費が占める割合(2011年まで)

このようにグラフ化すると、次のような推測が出来る。

・サラリーマンが昼食費として想定している配分は小遣いの2-3割。
・ITバブル崩壊、金融恐慌時(2002年以降)に激減した小遣いに対し、昼飯代を少しずつ削ることで対処しようとしたものの、当初は「昼食係数※」が上昇する。状況に対応するまでにはしばらく時間を必要とした模様。
・その後も少しずつ昼食費の節約は続き、昼食係数もじわじわと漸減。2004年をピークに昼食係数は減少し、小遣いの額も増えて、余裕が出てくる。
・だが「昼食以外の小遣いの使い道を増やす」ためか、昼食費を削る意向は止まらない。
・2007年にようやく昼食係数は「ITバブル崩壊」直後の水準にまで戻る。
・しかし2008年では昼食代の減少分を上回る割合で小遣い額が減り、さらに直近の2009年では小遣いが減る一方で昼食代は増加。昼食係数は再び上昇のきざしを見せる。
・2011年は小遣い、昼食代共に大きく減少したが、昼食代の落ち込み以上に小遣いの減額が厳しく、結果として昼食係数は跳ね上がる。

※「昼食係数」……小遣い全体に占める昼食費の割合。かつて生活の豊かさを示すバロメーターとして使われていた「エンゲル係数」になぞらえて設定

少ない小遣いの中で、欠かすことはできず・なおかつ大きな割合を占める昼食費を少しずつ削る。しかし今年は小遣い額の減退が著しく、昼食代を切りつめてもなお、厳しさを増した情景が容易に想像できる。

その「工夫」「努力」の一つが、昼食形態の変化。この項目は2009年分から設問として用意されたものだが、これによると、1週間のうち、持参弁当が1.8回を占めている。去年の1.5回から実に0.3ポイントも上昇している。

1週間における昼食の形態(回数)の変移
1週間における昼食の形態(回数)とその変移

弁当持参率増加で
外食などの昼食代は圧縮。
社員食堂も大きな助力。
他調査の結果(【「弁当族」 そのうち3割 新人さん】)を見るに、昼食の弁当持参率の増加は容易に想像ができる。今回調査でもその結果が明確に出ている。今年は「持参弁当率は増え、お金がかかる持参弁当以外の昼食における、昼食代は大きく減退した」と見ることができる。

【お弁当を500円で、安い惣菜をもっと幅広く! - 進む中食低価格競争】などで紹介しているように、サラリーマンの可処分所得の減少や節約志向の高まりから、昼食のお弁当の購入先として最有力候補のコンビニでも、廉価版のお弁当の開発・販売が加速中。「シンプルな構成でお値打ち価格」な商品にこれまで以上に力を入れるようになっている。

サラリーマンのお小遣いの額は今後しばらくの間、低迷を続けることが容易に想像できる。小遣い消費対象の中でもっとも大きな領域を占める昼食代が、「コンビニなどの弁当の安値競争」「お弁当の持参」など複数の要因と絡み合いながら、どのように変化していくのか、今後も気になるところだ。



さて今回は余興として、もう少し別の視点から見た数字を算出しておく。上の「昼食の内訳(週当たり回数)」を見直すと分かるように、全部を足すと2009年は4.9日・2010年は5.0日・2011年は5.6日となる。一週間は7日なのでこれより大きくなるはずはないが、従来土日が休みなら5.0日内外に留まるはず。2011年の値が5.6日とやや飛びぬけているところを見ると、土曜日の昼食込みの残業が増えている可能性を示唆している。

さらに各値を考慮し、1か月を4.3週間と概算。その上で実質的な要昼食代日数を2009年以降において算出し(つまり上の「20日すべてを要昼食代」という仮定では無く、弁当持参日をのぞいて昼食代を積み重ねる。弁当持参時は1円も使わないと仮定する)、純昼食費と、その昼食費が小遣いに占める割合を求めた結果が次のグラフ。

↑ 月昼食費(実算、円)と小遣いに占める純昼食費率
↑ 月昼食費(実算、円)と小遣いに占める純昼食費率

昼食費が小遣いに占める比率は2割前後という現状に変わりは無い。ただし2011年は出勤日が増えたため、一か月あたりの昼食代がかさみ、小遣い全体額が減っているため、結局比率が上昇してしまったというわけだ。

いずれにせよ、懐事情が厳しいことに変わりはない。

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