日米安保のアメリカ側評価は約9割

2011/06/30 06:39

ヘリ外務省は2011年6月9日、アメリカ合衆国における対日世論調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、日米安全保障条約(日米安保)に対し、9割以上の人が維持すべきと考えていることが分かった。また日米安保が日本・極東の平和・安定へ貢献していると考えている人、アメリカ自身の安全保障にとっても重要と考える人の割合もそれぞれ約9割に達している。以前日本側の調査結果【「日米安保と自衛隊で日本の安全を」は7割強、年々増える傾向に】で、「日本側から見た、日本の安全維持のための日米安保の重要性」を認識する意見が増加中であることを解説したが、同様の考えがアメリカ側でも浸透しつつあることが確認できる(【発表リリース】)。

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今調査は外務省が【ギャラップ社】(The Gallup Organization、1935年に創設されたアメリカ世論研究所を前身とする世論調査などを行う企業で、世界数十か国に拠点を設けている。民間企業による世論調査の先駆け的存在で、その世論調査は「ギャラップ調査」と呼ばれ、高い信頼を得ている)に委託して行ったもので、有効回答数は一般人1200人(18歳以上)・有識者200人(政官財、学術、マスコミ、宗教、労働関係などで指導的立場にある人物)。電話調査での調査で、信頼度95%の標本誤差は一般で±3%・有識者で±7%。

現在において日本の安全(国防、軍事的な国の保安を中心とした「安全」)は、自衛隊と日米安全保障条約に基づいた安全保障体制の二本柱で守られている。このうち日米安保について、アメリカ側がこのまま維持すべきか、そうでないのかを聞いた結果が次のグラフ。2008年に一般人の意見でやや凹みが確認できるが(これは2008年に行われた大統領選挙において、現大統領のオバマ氏を推す民主党が日本からやや距離を置く政策を取ったのが遠因だろう)、一般人は概して漸増、有識者は8割後半から9割の高水準で「維持すべき」と肯定的意見を持っているのが分かる。

↑ 日米安全保障条約の維持について(「維持すべき」「そうは思わない」「分からない」のうち「維持すべき」の回答者)
↑ 日米安全保障条約の維持について(「維持すべき」「そうは思わない」「分からない」のうち「維持すべき」の回答者)

日本国内では一部で「アメリカも実は日米安保を止めたがっている意見が多数云々」という話も耳にするが、少なくとも今件データを見る限り、その「話」の真実味は薄いことが分かる。

ではその日米安保が、日本と極東の平和と安定へ寄与貢献しているものなのか。軍事的、戦略的、政略的な現実問題の上での判定は別として、「貢献している」と認識・判断をしている人の割合は次の通り。

↑ 日米安全保障条約は日本と極東の平和と安定へ貢献しているか(「非常に貢献している」「やや貢献している」「わずかしか貢献していない」「全く貢献していない」「意見無し」のうち「非常に貢献している」「やや貢献している」の回答者合計)
↑ 日米安全保障条約は日本と極東の平和と安定へ貢献しているか(「非常に貢献している」「やや貢献している」「わずかしか貢献していない」「全く貢献していない」「意見無し」のうち「非常に貢献している」「やや貢献している」の回答者合計)

「維持すべき」云々の動向同様に、有識者は高い値で安定、一般人は2008年の大統領選時に多少の凹みを見せるも全般的には漸増傾向を見せている。一般人の方が選挙運動で心境を左右されやすいという点でも注目できる内容だが、ともあれ直近データでは一般人85%・有識者90%が「日米安保は日本と極東の平和と安定へ貢献している」と評価をしていることが確認できる。

最後に、日米安保が日本では無く「アメリカ自身の」安全保障にとって重要か否かという問題。これは日本サイドでも気になる項目だが、結果としては直近で約9割から「重要視している」との回答が得られた。

↑ 日米安全保障条約は米国自身の安全保障にとって重要か(「極めて重要」「ある程度重要」「あまり重要でない」「全く重要でない」「分からない」のうち「極めて重要」「ある程度重要」の回答者合計)
↑ 日米安全保障条約は米国自身の安全保障にとって重要か(「極めて重要」「ある程度重要」「あまり重要でない」「全く重要でない」「分からない」のうち「極めて重要」「ある程度重要」の回答者合計)

興味深いのは、この点、つまり日米安保におけるアメリカへの直接的な利益という観点においては、一般人も有識者もさほど変わりないレベルで高評価(むしろ一般人の方が平均的には高い)を与えているということ。これをどのように解釈するかは人それぞれだが、少なくとも<「「日米安保と自衛隊で日本の安全を」は7割強、年々増える傾向に」と合わせて考えれば、日米安保はお互いにとって年々重要度が増しているという認識が、一般レベルでは浸透していると考えて問題はなさそうだ。


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