2010年の熱中症犠牲者は1718人・65歳以上で約8割

2011/06/25 06:56

厚生労働省は2011年6月24日、昨年2010年における熱中症による死亡者が1718人に達し、熱中症周りの統計を撮り始めた1964年以来最大値となったことを発表した。これまでは2007年の904人だった。発生場所では「家の中、家の庭」がもっとも多く45.6%、世代構成別では60代以降で人数が急増する傾向が見受けられる(【発表リリース】)。

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【熱中症についてまとめてみる】でもお伝えしたように、今般東日本大地震やその震災などの影響を受け、少なくとも今夏は電力需給が非常に厳しい状態にある。エアコンなどの冷房機器の使用を控える、設定温度を上げる動きも各所で見られるが、それと共に「熱中症」のリスクがクローズアップされている。昨年2010年は「豪暑」と表現しても良いほど(※気象用語として「豪暑」は無い)の猛烈な暑さを記録したが、熱中症による犠牲者も暑さに伴う形で増加する形となってしまった。

熱中症の犠牲者における発生場所としては、屋外では農場がもっとも多く62人。炎天下で無理をした農作業のさなかに倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまったパターンが想定される。

↑ 2010年の熱中症による死亡者数(発生場所別)
↑ 2010年の熱中症による死亡者数(発生場所別)

しかしそれにも増して、圧倒的に多いのは「家(庭)」。具体的には「住宅、農家、アパート、私有地(私邸の中庭、車庫etc.)など(付随敷地含む)」を指し、普段から警告されている「熱中症のリスクが住宅内でも高い」ことへの裏付けとなる値といえる。一方で気になるのが「詳細不明の場所」だが、これに関する言及は発表資料には一切ない。発見された際の資料が残されていないのか、あるいは特定できない場所なのかもしれない(後述する「高齢者に集中している」状況も、この「特定できない」が増加する要因といえよう)。

次いで年齢階層別の区分を。元資料では5歳階級別にデータが用意されているので、まずはこれをそのままグラフ化する。人口構成比率の相違、定年退職後は一人暮らし、あるいは老夫婦のみの世帯になり、熱中症を発症した場合の対応が遅れるリスクが増加するからか、60歳を超えたあたり、さらには体力の衰えが顕著になる75歳以上で大きな増加を見せるのが確認できる。

↑ 2010年における熱中症による死亡者数(5歳階級別)
↑ 2010年における熱中症による死亡者数(5歳階級別)

ややグラフが見づらいところもあるので、これを10歳区分で再構築したのが次の図。60代以降においてリスクが急増していること、さらには歳を経るほど(人口構成の問題もあろうが)女性の犠牲者が増加している状況が確認できる。

↑ 2010年における熱中症による死亡者数(10歳階級別)
↑ 2010年における熱中症による死亡者数(10歳階級別)

同じ対人口比率なら、人口そのものが多い方が該当人数も多くなる。しかし若年層とシニア層との間にここまでの差異は生じていないので、やはり全般的に(体力や環境など要因は多種多様に及ぶが。【熱中症でつらつらと】なども参照のこと)高齢者ほど熱中症リスクは高まると判断した方が良い。また、元資料にもあるように、熱中症犠牲者の79.3%が65歳以上(一般的な定年を迎えた人たち)で占められているという事実も認識しておかねばなるまい。

最後に、都道府県別の熱中症による死亡者の動向を確認する。元資料には人数のみが掲載されているのだが、単純に人口が多い場所ほど発生事例数も多くなりうるという考え方もある。そこで資料からリンクが張られている「人口動態統計月報(概数)平成22年12月分(年計を含む)」から、「平成22年国勢調査人口速報集計結果」(総務省統計局)のデータを導き、これを元に人口10万人に対する値を算出したのが次のグラフ。

↑ 都道府県別熱中症死亡者対人口比(10万人に対する人数、2010年)
↑ 都道府県別熱中症死亡者対人口比(10万人に対する人数、2010年)

2.0を超える値をオレンジで着色したが(四捨五入で少数点以下第一位までしか掲載していないが、実際にはそれ以下まで算出している)、東京は別としても、人口の多い場所や気温の高い場所、都市部に集中しているというわけではないのが分かる。むしろ南日本の方が少ないくらいだ。



冒頭でも触れたように、少なくとも今年はさまざまな事情で昨今例を見ないほどに、エアコンなどの冷房機器の利用自粛が叫ばれている。とりわけ高齢者はそれらの雰囲気に気押される形で、あるいは電気代などを気にしてしまい、無理をした温度調整をしてしまいかねない。

住宅内に居ても十分な水分補充をすると共に、適度な自己管理と周辺への配慮を心掛けて欲しいものだ。

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